ドクターからの健康アドバイス

掲載1  年齢を重ねるとは

人間だれでも年を取ります。毎年1歳年齢が増えます。いわゆる加齢です。ところが加齢現象は毎年1歳年を取ることでは誰でもみな平等なのですが、加齢に伴う老化現象は年齢が増すごとにその差がはっきりしてくるものであることを誰もが同期会の会場で体験することになります。

すなわち加齢と老化は異なるものであるということです。年を重ねると加齢は避けられませんが、老化は努力によっては避けることができるものになります。では老化とはどのようなものでしょうか?一説によれば、老化は「治療できる病気」と定義することもができます。

これには2つ意味があります。治療できるものであること、病気であることです。加齢はしてもいつまでも元気でいる人がいる一方で、老化の結果、動脈硬化や脳梗塞などを発症させる人もいます。老化はもはや病気として治療しなければいけないものという概念があるのです。

興味深い研究があります。見た目に老けている方の寿命はそうでない人より短いというものです。老けていると寿命が長くない!?見た目の老化はたんに、“見た目”だけで終わっているものではなく、実は寿命にも影響している可能性があるのです。

肌に深く刻み込まれた人生の年輪であるシワ、青春の勲章あるいは日焼けの代償とも言えるシミ、これらは若いころからの日ごろのケアによって、より少なくより小さくコントロールすることが可能なのです。日焼け防止、日焼け止め、お肌のケア、食、サプリメントなどなど・・・。

そうです。加齢はコントロールできないのですが、老化はコントロールできるものです。しかも比較的簡単に・・・。その実践方法をもったいぶらないで提示しましょう。生活習慣でコントロールする方法を提示します。

1.適度な運動
ウォーキング程度の運動を毎日20~30分実践して下さい。運動前には脱水にならないようにコップ2杯程度の水を飲んで下さい。早朝の運動よりも夕方の運動をおすすめします。

2.睡眠
7~8時間の睡眠を推奨します。寝すぎても睡眠不足でもいけません。睡眠がうまく取れない場合は、医師に相談して下さい。ビタミンやミネラルの不足でそのようになる場合もあります。

3.野菜果物など
野菜や果物を中心とした食生活をして下さい。野菜鍋おすすめです。また豆腐や納豆、煮豆などの豆製品を多用して下さい。玄米菜食おすすめです。基本的に日本食を多用するといいでしょう。

4.飲水
1日1~1.5リットル、内臓に問題ない方は飲んで下さい。水道水ではなく浄水した水がおすすめです。

5.禁煙
もちろん吸わないことが一番ですね。家族の誰かが吸っていたら禁煙してもらって下さい。

6.プラス思考
プラス思考でストレスをためないこと。悩み事は誰かに相談して下さい。

7.腹八分
おなか一杯になるまで食べないことです。外食では必ず残して下さい。外食は意外と摂取量が多くなるものですよ。

8.魚食
1日1食は魚料理を食べましょう。特に青魚、シラス、シャケ、おすすめです。

以上のように食やライフスタイルで老化をコントロールすることがある程度できます。魚や野菜を多く食べる人はシワが少ないという論文もあります。また魚食が多い女性の乳がん罹患率が少ないという論文もあります。また、食べ物やサプリメント素材で遺伝子の発現が起こることも知られています。長寿遺伝子に影響を与える素材も知られています。

このように老化予防どころか疾患予防にも関連するこれら食やライフスタイル、これからでも遅くはありません。ぜひ実践して下さい。このように年を重ねるとは、コントロールできない加齢とコントロールできる老化の2つの要素から成り立つものです。見た目の老化は気にならないという方でも、寿命と関連するのでぜひ気にされて下さい。

ファッションの若さは寿命と関係ありそうにないのですが、影響すると思います。気持ちが若くなり前向きになり精神的にも若くなるからです。年を重ねるほど若返りを意識して、いずれ訪れる老後を楽しく過ごすべく、自らの気持ちや意識、ライフスタイル、食をベースにしてコントロールしていくのが、華麗に加齢を生きる極意ではないでしょうか?

ドクタープロフィール

ハートフルクリニック院長 平良 茂 (たいら しげる)

経歴

  • 平成元年琉球大学医学部卒業 医療法人白寿会理事長、ハートフルクリニック院長、 日本抗加齢医学会専門医、点滴療法研究会ボードメンバー、日本臨床自然療法研究会幹事、日本サプリメント評議会評議員、日本臨床自由診療研究会会長など。
  • 積極的に自由診療を治療に取り入れ多くの臨床例を持つ。
  • その独自の手法を全国の医師に共有すべく、日本臨床自由診療研究会を主宰し啓蒙活動を行っている。

<著書>
「病気にならない体づくり」「末期ガン克服への挑戦」「サプリメント図鑑」など。

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