風邪の予防やつらい症状に

風邪の予防やつらい症状に

風邪の予防やつらい症状に

1HDNパッケージニュース11月9日配信2日に日に寒さが増し、風邪をひきやすい季節になってきました。日常生活の中で、いろいろな予防方法を心掛けている方も多いのではないでしょうか。今回は、風邪の予防について、英国と米国のレポートからご報告します。

 

ビタミン摂取で風邪を予防できる?

ビタミンA、D、Eの摂取量が多い人は、風邪をひきにくい可能性があるとする研究結果を、英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)のSuzana Almoosawi氏らが、「BMJ Nutrition, Prevention & Health」2020年10月27日オンライン版に報告しました。この研究は、英国の調査「National Diet and Nutrition Survey Rolling Programme (NDNS RP)」に2008~2016年に参加した、19歳以上の成人6,115人を対象としたものです。対象者は、3日以上の食事記録を提出していたほか、調査期間中に生じた呼吸器症状(咳、喉の痛み、呼吸困難、肺虚脱、ウィルス性肺炎による肺損傷など)についても報告しました。Almoosawi氏らは、これらのデータを基に、食事またはサプリメント(以下、サプリ)からのビタミンA、C、D、Eの摂取が、風邪などによる呼吸器症状の予防に関連するのかどうかを検討しました。

その結果、さまざまな呼吸器症状を報告したのは、6,115人のうちの33人でしたが、これらの人たちは、全般的に年齢が高く、ビタミンA、C、D、E、をサプリから定期的に摂取している人も少なく、また、呼吸器症状がなかった人々と比べて、食事からのビタミンAとEの平均摂取量も少ないことが明らかになりました。

ビタミンAを含む食品には、赤色あるいはオレンジ色の野菜や乳製品などがあり、ビタミンEは植物油やナッツ類、葉物野菜などに含まれています。また、ビタミンDは近年、健康に関わるトピックとして注目を集めています。Almoosawi氏は「今のところ、ビタミンDは摂取した方が賢明だといえそうだ。ビタミンDが含まれている食品は少なく、ビタミンDが欠乏している人は珍しくないからだ」と指摘しています。Almoosawi氏らは、今後さらなる研究を行い、ビタミン摂取がその後の呼吸器症状のリスク低下に関連するのかどうか検証したいとしています。

咳には風邪薬より蜂蜜が効く?

また、風邪のときに辛い症状の一つが、しつこい咳です。風邪の根本的な治療法は今のところありませんが、喉の痛みや咳といった風邪の症状を蜂蜜で和らげられるかもしれません。そんな蜂蜜の有用性を裏付ける臨床試験データの分析結果が、英オックスフォード大学医学部のHibatullah Abuelgasim氏らにより、「BMJ Evidence-Based Medicine」2020年8月18日オンライン版に報告されました。市販の咳止めシロップや感冒薬および抗アレルギー薬、鎮痛薬などによる“通常のケア”を受けた成人や小児と比べて、蜂蜜を摂取した成人や小児の方が、咳の重症度や頻度が低かったということです。

蜂蜜は何世紀にもわたり、民間療法として、喉の痛みや咳などの緩和に使われてきました。Abuelgasim氏らは今回、蜂蜜のこのような症状緩和効果を確認するために、2007年以降に実施された14件の臨床試験のデータを収集し、分析しました。解析の結果、蜂蜜は通常ケアと比べて、風邪による諸症状の改善、特に、咳の重症度と頻度の軽減と有意に関連することが明らかになりました。

この結果についてAbuelgasim氏は、「今回の研究で対象とした試験のほとんどが、咳症状に対する蜂蜜の効果について検討したものだった。そのため、得られたエビデンスは、咳症状に対する蜂蜜の有効性を、強力に裏付けるものだといえる」と説明しています。また同氏は、「蜂蜜は基本的に安全な食べ物であるため、試してみる価値はある」と話しています。今回の報告には関与していない、米ノバント・ヘルス統合医療のRussell Greenfield氏も、蜂蜜が風邪の症状に有効な理由は完全に解明されていないものの、蜂蜜には抗酸化物質が含まれており、抗菌作用や抗炎症作用があることなどが、これまでの研究で示されていると述べています。ただし、1歳未満の子どもには、ボツリヌス症を発症するリスクがあるため、蜂蜜を与えてはならないと指摘しています。

風邪のつらさで眠れないとき

風邪でつらいときに何よりも必要なのは十分な睡眠です。しかし、鼻づまりや咳が妨げとなってなかなか眠れないこともあるでしょう。そんなときに睡眠を助けるためのヒントを、2017年に米国睡眠財団(NSF)が以下のように紹介しています。

・蜂蜜を入れた温かい紅茶を一杯飲みましょう。鼻づまり、喉の痛み、咳などが和らぎます。
・熱く湯気の立つシャワーを浴びると、鼻の通りがよくなり、リラックスできます。
・加湿器を使いましょう。水は毎日交換し、タンクも2~3日ごとに洗い、カビを防ぎましょう。
・枕を重ねて高くし、痰や鼻水がたまるのを防ぎましょう。
・市販の風邪薬を使用しましょう。成分表示をよく読むこと、2種類以上の薬を一度に飲まないことが大切です。
・どうしても眠れないときはベッドから出て、静かな音楽を聴いたり、お茶を飲んだりして、20分後にまたベッドに戻ってみましょう。

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