健康豆知識

健康の温故知新

掲載106 腸内環境を整えて心も体も元気になろう!

近年、腸内環境を整えることの大切さが注目を集めています。今回は、2018年10月30日に実施された食と健康講座「腸内環境を整えて心も体も元気になろう!」(目黒区保健予防課)に基づいて腸内細菌と健康についてお話します。

心も体も食べたものからできている

様々な種類の乳酸菌が入ったヨーグルト、麹を使った調味料、甘酒など、腸内環境に良いとされる食品を店頭で見かけます。これは、腸内細菌が私たちの健康に大きな影響を与えることが徐々に注目されていることによるものでしょう。腸内環境は、身体の健康はもちろん、心(精神状態)にも深く関係しています。昔から「腹」(腸)と心に関連することわざは、「腹が据わる」「腹が立つ」「腹黒い」「腹の虫がおさまらない」など多くありますが、科学的に研究が進む以前から、「腹」(腸)が心と密接につながっていることを古来からの知恵で知っていたのかもしれませんね。

腸管の役割

それでは、実際に腸管はどのような役割を果たしているのでしょう。まず、どんなに健康に良いものを食べても、それが吸収されなくては機能を果たしません。腸管は消化・吸収によって栄養素を栄養にし、栄養補給の役割を担っています。また、腸管免疫によって免疫をつかさどり、細菌・ウイルス・化学物質などから身を守ります。そして、腸管には多くの神経系が集まり(腸管神経系=第二の脳)、心の安定に関与しています。

腸管環境を整えるポイント

腸内細菌叢(腸内フローラ)は、健康な場合は善玉菌:悪玉菌:日和見菌が2:1:7の割合で存在すると考えられています。7割を占める日和見菌はその名前の通り優勢菌の味方となるので、悪玉菌が優勢にならないように日頃から腸内環境を整える必要があります。種々の原因でバランスが崩れて悪玉菌が優勢になってしまうと、腸内環境は悪化してしまうのです。

腸内環境を整えるポイントは以下の3点です。

  1. 有用菌を届ける
  2. 有用菌を育てる
  3. 腸の筋力トレーニング

有用菌を届ける

次に、腸内に善玉菌を届けるとともに善玉菌を育てることも大切です。穀類、野菜、海藻、豆類、イモ類、果物は食物繊維が豊富で、腸内環境の改善に効果的です。特に野菜は加熱すると生の場合よりもたくさん食べることができますので、生野菜だけでなく、おひたし、具沢山の味噌汁、煮物なども併せて食べるようにすると良いでしょう。

腸の筋力トレーニング

腸を動かすことによって、腸の筋力も鍛えられます。3食欠かさず食べるように心掛けましょう。食事に時間をかけると胃腸もしっかり動くため、食事の時間は15分以上かけるようにすることが大切です。その際によく噛むと胃液がしっかり出て代謝もしやすくなります。また、腸の筋力トレーニングも身体の筋トレと同じで、運動と休憩のバランスが大切です。だらだら食べではなく間食する場合は時間を決める、食事と食事の間があまり空くときには間食で補うなど、腸を動かす時間を規則的にする習慣をつけましょう。

有用菌(善玉菌)を育てる

善玉菌の主なものはビフィズス菌ですが、ビフィズス菌は生まれたときは100億個あるものの、加齢とともに減少してしまいます。そのため、善玉菌を腸内に届けてあげる必要があります。すでにご存知の方も多いかと思いますが、ヨーグルト、味噌汁、納豆、漬物(ぬか漬けなど)の発酵食品を毎日食べるようにすると良いでしょう。

私たちの心と体は切り離すことができません。そして、心も体も食べたものからできています。食生活を意識して腸内環境を整え、日々心も体も健やかに生活できるといいですね。

TOP