掲載4 「血が足りない」前編
前回までの記事では、「血がつくれない」いくつかの原因とその解決策について紹介しました。今回からは「血が足りない」状態について、解説していきます。
血が足りない状態のことを、東洋医学の世界では“血虚”と呼びます。血虚とは、身体を養う血が不足してしまっている状態を指します。ということは、血虚の状態、つまり血が足りない状態だと、身体の各部分へ栄養が行き渡らないことによる弊害が起こりうるということです。
血虚により引き起こされる症状として、疲れっぽさ、めまい、立ちくらみ、顔色の悪さ、肌の乾燥、目の疲れ、かすみ目、ドライアイ、爪の割れやすさ、抜け毛、白髪、手足のしびれ、筋肉のけいれん、女性の場合は生理不順や無月経などが推測できます。また、脳や神経を養うのも血ですから、血が足りない状態だと脳や神経も正常に機能しづらくなり、忘れっぽさ、気力の減退、不安などの症状につながりうることも理解できるでしょう。逆にとらえると、これらの症状がみられる場合、血が足りない状態を疑います。
私たちの身体は食べたもので出来ており、血も食べたもので出来ているということは「血がつくれない」のところで紹介しました。では、血をつくるための食べものをしっかり摂っているのに、「血が足りない」状態になってしまうことがあるのは、なぜでしょうか?
結論から言いますと、「寝不足による造血能の低下」がその原因です。なぜなら通常、血が活発につくられるのは寝ている間だからです。血は老若男女問わず、生きている限り育まれる必要があるものですので、「寝る子は育つ」という言葉は血に関していえば、どうやら大人にも当てはまるようですね。
ちなみに、ホルモンのバランスや胃腸の調子を整えたり、代謝の低下を防いだりするためにも、23時(午後11時)までには就寝するのが理想的です。たとえどんなに遅くても、シンデレラの魔法が解ける24時(深夜0時)までには就寝したいものです。でないと、顔色が悪くて肌がカサカサな、白髪まじりの醜いシンデレラさんになってしまうかもしれませんよ。
【参考文献:血流がすべて解決する/堀江昭佳・著】