vol.146 2015年10月号

vol.146 2015年10月号

今月のトピックス

■オメガ3と健康
2)「エイコサペンタエン酸の血小板凝集抑制作用と医薬品化」
早稲田大学 矢澤一良先生
「魚食」や「魚油摂取」に関する疫学調査は、1970年代初期以来、数多く報告されてきました。今回は、その成分であるEPAとDHAの研究についてお話しします。

■ワールドヘルスレポート
経済優先、アメリカ人の「食と健康」意識の現状
今回は、10年目を迎えるアメリカ人の健康についての意識調査「Food & Health  Survey」の結果を基に、アメリカ人の「食と健康」意識の現状について報告します。

■健康豆知識 健康の温故知新
69)ロコモ(運動器症候群)を防ぐ歩き方
人口の高齢化が進む中、医療費の抑制や健康寿命の延伸のために、適度な運動が推奨されています。今回は加齢に伴う筋力の低下から起こるロコモ(運動器症候群)の防ぎ方についてご紹介します。

■気になるからだ
第67回 最も患者が多い大腸がん
国立がん研究センターの予測では、今年、日本で最も罹患する人が多いのは大腸がんです。大腸がんの予防と早期発見についてお話しします。

気になるからだ 最も患者が多い大腸がん

国立がん研究センターの予測では、今年、日本で最も罹患する人が多いのは大腸がん。男性では前立腺、胃、肺に次いで4番目、女性では乳房の次に多くなる見通しです。一方、同センターがこの9月に発表したデータでは、全国177の拠点病院で2007年に診断された大腸がん患者の5年生存率は72.1%で、肺がんや肝臓がんと比べて成績がよいものでした。この調査の起点となった2007年以降も新たな薬剤が相次いで導入され、大腸がんは進行・再発後でも長期生存が期待できるようになっています。
もちろん、治療成績が良いからと言っても、予防や早期発見に勝る対策はありません。大腸がんの予防法で確実なのは「日常生活を活動的にすること」だとされています(世界がん研究基金と米国がん研究協会の報告書)。WHOの評価では、運動が「確実」とされたほか、野菜・果物が「可能性大」と見られています。早期発見に関して言えば、健康診断や人間ドックのメニューに組み込まれている便潜血検査は有効性が証明されており、定期的に行うことが大切です。大腸がんの自覚症状は、出血、便が細くなった、便秘と下痢を繰り返す、など。肛門からの出血というと痔が思い浮かびますが(e-健康かわら版vol.138 2015年2月号参照)、それ以外に原因があるかもしれないので、一度専門医を受診するのがよいでしょう。

今月も最後まで「e-健康かわら版」をお読みいただきましてありがとうございました。今後も充実した健康お役立ち情報をお伝えするよう企画してまいりますので、宜しくお願い申し上げます。皆様からのご意見・ご感想をお待ちしています。

次回の「e-健康かわら版」は11月16日頃配信予定です。

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