掲載3 QOLの向上に役立つこと~心の楽しみを持つ
各人各様の心の楽しみ方でQOLを高める工夫を
貝原益軒の書いた養生訓では、益軒の生きた江戸時代の人々の生活をみるにつけ「心を平静にして徳を養う」ことの大事さと、「心の楽しみを知る」ことの効用をしっかりと述べています。
即ち、「ひとり家に居て静かに日を送り、古書を読み、古人の詩歌を吟じ、香を焚き、古法帖(古い名人の筆跡を写した折本)をみて楽しむ。山水を眺め月花を賞し草木を愛し四季の変化を楽しみ酒を少量たしなみ庭の畑で採れた野菜を煮たりするのも、みな心を楽しませ気を養う助けになる。貧賎の人であってもこうした楽しみは何時でも出来ることである。もしこの楽しみを知っていれば、富貴であってもこの楽しみを知らない人よりは優っていると言えるであろう。」(「養生訓」伊藤友信訳・講談社学術文庫より)
生活の質(Quality of life/QOL)の向上にはこのような視点がたいへん重要なのではないでしょうか。
(財)余暇開発センターが行った「健康作りの意識調査」の中から、日頃感じているストレスをどのように解消しているかの質問に対しての答えで、上位だったのは、
①人としゃべったり話を聞いてもらう。
②のんびりする時間をとる。
③テレビを見たりラジオを聴いたりする。
④趣味・スポーツに打ち込む。
⑤酒を飲む。
⑥買い物をする。
⑦寝てしまう。
⑧積極的に自分で解決する。
⑨じっと耐える。
⑩タバコを吸う。
⑪何か食べる。
—となっています。
これらを参考に心の楽しみを満たすための工夫をこらして各人各様にQOLの向上を目指したいものです。