体重管理で、ヘルシーな食を選択~米国ヘルシー・ダイエット最新情報③

体重管理で、ヘルシーな食を選択~米国ヘルシー・ダイエット最新情報③

体重管理で、ヘルシーな食を選択~米国ヘルシー・ダイエット最新情報③

2014年4月号U.S. News & World Reportが毎年行っているヘルシーなダイエットのランク付け「ベスト・ダイエット」。2014年版では新たに3種類のダイエット法、「スパーク・ソリューション・ダイエット」、「酸・アルカリ・ダイエット」、「ファスト・ダイエット」が追加された。今回は、それぞれの特徴を紹介する。

※ダイエット(diet)は食事法の意。

アメリカ人の体重管理への意識の高まり

体重は自分自身でコントロールできる―そう信じるアメリカ人が増えていることが、今年1月の米農務省経済調査局発表の調査報告「Changes in Eating Patterns and Diet Quality Among Working-Age Adult, 2005-2010」で分かった。それによると、「体重を自分でコントロールできる」と答えた成人(1946年~1985年生まれ)は、2007年は64%だったが、2010年には66%と2%の増加。一方、「体重は体質だから仕方がない」と答えた成人は、2007年は38%だったが、2010年には33%と5%減少していることが分かった。

また、栄養の摂取量にも変化が見られる。1日の総摂取カロリーは、2005年から2010年の5年間に3.4%減少している。1日の栄養摂取量をみると、脂肪が3.3%減少しており、とくに飽和脂肪酸は5.9%、コレステロールも7.9%減少している。一方で、健康な体づくりに欠かせない食物繊維は7.5%増加している。

成人の76%が、栄養情報に関心示す 

調査結果では、食品を購入する際、成人の42%が栄養表示を見て食品を選んでおり、そうした傾向は高齢者になるにつれて高まり、さらに57%と増加している。外食についても、成人の76%が栄養に関する情報が提示されていればそれを参考に注文を決めているという。調査を担当した経済調査局のジェシカ・トッド博士は「自分のアクションが体重に直接影響すると信じれば、ヘルシーな食材を選ぼうとするはず」と語っている。

食事+エクササイズのプログラムが高評価 

全般的にヘルシー志向が高まる中、「2014年ベスト・ダイエット」では3種類の新しいダイエットが追加された。それぞれ、減量、心臓病予防、糖尿病予防の3部門で専門家から高い評価を得ている。その1つ目が、「スパーク・ソリューション・ダイエット」。2週間のミールプランとエクササイズを組み合わせたダイエット法である。1日の摂取カロリーを1,500カロリーに抑え、うち45%~65%を炭水化物、20%~35%を脂肪、16%~35%をたんぱく質で摂取する。新陳代謝を高め、減量に効果があるという。「Journal of Obesity」に掲載された、肥満傾向にあり、運動をあまりしない更年期以降の女性を対象にした2012年の研究報告でも、カロリー制限とエクササイズの組み合わせが最も減量効果があることが立証されている。

有名人が実践する、「酸・アルカリ・ダイエット」 

そして、2つ目が「酸・アルカリ・ダイエット」。ハリウッド女優のグウィネス・パルトロウやジェニファー・アニストンといった有名人が実践していることで話題を呼んでいる。このダイエットではカロリー摂取量の制限はなく、食品を酸性とアルカリ性に分け、1日の食事の80%をアルカリ性食品、残り20%を酸性食品で摂る。ちなみに、野菜や果物、豆腐、大豆製品などナトリウムやカルシウムといったミネラルを豊富に含む食品はアルカリ性食品、肉や魚介類、卵、砂糖、米などは酸性食品に分類される。アルカリ性主体の食品を摂ると、体内のpHバランスを7.35から7.45の理想の数値に保つことができ、肝臓や腎臓の負担を減らし、腸の働きが活性化、痩せやすい体質になるという。

3つ目は「ファスト・ダイエット」。1週間のうち5日間は食事制限なし、2日間だけ男性は1日の摂取カロリーを600カロリー、女性は500カロリーの制限食とする。ただし2日間続けては実施せず、例えば月曜と水曜というように間を空ける。

制限食には、高たんぱく質で血糖負荷の低い食品が理想的だが、2日間の制限食で消化機能を休ませることにより、体に蓄積された脂肪を燃焼する効果があるという。ただし、妊婦、1型糖尿病患者、摂食障害患者、すでに痩せている人、慢性病患者は健康に害をおよぼす危険があるため、試す前に医者に相談する必要があるとしている。

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