掲載3 「血がつくれない」後編
前回の記事では、「何を」「いつ」食べたら良いか?について解説しました。今回は、空腹の時間をつくることの大切さについて紹介していきます。
現代人ではあっても、空腹の時間が長く続けば続くほど、いわゆる飢餓状態に陥ってしまう危険と弊害があるのは、前回の記事で理解していただけたかと思います。ですが、空腹の時間が短すぎるのも問題です。つまり、いつまでもダラダラと食べ続けたり、お腹の中が食べ物でずっと満たされていたりすることによる弊害もあるというわけです。
理想的なのは、日中のうちに主に胃が動いて食べた物の消化を行い、夜寝ている間に主に腸が動いて食べた物の吸収や排泄の準備が行われるようにすることです。そうすれば、胃腸にかかる負担が最小限で済むでしょう。反対に、空腹の時間が短ければ短いほど、昼夜問わず胃腸は同時に、かつ懸命に働かなければならず、それにより寝付けなかったり、熟睡できなくなってしまったりする人がいるくらい、胃腸に負担がかかってしまいます。
ということは、「夕食は少な目」にしたほうが良いという、おばあちゃんの知恵袋的な知識は、理にかなっているわけですね。つまり、「夕食を少なめに」することで胃腸にかかる負担を減らすことが大切であるということです。
一方で、夕食は「遅くとも夜8~9時(就寝2~3時間前)くらいまでには済ませるようにしましょう」ということを耳にしたことがあるかもしれません。これは、胃腸が食べた物を徐々に下に送る運動、つまり蠕動運動をスムーズに行う時間をつくる必要があるからです。脳を含めた各内臓のほとんどは夜寝ている間に休みますが、胃腸の働きは日中よりも夜寝ている間に活発になります。それでも、夜遅い時間まで食事を摂っていると、胃腸の中はいわゆる渋滞を起こしている状態になり、食べた物はなかなか下のほうまで流れていってくれません。その状態が過度になると、下に流れていけない分、上のほうに逆流させる現象が生じます。この現象により胸やけ等の症状が出現する病気のことを『逆流性食道炎』と言います。ということは、遅い夕食時間は逆流性食道炎のリスクになりうるということです。
そもそも、食べた物が逆流してしまったら、その食べた物は下に流れていけない分だけ腸では吸収されないわけですから、身体は血をつくる原料不足に陥ってしまうというわけです。
【参考文献:血流がすべて解決する/堀江昭佳・著】