2015年トレンド予測、大豆食品の人気が継続

2015年トレンド予測、大豆食品の人気が継続

2015年トレンド予測、大豆食品の人気が継続

2015年1月号各市場調査会社が、健康関連商品の2015年トレンドを打ち出している。2015年は食品ではナチュラリー・ファンクショナルが注目を浴びるとして、お茶や大豆食品など日本の伝統食品が挙げられている。健康食品市場における2015年のトレンド予測について報告する。

 

ナチュラリー・ファンクショナルがトレンドに 

栄養や食の安全に関する情報を提供する非営利団体International Food Information Council Foundation (IFIC)の調べによると、消費者の21%は栄養素を強化した食品を好んで買っており、60%はもともと栄養素が豊富な食品を好んで買っている。市場調査会社ハートマンの調べでも、食物繊維、抗酸化成分、カルシウム、プロバイオティクスなど、消費者は健康に良いと言われる栄養素を自然のまま含んでいる食品を求める傾向にあることがわかる。食品・栄養専門の市場調査会社New Nutrition Business(NNB)は2015年ナンバーワン・トレンドとして「ナチュラリー・ファンクショナル」を打ち出しているが、広告代理店のSterling –Rice Groupが2015年のホットアイテムとして挙げているのが日本の抹茶。相変わらず、日本の伝統食は注目株だ。

健康ベネフィットで大豆食品の人気続く 

前述のNNBは2015年トレンド予想の中で、「業界は新素材を見つけては心を躍らせているが、消費者はあくまで健康に役立つものに心を動かされている」と指摘している。そうした消費者の心をとらえ、来年もブームの継続が予測されているのが大豆食品。IFICの2013年統計によると、成人の64%が大豆プロテインを摂取することで1日中元気でいられると考え、特に62%はエネルギーを維持するのに役立つと回答しており、プロテインのエネルギー効果に高い信頼を寄せている。それに加えて、60%は減量効果があると考えている。さらに、複数の統計から、免疫力の向上、骨、関節や筋肉の強化、髪の毛や爪の健康にも良い等、消費者はプロテインに幅広い効果を見出していることが分かる。

ミレニアル世代、ナチュラルな健康志向が強い 

とはいえ、プロテインブームも全ての世代に共通するものではない。50歳以上の消費者層ではまだまだプロテインの認知度は低く、ブームを牽引しているのは40歳以下の消費者だと指摘する業界関係者も少なくない。そこで、市場調査会社Innova Market Insightsが2015年トレンド予想にあげているのが、「ミレニアル世代を狙ったマーケティング」だ。ミレニアル世代とは1981年から2000年生まれで、米国国勢調査によると、人口は約8500万人、労働人口の25%を占めている。ミレニアル世代の消費者は上の世代に比べて新しい情報に敏感で、ユニークなものを試すのが好きなうえ、ブランドへのこだわりがないのが特徴とされている。さらに、そのひと世代上のベビーブーマー世代よりナチュラルな健康志向が高いと考えられている。Natural Marketing Institute(NMI)の2012年調査報告によると、ミレニアル世代は機能性食品・飲料を医薬品の代用にできると考える傾向が強いという。

36%が意識的に食生活にプロバイオティクスをとり入れている 

前述の調査からもミレニアル世代がいかに健康に重きを置いているかがうかがえる。例えば、スナック。ミレニアル世代の56%がスナック選びでも健康に良いものを好んで買っている。また、55%は食べるもので体重を管理しており、36%は意識して食生活にプロバイオティクスをとり入れている。さらに、同世代の約3分の2が商品パッケージに貼られた栄養表示をチェックしている(IFIC2013年調査)。チェック内容のトップはカロリーで、次がビタミン・ミネラル含有量、一人前の分量、プロテイン含有量と続く(ハートマン2011年調査)。

ミレニアル世代が最も気にしているカロリーだが、市場調査会社ミンテルの2013年調査によると、一般的に消費者の大半は400kcalから600kcalであれば低カロリー食と考えているのに対し、ミレニアル世代は200kcalから399kcalとかなり厳しい。外食でもカロリーでオーダーを決めるミレニアル世代も少なくない。グルテンフリーやベジタリアンといった特別なダイエットをしている人が多いのもミレニアル世代の特徴で、ベビーブーマー世代は24%なのに対しミレニアル世代は45%と高い。

昨年から引続いてのプロテインブームに加え、ナチュラリー・ファンクショナルでミレニアル世代をターゲットにしたどのような新商品が来年ブレイクするか、大きな関心が寄せられている。

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