掲載4 「心・体・気」について
心・体・気、人間はこの3つからなっています。ですから、この3つが一体となった人間まるごとを、養生も医療も見ていかなくてはいけません。養生も、体だけ診て、体に傷をつけないようにして病を未然に防ぎ、そして天寿を全うする、というのがこれまでの養生でした。
これは体に焦点を当てたことから出てくる考えで、心とか命に焦点を当てると、命のエネルギーを日々高めていく、死ぬまで高めていくという積極性のある養生になると思います。ですから、養生のあり方が変わってくるわけです。
これを医療の立場からいうと、体だけを中心に、病を「体の故障」として捉えて、機械の修理みたいにして治していく西洋医学だけでは間に合わないわけで、心に働きかけて、あるいは命のエネルギーに働きかける治療法と併せた治療法になっていかなくてはいけないわけです。
体は目に見える身体ですが、命は、体の中にある命の場のエネルギーだといえます。そのエネルギーの状態が刻々と変化しながら脳細胞を通して外に共鳴されたものが心だとすると、心の本体もエネルギーです。そうすると、これらを3つに分けないで2つに分けるというやり方もあるわけです。体とエネルギー場と。
20世紀は体を対象にした西洋医学が大きく発展しましたが、翻って21世紀はエネルギー医学(Energy Medicine)の時代であるといえます。このEnergy Medicineという言葉は、欧米では盛んに飛び交っています。これからは、そういう時代になると思っています。
ストレスは、これら3つのバランスに関わってきます。心・体・気のどれにもあてはまります。現代生活では、ストレスなしで生きていくことはできませんから、ストレスとうまく付き合うことをそれぞれが工夫していかなくてはいけません。適度なストレスであれば活動のエネルギーになりますから、ストレスが全くないというのはよくないことで、少しはあった方がかえっていいのです。