ワールドヘルスレポート

海外の健康や医療に関する旬なニュースをお届けしています。
2012年記事
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2012年12月記事 vol103 米国で、大豆を中心に根強い日本食ブーム
アメリカで、根強い人気を誇るのが「日本食」。一頃の放射能騒動も落ち着き、再び、大豆や穀物、魚など日本の伝統食材へと関心が向かっている。今、アメリカ人がどのような食材に食指を動かしているのか、そのトレンドを報告する。 アメリカ人の9割が栄養成分の表記をチェック 食生活と健康とは密接に関係しているのか? こうした問いに、Natural Marketing Instituteの「2012年 Health and Wellness Trends Database」では、アメリカ人の86%が「食」と「健康」とは密接に関係していると答えている。 疾病対策については、75%が適切な栄養素の摂取で病気のさまざまな症状を改善できると考えているという。 また、United Soybean Boardの「2011 Consumer Attitudes about Nutrition」によると、アメリカ人の87 […]
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2012年11月記事 vol102 遺伝子組み換え食品、米国での表示義務の動き
11月の大統領選挙と同時期、カリフォルニア州で「遺伝子組み換え食品を知る権利法」についての住民投票が行われた。全米が注目した、同州における遺伝子組み換え作物・食品(GMO)の表示義務の動向を報告する。 「遺伝子組み換え食品を知る権利法」、賛成47%・反対53% 食料品製造業者協会(GMA)によると、GMOを含む食料品が米国のスーパーマーケットに並ぶようになったのは1994年からで、現在、加工食品の75%がGMOを含むものと推定されている。 先頃、遺伝子組み換え作物・食品(GMO)の表示を義務化するカリフォルニア州法案「遺伝子組み換え食品を知る権利法」の賛否を問う住民投票が行われた。 結果は、賛成47%、反対53%で否決。カリフォルニア州で長らく、食品メーカーや農家を巻き込んだ大論争に一つの終止符が打たれた。 法案通れば「ナチュラル」表記も一切禁止 この全米が注目した、カリフォルニア州の「 […]
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2012年10月記事 vol101 サプリメントの違法表示報告に業界が猛反発
先頃、米国食品医薬品局(FDA)の親機関である米国保健社会福祉省(HHS)監査部門の監査総監室(OIG)が、市場に流通する一部のサプリメントの違法ラベル表示を発表した。OIGは FDAの法的権限を強化するよう求めるが、サプリメント業界はこれに猛反発。業界側の反論とは。 調査対象品目の20%が違法表示 米国では、成人の約80%がサプリメントを利用し、市場規模は200億ドルといわれている。なかでもダイエットおよび免疫関連の商品はマーケットでの伸張が著しい。 先頃、米国保健社会福祉省(HHS)監査部門の監査総監室(OIG)がそれらを調査し、報告書『栄養補助食品~連邦規制に適合しない構造機能表示』を発表した。 調査は、ダイエットおよび免疫関連のサプリメント127品目に対して実施。内訳はダイエットが60点、免疫関連が67点、それぞれ小売店やオンラインショップで購入した。 今回の調査は、サプリメント […]
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2012年9月記事 vol100 セルフケアで高まるハーブ人気 ~米国ハーブ最新市況
医療費を抑えようとセルフケア・ブームが高まる中、ハーブが売り上げを伸ばしている。9月初旬、ハーブの米国最新売り上げ報告が非営利団体American Botanical Council (ABC)の機関誌HerbalGramに掲載された。販売網別の売上高、売れ筋などハーブの米国最新市況を報告する。 2011年のハーブ売り上げ、前年比4.5%アップ HerbalGramの最新報告によると、米国での2011年のハーブ売り上げは前年比4.5%増の52億7800万ドル。 2010年は前年比0.2%増で停滞気味だったが、それと比べると、明らかに立ち直りをみせていることがうかがえる。 販売網別にみると、量販店が前年比2.9%増の9億4600万ドル(※量販店大手のウォールマートは含まれていない)、ヘルシーフード店が前年比5.5%増の17億5400万ドル、インターネット販売などの直販が前年比4.4%増の2 […]
