Vol.219–2021年11月号

Vol.219–2021年11月号

今月のトピックス

■ワールドヘルスレポート

適切な睡眠時間

近年、健康管理における睡眠の重要性が注目を集めるとともに、日本人の睡眠不足の問題が指摘されています。今回は、適切な睡眠の重要性と日本人の子供の睡眠について、国内外からのレポートをご紹介します。

■健康豆知識 健康の温故知新

141) コロナ禍でも元気に過ごす~感染を防止し、健康を保つ秘訣とは~ ①

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の世界的流行は、すでに1年以上にわたっており、私達の生活に大きな影響を与えています。今回は、東京都健康長寿医療センター主催の第158回老年学・老年医学公開講座「コロナ禍でも元気に過ごす~感染を防止し、健康を保つ秘訣とは~」(2021年9月12日オンラインにて実施)を2回にわたってご紹介します。
第1回の今回は、「新型コロナウィルス感染流行の現況と高齢者が注意すべきこと」(東京都健康長寿医療センター センター長 許 俊鋭氏)をご紹介します。

■食で巡る日本~郷土料理紀行~

かぶら寿司

日に日に寒くなり、冬の訪れを感じるようになりました。今回は、冬の味覚「ブリ」を使った石川県の郷土料理・かぶら寿司をご紹介します。

かぶら寿司は、塩漬けしたかぶらに塩漬けしたブリを挟んだ、石川県を代表する伝統的発酵食品。従来の酢飯を使うすしとは異なる、漬物に近い「なれずし」の一つです。ブリの塩漬けをかぶらの塩漬けで挟み、糀でつくった甘酒をのせて
1週間から10日ほど漬け込んでつくられます。熟成が進んだものを、なにもつけずにそのままいただきます。起源については諸説ありますが、金沢市金石町の漁師が豊漁祈願・安全祈願で正月の行事食として食べはじめたという説や、藩主が湯治で訪れた地元の温泉宿で振る舞われたといった説が伝わっていますが、定かではありません。少なくとも江戸時代には食べられていたと伝えられています。魚屋や八百屋が年末、得意先に通い帳の入れ替えとごあいさつのために手づくりの「かぶらずし」を手土産にしたことから広がったと言われます。

「コゾクラ」、「フクラギ」、「ガンド」と大きさによって名前を変えるブリは、古来より縁起物で、加賀藩から徳川将軍家にも献上されていました。数あるブリ料理のなかでも、高級品とされるのが「かぶらずし」です。かぶらずしは、近年、高い健康効果から注目を集めている発酵食品で、乳酸菌を豊富に含んでいます。また、ブリの脂はDHAなどの不飽和脂肪酸で、血中コレステロール値を減らし、動脈硬化や高血圧を防ぐ良質な脂肪です。江戸時代の薬物書『本朝食鑑』には「気血を潤し、健やかに太らせる」と記載され、元気がない人、体力のない人、貧血気味の人等に望ましい食材として紹介されています。

健康効果も高く、独特の風味が豊かなかぶらずし。近年では、通信販売などでも購入することができるようです。石川の冬の味覚をぜひ、試してみてください。

参考:「うちの郷土料理」(農林水産省) https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/index.html

次回の「e-健康かわら版」は12月20日頃配信予定です。

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