米国女性がん死因2位の乳がん、検診に新基準浮上

米国女性がん死因2位の乳がん、検診に新基準浮上

米国女性がん死因2位の乳がん、検診に新基準浮上

kaigai76 米国では、10月は乳がんの予防月間。乳がんは女性のがん死因の2位に付いているだけに、検診や予防に多くの関心が集まる。乳がん検診といえば、マンモグラフィー(乳房X線撮影)による早期発見で生存率が高まるといわれているが、定期検診の開始年齢をこれまでの40歳から50歳に引き上げてはどうか、という新基準も浮上している。

米国女性、8人に1人が乳がんに罹患

米国立衛生研究所(NIH)によると、米国で女性の乳がん罹患率は8人に1人、がんによる死因では肺がんに次ぎ2位に付いている。今年だけでも約20万7000人の女性が新たに乳がんと診断され、約4万人が死亡するものと推定されている。

がん対策では検診と予防が車の両輪に例えられる。ふだんの食事などでの予防は後述するとして、米国では10月は乳がん予防月間、まずは乳がん検診の現状から。

乳がんは皮膚がんと並び最も診断しやすいがんといわれている。

早期発見で転移がなければ5年生存率は98%ときわめて高い。早期発見に貢献しているマンモグラフィーは乳がん予防のためにも重要という認識は米国でもかなり浸透している。

保健社会福祉局(HHS)のキャサリーン・セビリウス長官は、10月の乳がん予防月間に向けて発表したプレスリリースの中でこう述べている。
「定期的にマンモグラフィーを受けることで、乳がんによる死亡率が低下していることは研究報告で明らかになっている。マンモグラフィーの普及と治療法の進 歩により、1975年から2007年までに乳がんによる死亡率は約26%も減少している。女性は40歳になったら、毎年あるいは2年に1度はマンモグラ フィーを受けることを考えるべきです」。

米がん協会なども乳がん予防のためにマンモグラフィー検診率100%を目指している。とはいえ、疾病対策予防センター(CDC)によると、ここ2年間にマンモグラフィーを受けた40歳以上の女性の割合は、4人につき3人というのが現状である。

早期発見で転移がなければ5年生存率は98%ときわめて高い。早期発見に貢献しているマンモグラフィーは乳がん予防のためにも重要という認識は米国でもかなり浸透している。

保健社会福祉局(HHS)のキャサリーン・セビリウス長官は、10月の乳がん予防月間に向けて発表したプレスリリースの中でこう述べている。
「定期的にマンモグラフィーを受けることで、乳がんによる死亡率が低下していることは研究報告で明らかになっている。マンモグラフィーの普及と治療法の進 歩により、1975年から2007年までに乳がんによる死亡率は約26%も減少している。女性は40歳になったら、毎年あるいは2年に1度はマンモグラ フィーを受けることを考えるべきです」。

米がん協会なども乳がん予防のためにマンモグラフィー検診率100%を目指している。とはいえ、疾病対策予防センター(CDC)によると、ここ2年間にマンモグラフィーを受けた40歳以上の女性の割合は、4人につき3人というのが現状である。

マンモグラフィー、「50歳から検診」説が浮上

ところで、米国では「女性は40歳になったらマンモグラフィーを毎年受ける」というのが常識だった。ところが、昨年11月、連邦の特別機関「U.S. Preventive Services Task Force」が長年の常識をくつがえす新基準を発表した。それが、「マンモグラフィーは50歳から2年に1回」というもの。 同機関はさまざまなデータを分析し、40歳代でマンモグラフィーを受けても誤診により不必要な治療を受けるリスクが高まるうえ、死亡率にもそれほど影響が ないとし、「マンモグラフィー検診50歳説」を打ち出してきた。

しかし、一方で「50歳説」では、検査離れが進み、早期発見が遅れるのではという懸念の声もあがっている。 米がん協会をはじめ、American Congress of Obstetricians and Gynecologistsなどは連邦特別機関の「50歳説」を全面否定。基準年齢をめぐる困惑を一掃しようと、40歳になったらマンモグラフィーを、と いうキャンペーンを始めた医療団体も出てきている。

「マンモグラフィー検診40歳説」については、これを裏付けるスウェーデンの研究報告もある。今年9月、オンライン版Journal Cancerに掲載された研究報告では、約100万人の女性を対象に16年間にわたり追跡調査。40歳代でマンモグラフィーを定期的に受けていた女性は、 そうでない女性に比べ、乳がんによる死亡率が26%から29%ほど低いことが分かったという。ちなみに、スウェーデンでのマンモグラフィー検診は50歳か ら69歳までとなっている。

乳がんのマンモグラフィー検診を巡っては、医療関係者の間でも意見が異なっており、国民はただ困惑するばかりというのが現状だ。

オメガ3脂肪酸やカロテン、乳がん予防に有用

乳がん予防においては検診だけでなく、日頃の食についても気をつけることが大切。乳がん予防に関する最近のトピックスを紹介しよう。

Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌10/7月号で、フィッシュオイルが乳がん予防に有用であると報じている。Fred Hutchinson Cancer Research Center研究者グループは、ワシントン州在住で乳がんの兆候が見られない閉経期後の女性35,016例(50歳から76歳)を対象に、ビタミン・ミネ ラル以外のサプリメント(ブラックコホシュ、大豆、セントジョンズワート、オメガ3脂肪酸など)について聞き取り調査を行った。
結果、フィッシュオイル成分、とくにオメガ3脂肪酸のエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸の摂取が乳がんリスクを32%下げることが分かったという。

カロテンが乳がん予防に有用であることも報じられている。European Journal of Cancer誌10/2月号に掲載された記事によると、スウェーデンの研究者グループが、Swedish Mammography Cohortに参加した女性36,664人を対象に、カロテン摂取と乳がんリスクとの関連性を分析(経過観察期間は9.4年。期間中、1,008例が乳が んと診断)した。
結果、喫煙者群においてαカロテンおよびβカロテン摂取とホルモン感受性乳がんリスクに顕著な関連性が認められた。αカロテンおよびβカロテンを多く摂ると、リスクが60%低下することが分ったという。

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