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2012年8月記事 vol99 脂肪・塩分・糖分を控える米国民 ~2012年版米国民の食と健康意識調査(3)
生活習慣病の予防や健康維持のため、食材選びに慎重になっている米国民が増えている。脂肪を極力避け、塩分や糖分は控え目に。もはやそれが常識になりつつある。International Food Information Council Foundation(IFICF)の「2012年版米国民の食と健康意識調査」から、米国の消費者の食材選びについて報告する。 米国民の75%が低脂肪食品を購入 食品を選ぶ際の決めてはやはり味だが、次に米国民が重視しているのが食品に含まれている脂肪の量–。 IFICFの2012年版調査によると、米国民の75%が脂肪の含有量の低い食品を選んで購入しているという。ダイエットや健康維持、加えて心臓病の予防が主な理由だ。 また、普段の食事でも67%が出来る限り脂肪を摂らないよう心がけていることも分かった。 「2010年版アメリカ人の栄養ガイドライン」では、動物性の […]
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2012年7月記事 vol98 食の安全、購買の重要な決め手に~2012年版米国民の意識調査(2)
ここ数年、スーパーマーケットでは、パッケージの成分表示を熱心に見ている人々が目立つ。消費期限は?米国産か?家畜に抗生物質が使われていないか?おいしさはもちろんだが、食の安全はより重要だ。2012年版米国民の食と健康意識調査から、米国の消費者が食の安全をどう考えているのか報告する。 毎年6人に1人が食中毒に 今年、食品医薬品局(FDA)は昨年1月に成立した食の安全近代化法に基づき、3900万ドルを投じ約2000人の検査官を増員、食品製造所の検査回数を増やすなど、食品の安全管理の強化に乗り出した。 疫病対策センター(CDC)によると、米国で毎年6人に1人が食中毒を起こし、うち約12万8000人が入院、約3000人が死亡しているという。 食中毒による費用は、医療費などを含めると毎年約780万ドルにのぼるといわれている。 サルモネラ菌、死亡者数でトップ 病原菌感染のトップ5は、1位がノロウイルス […]
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2012年6月記事 vol.97 高額医療費に高まる健康意識~2012年版米国民の意識調査(1)
先頃、アメリカ人が食と健康についてどう考え実践しているかをまとめた調査報告が発表された。International Food Information Council Foundation(IFICF)による「2012年版米国民の食と健康意識調査」で、アメリカ人が自身の健康状態をどう思っているか?摂取カロリーについて正しい知識をもっているのか?などがまとめられている。同調査から「アメリカ人の健康意識」「食の安全に対する考え方」「特定の食材に対する考え方」について3回に分けて報告する。 健康を追い求めるアメリカ人 健康のために何を食べたらいいか判断するのは、所得税を申告するよりも難しい。アメリカ人の大半がそう考えているようだ。 ついこの間までヘルシーといわれていた食材が、ある日突然、体に悪いと報じられる。食や運動に関する情報が溢れかえり、一体どれを信じていいのか戸惑うことも少なくない。 とは […]
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2012年5月記事 vol.96 世界的に高まる全粒穀物のニーズ
ここ10年ほどの間に、世界各国でヘルシーフードとしてすっかり認識された全粒穀物。健康に少しでも関心のある人々は、ブレッド、シリアル、パスタなどに”Whole Grain”の表示が入った商品を好んで買っていく。世界的に高まる全粒穀物のニーズ、最新市況を報告する。 全粒穀物の世界市場、2017年までに推定276億ドルに拡大 Global Industry Analystsが今年4月に発表した「Whole Grain and High Fiber Foods調査報告書」によると、全粒穀物の世界市場は2017年までに276億ドルに膨れ上がるものと予想されている。 世界での最大規模の市場は米国だが、最も高い成長率を示しているのはアジア太平洋で、2017年までに6.82%増加するものとみられている。 全粒穀物の人気は高まる一方で、新商品の発売件数も年々増えている。調査会社ミン […]
