アメリカで「2015年版栄養ガイドライン」発表:その③

アメリカで「2015年版栄養ガイドライン」発表:その③

アメリカで「2015年版栄養ガイドライン」発表:その③

2016年4月今年1月初旬、「2015年版アメリカ人のための栄養ガイドライン」が発表された。アメリカでは食生活の改善が大きな課題となっているが、ガイドラインの最新版では、健康的な食生活を実施するためのさまざまなアドバイスをおこなっている。

 

全穀物の摂取、理想とはほど遠い

2015年版ガイドラインによると、アメリカ人の約4分の3が、ガイドラインで奨励している野菜、果物、乳製品、オイルの摂取量を下回っている。また、たんぱく質の摂取はほぼ理想に近いが、加工肉に偏っており、魚介類が不足している。さらに、穀物も全穀物となると理想とはほど遠い。 野菜については性・年齢別を問わず十分に摂取されていない。年齢が上がるほど摂取量が増えてはいるものの、理想の量には達していない。野菜の摂取も、ジャガイモ、トマト、レタスや玉ねぎに種類が偏っている。果物も概ね理想摂取量を下回っている。また、乳製品は、幼児を除くと理想の摂取量を満たしていない。

飽和脂肪や塩分、いずれも過剰摂取 

一方、ガイドラインで制限されている添加糖分、飽和脂肪、塩分はいずれも過剰摂取している。塩分は加工食品などにすでに含まれており、知らずに塩分を摂りすぎていると警告されている。

穀物は精製されたものでなく、丸ごと摂ることを推奨 

このような状況を把握したうえで、健康的な食生活を実践するためにはどのようにすれば良いのか?2015年版ガイドラインではさまざまな提言をしている。

野菜は様々な種類を毎日摂るよう心がける。果物も幅広く利用し、ケーキやクッキーなどの添加糖分を多く含む食品の代用とする。穀物は精製されたものより丸ごとを選ぶ。精製された穀物の代わりに、パンも100%全穀物、パスタも全穀物入り、白米より玄米などを摂るよう心掛ける。乳製品は、無・低脂肪の牛乳やヨーグルト、チーズを摂る。たんぱく質は魚介類の摂取を増やす。オイルはマーガリンやバターなどの固形脂肪の代わりに植物由来の油を利用する。 過剰摂取の添加糖分については、ジュースの代わりに水や無・低脂肪の牛乳、100%の野菜・フルーツジュースを飲むように心がける。また、飽和脂肪も塩分も商品の表示ラベルで含有量を必ずチェックし、含有量の少ないものを選ぶ。加工食品を避け、できるだけ自宅で料理して塩分を調節することも有効である。

このような工夫により、健康的な食生活を実践することができる。それによって、現状で不足している食物繊維やマグネシウム、カルシウム、ビタミンなどの栄養素を補うことができるとガイドラインでは強調している。

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