約880万人のアメリカ人男性が冠動脈性心疾患

約880万人のアメリカ人男性が冠動脈性心疾患

約880万人のアメリカ人男性が冠動脈性心疾患

whr4米国心臓協会によると、アメリカの成人男性の3人に1人がなんらかの心臓血管疾患を抱えているという。
アメリカ人男性の死因のトップは心臓血管疾患で、現在約880万人の男性が冠動脈性心疾患(CHD)を抱えている。

2009年には21万69人の男性がCHDで死亡。心臓血管疾患による男性の死亡者は38万6436人にものぼる。

心臓血管疾患は女性より男性に多く、2010年にバイパス手術を受けた患者の74.9%、また2011年に心臓移植した患者の68.7%が男性だった。
心臓血管疾患の要因として、肉の摂食や過食での肥満による代謝障害が指摘されており、食生活の改善が急務となっている。食事による心臓の健康維持についての最近の研究では、British Journal of Nutrition誌13.2月号がカロチノイド色素のリコペンが有用であると報じている。
Tufts UniversityおよびBoston University研究者グループが、Framingham Offspring Studyデータから被験者314人(心血管疾患171人、冠動脈性心疾患99人)を対象にリコペンと心臓病との関連性を調べたところ、リコペン摂取群は、心血管疾患発生が17%、冠動脈性疾患は26%低下したことが分かったという。

一方で、サプリメントによる弊害も指摘されている。JAMA Internal Medicine誌13.2月号で、過度のカルシウムサプリメントの摂取は男性の心疾患リスクの増加に関連すると報じている。National Cancer Institute研究者グループが、50歳から71歳の男女38万8229人(Health-AARP Diet and Health Study)のデータを分析したところ、カルシウムサプリメントを、1日に1000mg超えて摂ると、心血管系疾患による死亡リスクが20%増加すると考えられるとしている。この関連性は男性にのみ認められ、女性には見られなかったという。

3大疾患は、心臓病、ガン、慢性下気道疾患

国立健康統計センター(NCHS)の最新統計によると、アメリカ人男性の命を奪う3大疾患は、心臓病、ガン、慢性下気道疾患という。
アメリカ人男性のガン罹患の状況はどうか。米国ガン協会の「2013年ガン罹患率および死亡推計」の報告によると、アメリカ人男性のガン罹患率のトップは前立腺ガンで23万8590人。次いで、肺・気管支ガンが11万8080人、結腸・直腸ガンが7万3680人となっている。ガン死亡については、トップが肺・気管支ガンで8万7260人。次いで、前立腺ガンが2万9720人、結腸・直腸ガンが2万6300人と推定されている。

ちなみに、肺ガンはガン死亡のトップを独走しているが、Journal of Clinical Oncology誌13.4月号で、高大豆食が女性の肺ガン生存率上昇に有用であると報じている。 Vanderbilt University Medical Center研究者グループが、上海在住女性7万4941人が参加したShanghai Women’s Health Studyデータを使って、豆乳、豆腐などの大豆食品摂取と肺ガンとの関連性を分析した。

研究者グループが、肺ガンと診断された患者を診断を受ける前に摂取した大豆食品の量でグループ分けしたところ、診断から12カ月生存した割合は、最多摂取群が60%、最少摂取群が50%だったという。慢性下気道疾患については、疾病対策予防センター(CDC)の2009年統計によると、慢性下気道疾患で死亡した男性患者は6万5423人で、同年に病気で死亡した男性の5.3%を占めていた。
たばこを吸う人は吸わない人に比べ慢性下気道疾患による死亡率が12倍高いといわれている。ちなみに、米国で18歳以上の男性の21.5%がたばこを吸っている。

アメリカ人男性は医者嫌い

アメリカ人男性の健康で問題視されているのが健康診断の受診率の低さである。男性は医者嫌い、加えて自身の健康を過信していることなどが指摘されている。
CDCの調べによると、女性の定期健康診断の受診率は男性のほぼ2倍。毎年、約5億人の15歳以上の女性が、妊娠検診とは別に病気や健康診断で外来診療を訪れる。外来の受診率も女性は男性を33%上回る。体だけでなく、メンタル面でも男性は医者嫌いのようだ。米国薬物乱用・精神衛生管理庁(SAMHSA)の統計によると、うつ症状に苦しむ大人で治療を受けているのは、女性が74.2%に対し男性は65%という。

仕事などでのストレスが引き金となりうつ症状に悩む男性は女性より多い。心の病を抱えていても医者に行かず治療を受けないことから、女性に比べ男性の自殺率は4倍も高いといわれている。日頃から心身の予防意識を高めるとともに、定期的に健康診断を受けることが必要といえそうだ。

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