朝型の人と夜型の人、どちらが長生きする?

朝型の人と夜型の人、どちらが長生きする?

朝型の人と夜型の人、どちらが長生きする?

WHR 201805-2早寝早起きが苦にならない朝型の人と比べ、宵っ張りで朝寝坊の夜型の人は短命に終わる可能性が高いことを示唆する研究結果が「Chronobiology International」2018年4月11日オンライン版に発表されました。クロノタイプ(日中の活動や睡眠のリズムの傾向)が夜型の人では、朝型の人と比べて早期死亡リスクが10%高いことが分かったということです。

 

この研究は、米ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部神経学准教授のKristin Knutson氏らが実施したもので、38~73歳の男女43万3,268人を対象に平均6.5年追跡し、クロノタイプと全死亡リスクとの関連について検討しました。クロノタイプは質問票を用いた調査データに基づき「完全な朝型」(対象者に占める割合は27%)、「どちらかといえば朝型」(同35%)、「どちらかといえば夜型」(同28%)、「完全な夜型」(同9%)の4つのタイプに分類しました。その結果、完全な朝型と比べて完全な夜型では全死亡リスクが10%高いことが分かりました。また、完全な夜型では健康上の問題を抱えるリスクも高く、完全な朝型と比べて精神障害リスクは1.94倍、糖尿病リスクは1.30倍、神経障害リスクは1.25倍、胃腸/腹部疾患リスクは1.23倍、呼吸器疾患リスクは1.22倍であることも明らかになりました。

また、夜型の生活を好んだり、遅めの朝食を取る2型糖尿病患者はBMIが上昇しやすい可能性も「Diabetic Medicine」2008年4月13日オンライン版に掲載された研究結果で報告されています。この研究では、マヒドン大学(タイ)のHataikarn Nimitphong氏らが、非交代制勤務の2型糖尿病患者210人を対象に、食事時間や生活時間の好み(朝型か夜型か)とBMIとの関連を調べました。その結果、夜型指向の強さと遅い朝食時間が有意に関連していることが明らかになりました。

では、夜型の人はどのような対策を取ればよいのでしょうか。Knutson氏は、徐々に就床時間を早め、朝型の生活リズムに合わせるようにすることを勧めています。この際、毎晩少しずつ早めることが重要で、「いきなり通常よりも2~3時間早く寝ようとしても成功しない」としています。また、シフト勤務などで夜型の生活を送らざるを得ない場合には、健康的な食事や運動、十分な睡眠時間の確保などを心掛けることで、健康上の問題をある程度は回避できる可能性があると助言しています。

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