米国IFIC調査、健康に関する意志と現実に大きなギャップ

米国IFIC調査、健康に関する意志と現実に大きなギャップ

米国IFIC調査、健康に関する意志と現実に大きなギャップ

WHR 画像 (130x130px)運動、健康的な食生活、体重管理はあくまで自分次第とわかってはいるものの、実行するのは困難――そんなアメリカ人の健康に関する意志と現実のギャップが浮き彫りになった調査結果が公表された。毎年行われるこの食と健康の意識調査で明らかになった今年の傾向とは?

アメリカの成人の36%が肥満と推定

先月末、健康・栄養・食の安全について科学的根拠のある情報を提供するInternational Food Information Council Foundation(IFIC)の「2013年版Food & Health Survey」が発表された。
同調査は今年4月11日から19日にかけ、18歳から80歳までのアメリカ人1006人を対象に行われた。肥満対策が緊急課題となっている米国だが、同調査によるとアメリカ人の56%が20ポンド(約9キログラム)体重が増えるくらいなら、1000ドル(約10万円)を失ったほうがまだいいと考えているという。
こうした体重を気にかける傾向は男性より女性の方が強く、所得別でみると年収3万5000ドル以下(47%)よりも7万5000ドル以上(68%)の高給取りの方が強い。効くと評判になれば、少々高くつくダイエット商品でも飛ぶように売れる理由がうなずける。
ちなみに疾病対策予防センターによると、アメリカの成人の36%が肥満と推定されている。肥満による医療費は年間1470億ドルから2100億ドルで、ダイエット市場は610億ドルを超えるドル箱市場になっている。

「意志が弱い」ため、行動に移せない

IFIC Foundation のSenior Vice Presidentマリアーン・スミス・エッジ氏は今回に調査について次のように語っている。
「今回は、消費者が思っていることと、実際の行動の差に焦点を当ててみた。分かったことは、栄養や健康に関して思っていることと実際の行動には大きなギャップがあること。消費者の大半は体重・食生活・運動量の管理について、いずれも自分の意志次第と分かってはいるが、実際にそれを行動に移せる人は少ない。言うは易く行うは難し、ということです」。

そのギャップで、もっとも大きかったのが運動量。アメリカ人の90%が運動量は自分の意志次第と分かっているものの、自分の意志で実行している人となるとわずか65%。意志と実際の行動には25ポイントの開きがあった。
さらに、健康的な食生活についても、自分の意志次第と考える人は88%だったが、実行している人は68%で20ポイントのギャップ。体重管理についても自分の意志次第が81%に対し、そうした意志を行動に移している人は65%と16ポイントの開きがあった。

なぜ、分かっているのに実行に移せないのか?その理由として、「意志が弱いから」がトップで64%、「運動が嫌いだから」が60%、「ヘルシーフードは高いから」が54%、「やったことの成果がすぐにみられないから」が51%、「ストレスを感じるとつい食べてしまうから」と、「ほかにもっと重大な心配ごとがあるから」がいずれも50%と続いた。

他には、「時間がない」が49%、「健康に良いといわれる食材の味が嫌い」が46%、「体重は遺伝だから仕方ない」が32%、「太るのは服用している薬の副作用だから仕方がない」が30%、「運動できる場所が近くにない」が30%だった。

ソーシャルメディアの信用度は低い

また、食品や健康に関して影響を受けている情報源については、「時間をかけて自分で調べ上げた情報」が91%でトップ。次が「信頼できる友人や家族からの情報」が87%、「健康や食品関連の専門知識のある人から聞いた情報」が84%、「テレビやラジオ、新聞などのメディア情報」が70%であった。
一方、「フェイスブックやツイッターといったソーシャルメディアによる情報」は29%と信用度が極めて低いことも分かった。

さらに情報の内容については、「体に悪いから食べないほうがいい」というネガティブな情報より、「体に良いから食べたほうがいい」というポジティブな情報を好むと回答した人が78%だった。そして、食品や飲み物を買う決め手はやはり「おいしさ」がトップで89%。次が「値段」で71%、「健康に良いかどうか」は64%と3番目だった。まず味が第一、さらに体に良ければ言うことなしといったことのようだ。

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