ヘルシー・エイジング、若年層で高まる「若さ維持」願望

ヘルシー・エイジング、若年層で高まる「若さ維持」願望

ヘルシー・エイジング、若年層で高まる「若さ維持」願望

kaigai86 年を重ねてもいつまでも若々しく、エネルギッシュでいたい。米国でそうしたヘルシー・エイジングへの関心が若者の間で高まっている。背景には、生活習慣病の発症が若年化していることがありそうだ。今回は、米国における若年層のヘルシー・エイジング願望の現状を報告する。

生活習慣病の発症が若年化

生活習慣病の代表格といえば、高血圧に高コレステロール、そして糖尿病。今年4月、こうした疾患の発症率を年齢別に調べた興味深いデータが発表された。

ギャラップ調査の「Healthways Well-Being Index」で、2009年-2010年にかけ、18歳以上のアメリカ人約65万人を対象に生活習慣病の実態調査を行った。
結果、「医者から高血圧または高コレステロール、糖尿病と診断された」と答えた人の内訳は、高血圧が31%、高コレステロールが27%、糖尿病が11%であった。

これを年齢別でみると、高血圧の発症は、18歳が5%、20歳が10%、40歳が18%、50歳が33%、60歳が46%、70歳と80歳がそれぞれ60%であった。

また、高コレステロールは、18歳から30歳までの発症は一桁台で、32歳で10%になり、60歳までに43%と高い割合を示した。さらに66歳までは50%、その後は横ばいで80歳から89歳までは40%以下となった。

一方、糖尿病は、高血圧と高コレステロールに比べなだらかな上昇カーブで、18歳で糖尿病は約1%だが、その大半がⅠ型糖尿病。40代から次第にⅡ型糖尿病が増え、68歳で23%に達し、その後は89歳まで17%の減少となった。

こうした生活習慣病の原因と指摘されているのが肥満。ギャラップ調査によると、若年層の肥満は18歳が11%、20歳が20%。さらに上の、30歳では 25%、40歳は28%、50歳と60歳はそれぞれ30%、70歳は27%、80歳は19%と各世代で総じて肥満傾向にある。

20代での高血圧や糖尿病の発症も大半が肥満が原因。子どもたちの肥満が増えていることから、今後も生活習慣病の発症がますます若年化していくものとみられている。

アンチ・エイジングへの意識、20代からすでに始まっている

ひと昔前は50歳を超えたあたりからヘルシー・エイジングを意識し始めたが、今や20代でも意識するようになっている。Natural Marketing Institute(NMI)が今年5月に発表した調査報告でも、ヘルシー・エイジング意識が若年層の間で高まっていることが浮き彫りになっている。

同調査報告によると、「セルフ・ケアで健康と活力を維持する方法を常に探している」と答えた人は、マチュアー世代(66歳以上)が38%、ブーマー世代 (47歳から65歳)が42%、ジェネレーションX(32歳から46歳)が38%、ジェネレーションY(20歳から31歳)が33%であった。

また、「アンチ・エイジング成分を含んだ食品を探し求めている」と答えた人は、マチュアー世代が最も多く36%、次いでブーマー世代が35%、ジェネ レーションXが31%、ジェネレーションYが26%であった。こうしたことからも、アンチ・エイジングへの意識が20代からすでに始まっていることがわか る。

さらに、ジェネレーションY、X、ブーマーの3世代で健康法のひとつであるデトックス(解毒)への関心が高いことも分かった。これには66歳以上のマチュアー世代も25%ほどが関心を示していた。

アンチ・エイジングへの強い関心、背景にストレス

20歳から46歳までのジェネレーションY、Xがすでにアンチ・エイジングに強い関心を示しているのは、ストレスの影響も大きい。NMIの調査報告によると、ジェネレーションY、Xは、ブーマーおよびマチュアー世代よりも強いストレスを感じているという。

ジェネレーションY、Xはまだ若いにもかかわらず、実年齢よりも年をとっているように見られがちだ。また、強いストレスから心臓や認知能力、消化器系に 障害を受け、体重もなかなか落ちないで体調は悪化するばかり。このまま年をとったらいったいどうなるのか。そんな将来への不安から、ヘルシー・エイジング 願望が強まっているようだ。

NMIの調査では、「実年齢よりも若く見られたい」という願望が強いのはジェネレーションXがトップで65%。次いでブーマー世代で57%、ジェネレーションYが51%、マチュアー世代が50%となっている。

最近、20代でもシワ取り注射による若返り術「ボトックス療法」を受ける人が増えているという。ブーマー世代が「抗老化」を求める一方で、若年層においては「若さ維持」願望がますます強くなっているようだ。

TOP