掲載2 代謝を考慮したモダンファッションの統合医療
代謝を考慮した栄養療法
最近、栄養療法を行う医師が増えています。栄養療法と言っても、ただの栄養療法ではありません。医師が行うその栄養療法とは、私の造語ですが、“代謝栄養療法”と名づけました。
血液データや毛髪検査などの結果から体内代謝がどのようになっているかを診断して治療を実施するものです。食べ物にどのような栄養成分が含まれていて、その作用がどうであるから、食べてもらう・・・というものではありません。
代謝栄養療法は、患者の血液、毛髪、尿、さらには体のさびつき度、動脈硬化の程度などの身体状況を把握して、その人にあった食品やさらにはサプリメントをピンポイントで処方するのです。
血液データを見る場合も、従来の臓器別の診断に加えて、特殊な分子レベルの代謝メカニズムを読み取りながら診断していくのが最新の手法です。オーソモレキュラー医学とか、分子整合栄養医学とか言われる分野がそれです。血液データは、臓器の健康状態を把握するのに有用です。
たとえば、肝臓機能が正常だとか、腎機能が正常だとか・・・。ところが同じ血液データから、ビタミンB6が足りているとか、ビタミンB3が不足しているとか、あるいは亜鉛が不足しているなどのピンポイントの体の状態を推測することも可能なのです。
ビタミンB群の不足は、肩こり、頭痛、めまい、疲労感などの、一般に不定愁訴と呼ばれる症状につながります。亜鉛の不足は、皮膚の状態や味覚、免疫にも関係します。これらの情報が血液データから得られるのです。
血液以外の検査も活用
ほんの少しの毛髪を検査することで、カドミウム、鉛、水銀、ヒ素、アルミニウム、ベリリウム、水銀などの有害金属から、亜鉛、銅、セレン、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムなどの有益ミネラルのチェックもできます。
特殊な検査機器を用いると、血液検査からは分からない、現在ある動脈硬化がすぐに分かります。さらに指を針で刺して数滴の血液を採取することで、体の抗酸化力やさびつき度が分かります。
同じく、指を針で刺して、顕微鏡で血液の状態を把握することで、体の酸化の度合いや、血液ドロドロ、サラサラ、他にはホルモンバランス、免疫力、感染症、添加物の摂取状況などが推測できます。
代謝栄養療法に必要な10項
ここで代謝栄養療法の要素を列挙します。
1) まずはじめに検査を実施して、体内の栄養状態、代謝の状況を把握します。
2) その上で不足している栄養素について食事指導をします。特に平良式納豆レシピや、平良式人参ジュースレシピは、栄養補給とSOD酵素を増やすために必要です。
3) サプリメントの活用も大事です。ピンポイントにビタミンB6やB3、ビタミンCなどを補う場合に活用できます。代謝を良くするためには欠かせません。
最近は、薬に近い作用をするサプリメントも存在します。SOD様作用を有するサプリメントもあります。
4) ライフスタイルの改善は重要です。運動、睡眠、食事の仕方、さらには入浴法などをアドバイスする必要があります。体温を上げるライフスタイルも大切です。
5) 点滴療法も活用できます。解毒には、キレーション点滴が有用です。
6) 解毒を促すために、便秘の改善、発汗、飲水、利尿に関するアドバイスをします。
7) 毒物を回避することも大切です。水銀やヒ素などの毒物が体内に入らないようにアドバイスします。
8) 添加物を代表とする先ほどの反栄養素の回避法をアドバイスします。
9) 必要に応じて漢方を含む薬物療法も併用します。
10) 追加して行うべき検査を依頼します。
平良式納豆レシピとは、ひきわり納豆、卵黄1個、ティースプーン1杯の黒糖粉末、カレースプーン1杯の亜麻仁油、あるいはシソ油、エゴマ油を混ぜて食する方法です。ガンの場合は、黒糖と卵黄を除きます。
平良式人参ジュースとは、人参2、3本、リンゴ1個、レモン汁少々、ショウガ汁少々を混ぜたもので、絞りカスを分離し、汁のみ飲用します。健康な方もぜひご活用下さい。
代謝を考慮したモダンファッションの統合医療
“モダンファッション統合医療”とは、まず代謝メカニズムを考慮しながら、西洋医学、東洋医学にサプリメント療法、点滴療法、そして栄養療法を統合して実施するものです。
西洋医学はどれも素晴らしい医学です。しかしながら限界を感じている医師は少なくありません。私の経験からも、西洋医学を基軸にしてその周辺をサプリメント療法、点滴療法、代謝栄養療法で固めることで、ガンをはじめとするこれまで難治と言われてきた疾患に対して、立ち向かうことができるようになってきた感があります。
私のクリニックでは、一般の方に血液データの読み方をはじめとして、このモダンファッション統合医療に関するセミナーを開催しています。本文をお読みの皆さまもこれから広がりを見せるであろうこのモダンファッション統合医療にぜひ興味を持って頂くと共に、その伝道者になって頂ければと考えています。