健康の「食品ピラミッド」、プレート型に一新

健康の「食品ピラミッド」、プレート型に一新

健康の「食品ピラミッド」、プレート型に一新

名称未設定-1 健康的な食生活のための「食品ピラミッド」が、食卓の皿をモチーフにしたデザインに一新された。「マイプレート」と呼ばれ、シンプルで覚えやすく、子どもから大人まで毎日の食生活に活用できるようなイメージになっている。

シンプルにわかりやすく、食品群を分類

1992年、米農務省は1日に必要な食品群をイラスト化した「食品ピラミッド」を考案した。

2005年にはこれを改め、栄養素と食物を分類、また運動の重要性も示すなど工夫を凝らしたが、複雑で分かりにくく、子どもたちが理解するのは到底無理と不評を買っていた。

そこで今年1月に発表された「2010年アメリカ人のための栄養ガイドライン」に合わせ、6月2日、農務省は健康的な食事の目安となる「マイプレート」を発表。 誰もが理解できるような、シンプルさを重視した新デザインをアピールした。

「マイプレート」では、1枚の皿を4つの食品群に分割。食品分類では、野菜と果物が半分、穀物とたんぱく質が残る半分を占めている。また、皿の脇には乳製品のコップを添えている。それぞれを色分けし、バランスよく摂るよう視覚に訴えている。

子どもでも容易に食生活の管理ができる

鮮やかに色分けされた皿のイメージをひと目見れば、どの食品群をどれくらい食べたらいいかが一瞬にして頭に入る。「確か上段は脂肪分、下段は穀物だった ような?」「でも、どれくらい食べればいいの?」と分かりずらく、実用性に欠けていた「食品ピラミッド」と違い、「マイプレート」は実際にテーブルに置か れた皿との比較が実に簡単で、子どもでも容易に食生活の管理ができる。

農務省で行われた記者会見の席でオバマ大統領夫人は「マイプレート」について次のように述べている。
「マイプレートは、毎日の食生活に注意を払ううえでとても役立ちます。お母さんもお父さんも1日の仕事を終え家に帰り、家事や育児で忙しいうえに、栄養士 の役まで果たすのはとても無理。でも、子どものお皿を見るぐらいの余裕はありますよね。お皿の半分が野菜と果物で、残りが脂肪分の少ないたんぱく質食品と 穀物、そして低脂肪の乳製品の組み合せで、健康的な食事になります。これなら簡単でしょ」。

例えば、レストランでステーキをオーダーした際、皿の半分を肉が占めていたとする。肉はたんぱく質で、「マイプレート」で占める割合は4分の1ほどだか ら、半分残せばいいということになる。これなら、子どもでも簡単に理解できる。これまでの「食品ピラミッド」のように、健康的な食生活の情報をただ与える だけでなく、日常生活の中で活用できるよう工夫がされている。

わかりやすいプレートで肥満撲滅へ

米疾病対策センター(CDC)の2009年統計によると、米国では総人口の26.7%が肥満といわれている。17歳から24歳のうち900万人が太りすぎで軍隊に入隊できず、肥満は医療問題ばかりか、今や国防上の問題になっているとさえいわれている。

肥満が原因の医療費は年間約1470億ドルで、総医療費の9%を占める(2008年統計)。予防可能な死因では2位となっている。

食生活の改善を図り、肥満人口を減らすことが急務で、農務省も「マイプレート」には力を入れており、ウェブサイト「ChooseMyPlate.gov」などで啓蒙していく構えだ。
http://www.choosemyplate.gov/

ウェブサイトでは、「マイプレート」を4つに分割、レッドの「フルーツ」、グリーンの「野菜」、オレンジの「穀物」、パープルの「たんぱく質」、加えて 皿の横にブルーの「乳製品」のコップを置き、それぞれをクリックすると、具体的な食材、1日に必要な摂取量、健康への効果、食材を使ったレシピなどさまざ まな情報が得られるようになっている。他にも、運動関連で、年齢別に詳細な解説を付けている。

また、2010年版栄養ガイドラインの重要ポイントである、「カロリー控えめ」「野菜・果物をたくさん食べる」「穀物の半分は全穀物で摂る」「牛乳は無 脂肪か1%の低脂肪で」「塩分控えめ」「糖分添加の飲料水は避ける」といったことも強調している。その他、減量アドバイスや食生活&運動のチェックコー ナーも設けている。

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