ドクターからの健康アドバイス

掲載7  快眠を得るための4ヶ条

五感に心地良い音や香りや色を上手に利用

私たちは、生涯の3分の1の時間を休養のための睡眠に費やしています。この時間こそは、残りの3分の2の時間帯における充実した生活行動の原動力となります。

睡眠の仕組みは、ノンレム睡眠とレム睡眠によって構成されています。床に入って眠りについた際、脳波的にみて最も深い眠りが訪れてきます。これがノンレム睡眠で、「脳の眠り」と別称されています。

この深い眠りに次いで、ほんの短い時間(10分程度)のレム睡眠が訪れます。レム睡眠は「夢見る眠り」と言われたり、手足などの筋肉の緊張がすっかり解きほぐされてくるため「身体の眠り」とも呼ばれます。

快眠が得られないというのはこのノンレム睡眠の質的低下によって起ってきます。そこで快眠を得るための工夫の
第1は、日中を活動的に過ごすこと。
第2は、朝の一定時間に起床し、たっぷりと光を浴びること。
第3は、起床後14時間をめどに就眠の準備をする。

即ち、カフェイン類の摂取を止める。温めのお湯でゆったりと入る。五感に心地よい刺激を与えてくれる音や香りや色を上手に利用するなどです。
そして第4は、これらの努力によっても快眠が得られない場合、中高年者ではかかりつけ医に相談し適切な睡眠薬を処方してもらうことをお勧め致します。

ドクタープロフィール

日本生活習慣病予防協会 理事長 池田 義雄 (いけだ よしお)

経歴

  • 昭和36年(1961年)東京慈恵会医科大学卒。
  • 同大生理学教室、第3内科教室講師、助教授を経て平成5年より同大健康医学センター健康医学科教授。
  • 平成12年同大退任後、現職にて肥満、糖尿病、健康医学を中心に生活習慣病予防活動を推進する一方、日本生活習慣病予防協会、日本食物繊維学会各理事長、セルフメディケーション推進協議会会長、日本肥満学会ほか多くの学会、研究会の役職にあるほか、厚生労働省、薬事・食品衛生審議会委員、共立薬科大学客員教授などにて活躍中。

<主な著書等>
「糖尿病クリニック」新興医学出版(1980)、「糖尿病のスポーツ医学」朝倉出版(1980)、「肥満の臨床医学」(編著)朝倉出版(1986)などの他に、一般向け啓蒙書として、「糖尿病療法のコツ」、「お腹をへこます法---肥満の最新医学」、「糖尿病に克つ」、「こちら健康医学科」、「検査の受け方・検査値の読み方」、「成人病を防ぐ本」、「健康パスポート2000」など、その他論文多数。

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