耳掃除のしすぎは有害:最新ガイドラインが警告

耳掃除のしすぎは有害:最新ガイドラインが警告

耳掃除のしすぎは有害:最新ガイドラインが警告

WHR 2017年2月号耳掃除は耳の損傷につながる可能性があると、米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会が発表した最新の臨床診療ガイドラインで警告されています。同ガイドラインは「Otolaryngology-Head and Neck Surgery」1月3日号に掲載されました。

 

同ガイドラインは、耳垢は耳を清潔にして保護するために生じ、塵や埃などを捉え、耳の奥に入り込まないようにしていると指摘しています。つまり、顎を動かして咀嚼するなどの日常動作で、新しい耳垢は古い耳垢を耳の入口に押し出し、耳垢は剥がれ落ちるか入浴中に洗い流されます。正常な場合は、持続的にこのプロセスが機能しますが、時にこの自浄プロセスがうまく働かずに耳垢がたまってしまい、部分的もしくは完全に外耳道を塞いでしまうことがあります。

ガイドラインでは、過度の耳掃除は外耳道を刺激して感染を引き起こし、耳垢が蓄積する可能性を高めてしまう可能性が示されています。ガイドライン更新グループのSeth Schwartz氏は、「耳掃除をすると耳垢が奥に入り、外耳道に詰まってさらに問題が生じるだけです。耳に何かを入れることは、鼓膜や外耳道に深刻な害を与えてしまう可能性がある」と述べています。

耳を守るためのポイントは、以下の通り示されています。

・ 耳掃除をしすぎないように

・ 耳に異物入れない。綿棒、ヘアピン、楊枝などは外耳道を傷つけたり、鼓膜に穴を開けたり、耳の骨のずれを生じさせたりしてし まい、難聴、めまい、耳鳴などを引き起こす可能性がある。

・ 難聴、耳閉、排液、出血、耳の痛みがあれば医師を受診する。

・ 自分で耳垢の詰まりを治療しても大丈夫か、医師に相談する。特定の全身疾患または耳の疾患がある場合は、自分での耳掃除が安全でない場合もある。

・ 耳垢による不快感がある場合は、布で優しく耳をふき取る。

・ 耳垢による痛みがある場合は、医師の診察を受け、処置してもらう必要がある。

耳に不快感があると、つい耳掃除をしたくなりますが、掃除のし過ぎはかえって耳を傷めることになってしまいます。過度の耳掃除は控え、不調を感じたら早目に耳鼻科の診察を受けるようにしましょう。

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