Vol.210–2021年2月号

Vol.210–2021年2月号

今月のトピックス

■大和薬品最新情報
◎論文掲載:バイオブラン/MGN-3の孤発性アルツハイマー病モデルマウスに対する
防護効果:酸化ストレスが果し得る役割とアポトーシス経路

■アンチエイジングとプライムエイジングの違い
3) プライムエイジングと腸内細菌叢
飯塚 翠 先生(M再生クリニック)

腸内には約500~1000種類、100兆~1000兆個の腸内細菌が存在し、腸内細菌叢(腸内フローラ)を形成しています。今回は、プライムエイジングと腸内細菌についてお話します。

■ワールドヘルスレポート

今からできる春のアレルギー対策

今年も、花粉症の季節が近づいてきました。そろそろ病院を受診したり、薬の服用や点眼薬を始めたり、対策を始めている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、花粉症やアレルギーについて、国内・国外のレポートをご紹介します。

■食と健康の歳時記

雨水と寒天

立春から15日目にあたる雨水は、少しずつ寒気が緩んで降る雪が雨へと変わり、雪解けが始まる頃です。奈良の若草山、京都の大原などで野焼きが行われるのは春の初めの風物詩ですが、野焼きは灰が牛や馬の飼料となる草の成長を促してくれます。
これらの行事は雨水に行われます。凍てついた田畑も雪解け水で潤いを取り戻し、少しずつ農作業の準備も始まります。
この季節に見られる風物詩の一つが、岐阜や長野で行われる寒天干しです。今回は、寒天についてお話ししたいと思います。羊羹や蜜豆の材料としてよく食べられている寒天ですが、紅藻類の天草やオリゴノリなどの細胞間質に存在する粘質多糖で、煮溶かして冷却して固めると「ところてん」ができますが、これを戸外の天然冷気で凍結乾燥させたものが寒天です。ところてんを寒さに晒して凍結、乾燥を繰り返してつくられますが、特に岐阜、長野ではこの時期によくみられる光景です。海に面していない長野や岐阜で寒天産業が盛んというのは不思議に思われるかもしれませんが、江戸時代に行商人によって伝えられ、農閑期の副業として定着した名残だともいわれます。寒天の主成分は多糖類のアガロースで、消化酵素で分解されないため栄養価はほとんどありませんが、ナトリウムと結びついて血圧を下げる働きがあるほか、コレステロールの上昇抑制、便量の増加、便秘の改善作用などが知られています。羊羹、みつまめなどの和菓子の素材としてよく使われる寒天ですが、寒天を使って、だし汁に鶏のささ身や魚介類、野菜などを入れた寒天寄せなどにしても、食卓を華やかにしてくれる一品になるでしょう。

次回の「e-健康かわら版」は3月19日頃配信予定です。

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