ドクターからの健康アドバイス

掲載1  ガンにならない食生活

食べていいもの、悪いもの

ガン予防の食生活で回避するものとして、過剰な糖分摂取、活性酸素対策、脂分のとりすぎなどがあります。それらは密接に連携して、発ガンに関与すると考えられます。

食後血糖値の面積が大きいほど、また血糖値のピークが高いほど、動脈硬化や活性酸素や糖による害が発生します。

血糖値が高い状態では、活性酸素を消去する力が低下することも知られており、火消し役としての体内システムの低下からより多くの害を発生させます。

肥満は脂肪の慢性炎症だと言われています。歯科疾患の歯周病も慢性炎症です。これら炎症などでは、より強い活性酸素が発生します。その結果、免疫力やエネルギーを作る力が低下するとともに、ガンが発生しやすくなります。

ガン細胞は、糖分をエネルギーにして増殖しています。ガン細胞の糖利用を避けるためにも、先に述べた活性酸素処理システムがうまく働くためにも、ガンを予防する食生活の第一に、過剰な糖質摂取を控える必要があります。糖を過剰に摂取した人は、血糖値やHbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)でその状況がつかめます。

年齢にもよりますが、ガンを予防するためには血糖値は90以下、HbA1Cは5.0以下にすることを推奨します。5年間の経過を追うと基準値内でありながらも、血糖値もHbA1Cも年々少しづつ上昇している方を見かけます。老化による糖処理能力の低下が推測されます。おそらく糖の過剰摂取の結果でしょう。

糖や活性酸素の害を避けるには、ビタミンやミネラル、SOD酵素を含む食材を摂取するように心がけて下さい。これは、予防のみならず、治療としても重要な位置を占めます。

SOD酵素は、生の野菜、果物に含まれています。ガンを発症した方に比較的共通するライフスタイルとして、運動不足、炭水化物食が多い、過体重、湯船に入る習慣がないなどがあります。

過体重の原因には、運動不足もありますが、炭水化物食に偏った食生活や湯船につからないため体の隅々まで酸素が回らず代謝がうまくいかないことから、より体重オーバーや脂肪過多となり、その悪循環が、ガン発生の体内環境を作りあげます。

脂肪の摂りすぎは、糖分の代謝に影響を与えながら発ガンに加担しています。動物実験で、牛の脂でガン増殖が見られたとする報告もあります。

ゲルソン療法

糖分や脂分の過剰摂取を避けることは、ガンの食事療法としても有名なゲルソン療法でも記述されています。
その他、塩分、アルコール、スナック菓子などに使用されるトランス脂肪酸、食品添加物、マグロから入る水銀や農薬から入るヒ素などの有害金属、化学薬品が体内に入ることを避けるように指導しています。
鉄は有害金属ではありませんが、ガン細胞は鉄も利用しながら増殖しているので、ガンを患っている方は、過剰な鉄の摂取を避けるべきです。

平良式栄養代謝療法

平良式栄養代謝療法では、食べていいものいけないものを分けています。食べていいものの代表として、舞茸や人参ジュースがあります。

人参は、酵素をより多く摂取してもらうため、フレッシュジュースとして摂取します。1日1リットル以上飲むと手掌が黄色くなりますが、それをガン罹患者には推奨しています。

舞茸を毎日のように摂取する人は、ガンを攻撃する細胞であるリンパ球やNK細胞活性が比較的高いレベルにあります。抗ガン食品として納豆や豆腐も多食することです。

日本人の伝統食として、納豆や米ぬかが知られていますが、いずれにも活性酸素を消去する作用が知られており、納豆は食として、米ぬかはその成分のサプリメントを活用しています。焼いた料理はガンの方には、よくないので避けるように指導しています。

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、1990年代にアメリカで発ガン性が報告されています。動脈硬化や自己免疫疾患、喘息、アトピー性皮膚炎、子宮内膜症との関連も指摘されています。

日常生活の多くの食品に含有され、添加物として含まれる他、揚げ油に使用されたり、より身近にはトーストやマーガリンにも含まれています。そのため、玄米菜食の和食をお勧めしています。

まとめ

ガン予防には、まず糖質と動物性蛋白、脂分を制限しながら、豆腐、納豆、舞茸や抗ガン作用が指摘されている野菜果物類をより多く摂取する必要があります。規則正しい生活や睡眠、ウォーキングなどの運動、ストレス対策もお忘れなく。

ドクタープロフィール

ハートフルクリニック院長 平良 茂 (たいら しげる)

経歴

  • 平成元年琉球大学医学部卒業 医療法人白寿会理事長、ハートフルクリニック院長、 日本抗加齢医学会専門医、点滴療法研究会ボードメンバー、日本臨床自然療法研究会幹事、日本サプリメント評議会評議員、日本臨床自由診療研究会会長など。
  • 積極的に自由診療を治療に取り入れ多くの臨床例を持つ。
  • その独自の手法を全国の医師に共有すべく、日本臨床自由診療研究会を主宰し啓蒙活動を行っている。

<著書>
「病気にならない体づくり」「末期ガン克服への挑戦」「サプリメント図鑑」など。

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