ワールドヘルスレポート

海外の健康や医療に関する旬なニュースをお届けしています。
2004年記事
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2004年12月記事 vol.7 メディテーションの幅広い医療効果 純粋な医療としての認知高まる
地球上にある薬局で一番頼りになるのは、大手薬局チェーンを持つセーブオンでもライトエイドでもなく、人間の身体だ。そ して、人間にとって最も重要な健康法がメディテーション(瞑想)である—。ニューエージクリニックのメディカルディレクター、デーヴィッド・サイモン 医師の言葉だ。スピリチュアルなアプローチが欠落した近代西洋医学が限界に直面している今、アメリカで瞑想の医療効果が注目されている。 過去WHOの健康定義に”スピリチュアル”加わる動き 1998年の第101回世界保健機関(WHO)執行理事会で、健康定義改正案の総会提出が可決された。 “Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or in […]
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2004年11月記事 vol.6 NY同時多発テロがきっかけ、癒しの呼吸法 がニューヨークや全米各地でブレイク
日本では今ヨガブームが再燃しているが、アメリカでは癒しの呼吸法なるヨガと同種のエクササイズがブレイクしている。 きっかけは、アメリカで2001年9月11日に起きた同時多発テロ。テロ発生から1ヶ月後、非営利団体アート・オブ・リビングがニューヨークタイムスに、 ニューヨーカーを対象にした無料クラスの全面広告を掲載したところ、数ヶ月のうちに消防士、警官をはじめ約1000人が癒しの呼吸法を求め受講した。ストレスを解消し、うつ症状から喘息までさまざまな疾患予防に役立つ代替療法として人気を得ている。 世界の142カ国で約300万人、アメリカで約5万人が受講 アート・オブ・リビングが伝授するスダルシャン・クリヤ呼吸法とは、呼吸法にヨガ+瞑想を組み合わせたもの。 スダルシャン・クリヤとは、ヒンディー語で「浄化を通じて正しいバランスに」を意味する。インドの精神指導者シュリ・シュリ・ラビ・シャンカール師が1 […]
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2004年10月記事 vol.5 米国発、代替医療から統合医療へ
90年代後半、米国医療界は大きな転換期を迎える。年々膨れ上がる医療費に歯止めをかけるため、正統派西洋医療による医療システムの根本的な再構築が差し迫られていたためだ。米政府も西洋医療以外の医療(代替医療)の有効性の調査に本格的に乗り出し、2000年に入ると、代替医療と西洋医療とのコラボレーションによる「統合医療」による医療システム構築の機運がさらに高まる。米国発、代替医療から統合医療への流れを報告する。 米国では未保険者ばかりでなく、裕福な階級も代替医療を利用 代替医療という言葉は日本でも定着するようになったが、米国ではこれをオルタナティブ・メディスンと呼ぶ。医療システムの主軸を成す西洋医療の「代わりになる」医療を示し、医療関係者の間では、相補・代替医療(CAM:Comprimentary and Alternative Medicine)、伝統・伝承医療など広範囲な医療領域を示すものとし […]
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2004年9月記事 vol.4 高齢化時代に伴い、 アルツハイマー罹患の増加懸念
今年6月、第40代米国大統領、ロナルド・レーガン氏が死去した。93歳だった。 氏は1994年、自らアルツハイマー症であることを公表し、引退後もなにかとそのことで世間の耳目を集めることが多かった。 高齢化時代に伴い、先進諸国ではアルツハイマー症の対策が緊急課題とされているが、最近では若年性痴呆も懸念材料となっている。 はたしてアルツハイマー痴呆の予防策とは・・・ アルツハイマー患者、世界で推定3700万人 現在、アメリカにおけるアルツハイマー患者数は推定460万人。医療の進歩 などによる平均寿命の延びに伴い発症率は増加しており、2050年には1600 万人に膨れ上がるものと予想されている。ちなみに、世界保健機関(WHO)によると、 患者数は現在、世界で推定3700万人といわれる。 エコノミストらの推定では、アメリカで年間、少なくとも1000億ドルがアルツハイマー患者の介護に使われているとい […]
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2004年8月記事 vol.3 遺伝子組み換え食品への反発か、 米国で高まるオーガニック人気
遺伝子組み換え食品が米国で浸透する中、反発を強めるかのようにオーガニック食品市場が拡大している。子供の健康への懸念か、オーガニック・キャンデーといったニッチマーケットへもメーカー参入が相次ぐなどの状況もみられる。1997年以降、オーガニック食品市場は毎年17~21%伸びており、さらに今後の伸びが期待されている。米国オーガニック市場の近況を報告する。 オーガニック食品の売り上げ、前年比20.4%増 オーガニック・トレード協会(OTA)の2004年メーカー調査によると、食品 および非食品合わせてオーガニック商品の2003年売り上げは、前年比約20% アップのおよそ108億ドルに達した。オーガニック食品のみの同年売り上げ は、前年比20.4%増の約103億8000万ドル。パーソナルケア商品、サプリメン ト、ハウスクリーニング商品、花、ペットフードといった食品以外のオーガ ニック商品は、前年比1 […]
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2004年7月記事 vol.2 緑茶ブーム、米国でも~米国緑茶市況最新報告
今、日本では緑茶がカテキン配合のダイエットティーとしての新たな切り口で需要を掘り起こし、好調な売れ行きを示している。一方、米国でも緑茶が生活習慣病やがんの予防などに優れた機能性を備えていることが次々に報告され、緑茶市場が拡大の一途を辿っている。米国緑茶市況および最新の研究成果を報告する。 米国緑茶市場、この10年間で5倍の伸び アメリカのお茶市場が明るい展望を示している。中でも、名産・高級品カテ ゴリーがこの十数年間で急成長を見せた。その最前線を行くのが、緑茶、ホワイトティー(白茶)、オーガニックティー、“ファンクショナル”ティーといったところ。 全体的に2002年の売り上げは前年比8.5%増を示し、また1990年と比較すると 5倍に達しているという。Tea Association of the USAでは、将来的にも飛躍的な成長を遂げると期待を持っている。 こうした急成長のキーポイント […]
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2004年6月記事 vol.1 がん治療、マインド重視した医療へ 米国で医療機関も取り入れる「祈りの療法」
米国では、ここ数年代替医療(西洋医療以外の医療)への関心が急速に高まっているが、医療費の削減などの思惑もあって、米国立衛生研究所(NIH)など米国政府機関も有効性の検証とコラボレーション体制の構築に積極的な構えをみせている。とくに、がんなどの重篤な疾病については、患者自体が西洋医療的な処置に満足がいかず、さまざまな代替医療を試みるケースが多い。米国におけるがん罹患で、女性の場合、乳がんがトップを走っているが、米国中西部にある大学医療センターでの乳がん患者の8割弱が祈り療法を利用しているという。日本においては非常に奇異な感もあるが、米国では、NIHなどもこうした祈りによる治療効果の研究に本腰を入れているという。米国における代替医療の利用状況を報告する。 「祈りの療法」、エクササイズやメガビタミンを上回る利用率 ここ数年、代替医療を試みる乳がん患者が増えている。生存率のアップのほか、再発予防 […]