セルフケアで高まるハーブ人気 ~米国ハーブ最新市況

セルフケアで高まるハーブ人気 ~米国ハーブ最新市況

セルフケアで高まるハーブ人気 ~米国ハーブ最新市況

report_201209 医療費を抑えようとセルフケア・ブームが高まる中、ハーブが売り上げを伸ばしている。9月初旬、ハーブの米国最新売り上げ報告が非営利団体American Botanical Council (ABC)の機関誌HerbalGramに掲載された。販売網別の売上高、売れ筋などハーブの米国最新市況を報告する。

2011年のハーブ売り上げ、前年比4.5%アップ

HerbalGramの最新報告によると、米国での2011年のハーブ売り上げは前年比4.5%増の52億7800万ドル。
2010年は前年比0.2%増で停滞気味だったが、それと比べると、明らかに立ち直りをみせていることがうかがえる。

販売網別にみると、量販店が前年比2.9%増の9億4600万ドル(※量販店大手のウォールマートは含まれていない)、ヘルシーフード店が前年比5.5%増の17億5400万ドル、インターネット販売などの直販が前年比4.4%増の25億7800万ドルとなっている。

量販店の素材別売り上げでは1位クランベリー、2位大豆、3位ノコギリヤシ

売り上げ上位の素材をみると、量販店では、トップがクランベリーで前年比13.4%増の4011万2590ドル、2位が大豆で前年比10.2%増の1861万1700ドル、3位がノコギリヤシで前年比3.97%減の1805万5930ドル、4位がニンニクで前年比9.21%減の1521万8730ドル、5位がギンコで前年比1.88%増の1462万8650ドル。

前年比で最も売り上げが伸びたのは、ランキング25位の赤唐辛子で、27万3844ドルの前年比49%増。一方、最も売り上げが減少したのはランキング39位のマカで、5万7560ドルの前年比62%減だった。

ヘルシーフード店では1位亜麻仁油、2位大麦・小麦の葉、3位ターメリック

ヘルシーフード店では、トップが亜麻仁油で前年比0.9%減の1813万8051ドル、2位が大麦・小麦の葉で前年比15.1%増の1550万6790 ドル、3位がターメリックで前年比20.1%増の1257万1697ドル、4位がアロエで前年比17.7%増の1204万8895ドル、5位がオオアザミ で前年比8.9%増の869万9684ドルであった。

前年比で最も売り上げが伸びたのは、ランキング6位の藍藻類スピルリナで、827万5770ドルの前年比22.4%増。最も売り上げが減少したのは、ランキング15位の紅色酵母米で420万420ドルで前年比4.8%減だった。

88%がセルフケアで病気を治したいと考えている

医薬品の副作用を心配し、病気の緩和に植物ベースのサプリメントを利用する人々が増えている。首都ワシントン拠点のCouncil for Responsible Nutritionによると、米国消費者の23%がハーブを利用しているという。

とはいえ、そもそも医薬品の中には植物の抽出物を使ったものが多い。カリフォルニア大学サンフランシスコ校医療センターの2008年調査報告によると、 医薬品の3分の1ないしは半分に植物の抽出物が使われているという。ケミカルフリーで有効性が明らかなハーブに消費者の人気が集まるのもうなずける。

マーケティング会社SymphonyIRIの調べでは、消費者の81%は医療費を抑えるために、健康を維持しようと何らかの努力をしているという。また、景気が回復しても、88%は医者には出来る限り行かず、セルフケアで病気を治したいと考えているという。こうした消費者意識がハーブ市場拡大の背景にあるといえそうだ。

売れ筋は炎症緩和、免疫力強化など

SPINSscanの2012年3月17日までの52週間のハーブ売り上げ統計によると、売り上げのトップ10のジャンルは、炎症緩和、前立腺の健康、免疫力強化、副腎強化、解毒、ストレス解消、睡眠補助、性欲向上といった商品だった。
また、ハーブティーでは、消化、カゼ・インフルエンザ、エネルギー、睡眠、解毒、呼吸器系といったカテゴリーが人気だという。

医療費を抑えるため病気にならないよう努めている人々が増えていることから、今後ますます免疫力を強化する商品が売れるものと予想されている。

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