掲載4 私が見た海外のプライムエイジング
皆様こんにちは。連載4回目の今回は私が見てきた海外のプライムエイジングについてご紹介致します。
まずアメリカですが、私がハーバードの病院に留学していた2007年頃から、ボストンはアメリカの他の州とは全く異なる風景でした。アメリカと言えば、ファーストフードが大好きで肥満の人がすごく多いというイメージとは逆に、ボストンに住んでいる方達は皆さんジムに通ったり、休日など外を歩いているとランニングしている人をよく見かけました。また病院内の売店やスーパーでもお寿司のコーナーがかなり広く(お寿司の質はともかくとして)皆さん動物性の脂肪は適度に抑えて、魚に多く含まれるオメガ3の脂肪を中心に野菜を食べて、肥満、高脂血症、高血圧など様々な生活習慣病を引き起こす病気にならないよう健康に対する意識が高いのが伺えました。特に発がん、不妊、心臓発作など深刻な病気を引き起こすとされているトランス脂肪酸はマーガリンやショートニングに多く含まれていて、2018年からアメリカでは原則禁止になっています。実はアメリカでは肥満=自己管理ができないとみなされ、会社のマネージャー等に採用される確率は低くなると言われています。人の上に立つには時間やお金のマネジメントだけでなく、健康のマネジメントも求められているわけです。最近日本でもグルテンフリーやヴィーガンレストランなどをちらほら目にするようになってきましたが、アメリカでは10年以上前から健康意識の高い人やダイエットしたい人の間では普通に食べられていました。
ヨーロッパ、特にスペイン、イタリアやギリシャなどでは紀元前6000年以上前から、健康の為にオリーブオイルが根付いています。オリーブオイルはオメガ9脂肪酸ですが、体内で酸化しにくく、オリーブオイルに含まれるオレイン酸は悪玉コレステロールを下げて、善玉コレステロールを増やし、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧を減らす作用があります。オレイン酸にはその他にも皮膚を柔らかくする作用があり、角質のごわつきや乾燥による小じわなどを抑制改善することが出来るため、今日の美容にも良く用いられています。その他オリーブに含まれるオレウロペインというポリフェノールは抗酸化力が大変高く、血中コレステロールの酸化を防ぎ、血管系疾患を予防すると言われています。日本でも今オイルが大変話題でアマニオイルなどをはじめとした様々なオイルがスーパーでも見られるようになりました。以前油はコレステロールを上げて肥満になる悪い物とされていましたが、最近ではどの油を取るかという事が非常に大事だという事がわかって、油の中でも特オメガ3系の油には逆に悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを上げたり、中性脂肪を減らして血液をサラサラにしたり、脳神経を再生して記憶力を維持したり脳機能を活性化させると言われています。
お隣の国韓国で最近流行っているのがクライオセラピーと言って、液体窒素によって-180℃位になったキャビン内に数分入ることで、全身の血流を改善させ肩こりや冷え性を改善させます。また3分で約800kcal消費すると言われ、セルライトを減少させてダイエット効果もあります。その他全身を冷やして反応させることでデトックス、疲労回復、美肌効果などもあると言われています。冷やす事の大切さは私自身も実感していて、お湯で顔を洗った日は顔がとても乾燥するため、私は毎日冷たい水で顔を洗います。そうする事でお肌も引き締まって乾燥しないシワなしのお肌を維持できます。
色々な国のアンチエイジング事情をお話ししましたが、私自身が一番大切だと思っていることは実は健康に対する意識です。若くて健康な時は健康であることは当たり前すぎて、そこに価値を見出していない人が多いと思いますが、その時から将来の自分の体に対してしっかりとしたビジョンをもって時間とお金を費やし、準備をすることが必要です。ローマ一日にしてならずということわざの様に、健康も1日で作れるわけがありません。大切なのは1日1日の生活習慣が10年後大きな差を生み出します。健康になること、健康を維持する事に努力している自分を楽しんで、より豊かで健康的な生活を皆さんが送られることを心より望んでいます。