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2012年4月記事 vol.95 躍進するプロバイオティクスと抗酸化市場
健康関連売り場にずらりと並ぶプロバイオティクスと抗酸化商品。「Probiotics」と「Antioxidant」はすっかり健康用語として定着したようだ。食品に飲料にサプリメント、さらにパーソナルケア商品と関連商品も多岐にわたる。今最も躍進が期待される2つの素材の市況を報告する。 米国民のおよそ3割がプロバイオティクス商品を利用 プロバイオティクスとは乳酸菌やビフィズス菌といった人体に好影響を与える生きた微生物で、腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整えることがよく知られている。 これまでに、コレステロール値低下や免疫力の向上、腫瘍抑制などが報告されている。 日本ではヨーグルトや乳酸菌飲料などが普及しているが、米国でもここ数年、プロバイオティクス商品への関心が高まっており、今後最も成長が期待できる市場とみられている。 ConsumerLab.comが昨年11月に実施した調査では、米国女性の約34 […]
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2012年3月記事 vol.94 米国、EUとオーガニック認定基準の同等性を承認
今年6月、米国と欧州連合(EU)のオーガニック市場が一変しそうだ。世界の2大オーガニック市場が互いのオーガニック認定基準の同等性を承認したからだ。これにより、米国とEUのオーガニック市場が一体化し、合わせて500億ドルの巨大市場が誕生する。オーガニック産業の促進に大きく役立つほか、世界的な雇用と産業の活性化に繋がるとして大きな期待が寄せられている。 追加認定が不要、米国のEU輸出3倍に 米国のキャサリン・メリガン農務副長官は2月15日、EUとの間でオーガニック認定基準の同等性を認める協定を締結したと発表した。これまでは、米国とEU間でオーガニック商品を輸出入する際、相手国の追加認定が必要になるなど煩雑な手続きに加え追加費用がかかった。 しかし、この締結により、どちらか一方の国でオーガニックと認定されれば、相手国の追加認定を行うことなく輸出入できるようになった。たとえばEUでオーガニックと […]
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2012年2月記事 vol.93 米国民のガン死亡率、男女とも減少傾向に
禁煙の徹底、そして穀類や野菜・果実の摂食運動が奏功したためか、今や米国民のガン死亡率が減少傾向にある。これにさらに弾みをと米国政府は新法で乳ガンや大腸ガンの検診の自己負担をゼロにするなどの施策を打ち出した。米国におけるガン検診など対ガン戦略の最新状況を報告する。 ここ数年、米国民のガン死亡率が減少傾向にある。American Cancer Society(ACS)が今年はじめに発表した最新統計によると、2004年から2008年のガン死亡率は、毎年男性で1.8%、女性で1.6%減少し続けていることが分かった。 また、1990年から2008年までに男性のガン死亡率が23%、女性が15%減少していることも明らかになった。 人種別では、最も死亡率が減少しているのが、黒人男性で年間2.4%減、次いでヒスパニック系男性で年間2.3%減。とくに、肺ガン、大腸ガン、乳ガン、前立腺ガンの死亡率が大幅に減少 […]
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2012年1月記事 vol.92 米国健康関連市場、2012年トレンド予測
ヘルシーストアーに入ると、多彩なプロテイン商品が目を引く。米国でのプロテインブームはまだまだ続きそうだが、はたして2012年の米国健康関連市場のトレンドは―。健康関連雑誌や団体、市場調査会社による2012年の市場予測を報告する。 業界紙Nutrition Business Journalの最新の調査によると、2010年のオーガニック商品の総売り上げは234億ドルで、前年比8.4%増と好調だ。 販路別の売り上げでは、マス・マーケット小売店が54%、ナチュラルフード店が39%となっている。 売り上げの内訳をみると、オーガニック乳製品の売り上げが前年比9%増と人気で、今後もこうした商品が主力となるであろう、とNutrition Business Journalは予測している。 実際に、オーガニック乳製品メーカー大手Horizon Organicの実績がそれを裏付けている。 同社のDHA(オメガ […]