ドクターからの健康アドバイス

掲載5  VDT(visual display terminals)との付き合い方

パソコンによる仕事量の増加でVDT症候群招く

今、パソコンでこのメールマガジンをお読みの方も含めて、 「眼の疲れ」が日常化しています。 眼の疲れを来す原因はいろいろですが、 昨今特に目立つのがパソコンなどの画面、 即ちVDT(visual display terminals)を見ながらの仕事や遊び (ゲームなど)が増えていることによるものです。

さて、VDTとの付き合いで生じてくる眼の障害の1つに 「眼の乾燥(ドライアイ・dry eye)」があります。 VDTを長時間見つめながらの作業、特にパソコンによる仕事量の増加は、 眼の疲れや物が見えにくいなどの視覚障害をもたらします。 このような障害は、一括してVDT症候群(別名テクノストレス眼症)とよばれます。
そこでVDTとの上手な付き合い方は、1回の作業時間は60分以内とし、 そのあと15分は眼を休めるなどを配慮することが欠かせません。

一方、ドライアイ対策としては、室内を乾燥し過ぎないことや、 個々人では眼球の乾きを防ぐコンドロイチン硫酸ナトリウムなどの 配合された目薬を適宜用いるなどがお薦めです。
この種の目薬は別名「人口涙液」とも呼ばれますが、 VDTを用いた仕事に付きもののドライアイの予防対策用として、 眼の疲れを感じた際にはこれらを1,2滴点眼して、 眼をしっかりと休ませるように致しましょう。

ドクタープロフィール

日本生活習慣病予防協会 理事長 池田 義雄 (いけだ よしお)

経歴

  • 昭和36年(1961年)東京慈恵会医科大学卒。
  • 同大生理学教室、第3内科教室講師、助教授を経て平成5年より同大健康医学センター健康医学科教授。
  • 平成12年同大退任後、現職にて肥満、糖尿病、健康医学を中心に生活習慣病予防活動を推進する一方、日本生活習慣病予防協会、日本食物繊維学会各理事長、セルフメディケーション推進協議会会長、日本肥満学会ほか多くの学会、研究会の役職にあるほか、厚生労働省、薬事・食品衛生審議会委員、共立薬科大学客員教授などにて活躍中。

<主な著書等>
「糖尿病クリニック」新興医学出版(1980)、「糖尿病のスポーツ医学」朝倉出版(1980)、「肥満の臨床医学」(編著)朝倉出版(1986)などの他に、一般向け啓蒙書として、「糖尿病療法のコツ」、「お腹をへこます法---肥満の最新医学」、「糖尿病に克つ」、「こちら健康医学科」、「検査の受け方・検査値の読み方」、「成人病を防ぐ本」、「健康パスポート2000」など、その他論文多数。

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