掲載7 暮らしの中のサプリメント
私の考えるホリスティック医学の中では、サプリメントは一つの大きな役割をもっています。私の場合は、まず心の治療を考えます。食事についても指導する。気功なんかも覚えていただく。これで、養生のところを固めてしまうわけです。
ホリスティック医学は人間まるごとですから、病というステージだけを診ているわけにはいきません。生老病死の全部を診るわけですから、養生の部分を最初に決めてしまうわけです。
入院してきた患者さんについて、どういう気持ちで生きているか、食事についてはどういう配慮をしたらいいか、気功なんかを覚えてもらう。
この3つができたら、では西洋医学では何ができるかということになってくるわけです。漢方薬はどうしようか。針灸はどうしようか、ホメオパシーはどうしようか。サプリメントはどうしようか。とくに、サプリメントについては、役割は十分にあるので、エビデンスが多い方がいいに越したことはないのですが、全部そろえることは無理ですし、わからないことも多いのですが、大自然の息吹をもたらすという意味で、サプリメントは必要だと思います。
たとえば、日本人だったら米由来のサプリメントを摂るということは、米のスピリットが入っているわけですから。プロポリスは蜂のスピリット、蜂のスピリットは花のスピリット、花のスピリットは大地のスピリットです。
サプリメントも、患者さんに合わせた戦略を組み立てる上での材料のひとつです。エビデンスがないならないで、この部分にはエビデンスはありません、とそこをわきまえて参加すればいいわけです。エビデンスはないが、何らかの可能性を秘めていますので使いましょう、というのががん治療の場合です。
日常の暮らしの中では、健康な人、病気でない人にとっては、サプリメントは必要ないと今まで思っていました。しかし、人は完璧ではありませんから、何らかの弱点をもっています。たとえば、循環器系が弱いとか、消化器系が弱いとか、家系的に糖尿病であるとか、脳梗塞だとか。こうした弱点をカバーするものを多少摂っていった方がいいと思いますので、サプリメントにも意味があります。