花粉症対策、自然なツボ指圧療法が話題 

花粉症対策、自然なツボ指圧療法が話題 

花粉症対策、自然なツボ指圧療法が話題 

kaigai45 3月、ポカポカ陽気の続くカリフォルニア州ロサンゼルスでは、本格的な花粉症シーズンを迎える。ナチュラル志向の強い当地では、花粉症も自然療法に頼る人が少なくない。今回、米国で話題のナチュラルな花粉症対策を報告する。

花粉症に悩むアメリカ人は推定3800万人

アメリカでは約5,000万人がアレルギー疾患を抱え、うち3,800万人が花粉症に苦しんでいるといわれる。
2002年の統計では、延べ1,400万人がアレルギー性鼻炎で医者を訪れ、アレルギー疾患による毎年の医療費は180億ドルにのぼるという。

こうした中、2007年10月、フロリダ州タンパに100%自然療法によるアレルギー専門のクリニック「Advanced Allergy Relief Centers of Tampa Bay」がオープンした。5人に1人が何らかのアレルギーに悩んでいるといわれるアメリカ。新クリニックの登場に熱い視線が注がれている。

ここでは、アレルギー症状を抑える抗ヒスタミン剤はもちろん、ハーブもサプリメントも使わない。単に症状を抑え込む対処療法ではなく、アレルゲンに過剰に反応しない体質作りを目指す。

治療はコンピューター技術と指圧とを組み合わせたもので、いたってシンプル。まず、2万5000を超えるアレルゲンデータを入力したコンピューターで患者のアレルゲンを突き止める。

次に、発見されたアレルゲンの除去に有効とされるツボを指圧。デジタルシグナルで体がアレルゲンにさらされている状態を作り出し、同時に対応するツボを 刺激し続ける。花粉症と肝臓とは関連するため、肝機能を高めるツボを刺激するといった具合だ。こうした方法で、アレルギー体質の改善を行う。

針いらずのツボ療法EFTも話題

ツボ刺激といえば、2006年に発表されたEFT(Emotional Freedom Techniques)エネルギー療法によるアレルギー治療も話題を呼んだ。
ハーバード大学医学部の研究報告によると、花粉症やぜんそくといったアレルギーで生じるストレスやネガティブな感情をEFT療法で取り除くことで、アレルギー体質が改善されるという。

EFTは、感情解放テクニックとも呼ばれ、アメリカでスタンフォード大卒のエンジニア、ゲアリー・クレイグ氏が開発した。
EFTでは、体の不調やネガティブな感情は、エネルギー(気)の乱れから生じると考えている。そこで、患者に不調などのトラブルに意識を集中させながら、症状と関連のあるツボを軽く叩き刺激を与えることで気の流れを整え、症状を解消する。ツボを軽く叩くとアレルギーも解消されるという。
創設者のクレイグ氏はEFTを「針を使わない(感情の)鍼灸」と呼んでいる。テクニックさえ学べば、いつもでどこでも自分で気軽にできる療法だ。

市販薬でなく、自然なハーブを求める声も

こうしたナチュラルな療法を求めるのは時代の趨勢ともいえる。
米国健康専門誌「ナチュラルヘルス」2007年10月号によると、アレルギー・免疫専門家団体「American College of Allergy, Asthma, and Immunology」の調査で、市販の抗ヒスタミン剤を服用した人の37%が効果に満足していないという。市販薬でなく、副作用のないものを求める傾向 が強まっているが、花粉症対策のハーブではバターバーが人気。

薬用植物研究専門誌「Phytotherapy Research」2005年8月号に掲載された研究報告によると、花粉症患者330人を、1)バターバーの抽出液8ミリグラムを1日3回服用、2)抗ヒ スタミン剤180ミリグラムを毎朝服用、3)偽薬服用、の3グループに分けた。

結果、1)と2)でほぼ同じ症状緩和効果が見られた。抗ヒスタミン剤のグループでは眠気が報告されたが、バターバーではそうした副作用は一切報告されなかったという。この他、ホメオパシーやアーユルヴェーダも人気で、アレルギー治療として定着している。

慢性的なアレルギー性鼻炎、パーキンソン病と関連

最近の研究で気になるのが、慢性的なアレルギー性鼻炎とパーキンソン病との関連が報告されていること。アメリカで最も優れた病院のひとつ、メイヨー・ク リニックが2006年に発表した研究報告によると、慢性的なアレルギー性鼻炎の人はそうでない人に比べ、パーキンソン病の発症リスクが3倍高いという。

パーキンソン病は、筋肉の動きを司る脳内物質であるドーパミンを分泌する脳細胞に障害が生じ、顔や手などに震えや引き攣りを起こす。表情が少なくなり、身体が前傾し、歩幅が小刻みになるといった歩行障害も生じる。アメリカでは毎年5万人が発病しているといわれる。

研究では、パーキンソン病を発症した男女合わせて196人と、同年代の発症していない男女196人の病歴を比較。パーキンソン病患者の病歴にアレルギー性鼻炎が目立ったが、他の疾患とパーキンソン病との関係は見つからなかったという。

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