「よく眠れない」「睡眠はとっているはずなのに日中も眠い」ということはないでしょうか。近年、「睡眠負債」という言葉をよく聞きますが、睡眠の問題に悩んでいる人が増えていると言われます。今回は2018年10月2日に健康保険組合連合会東京連合会が実施した「得する睡眠法」(小林瑞穂氏 スリープパフォーマンスカンパニー代表)のセミナーに基づき、睡眠についてお話します。
日本の睡眠事情
日本人の70%もが睡眠に不満があり、何らかの睡眠改善薬を飲んだことがある人は20%に上り、睡眠不足による経済的損失は15兆円にものぼると小林氏は指摘します。また、日本人の睡眠時間平均は、世界でもワースト1位であるとも言われています。
睡眠負債
最近聞かれる「睡眠負債」は、単なる1日、2日の寝不足ではなく、自覚の薄いまま少しずつ睡眠不足を貯めてしまった「睡眠の借金」です。以下に睡眠負債簡易チェックをご紹介しますので、ご自身が睡眠負債ではないかチェックしてみてください。
- 最近目覚めが悪い
- 最近寝つきが悪い
- 昼間に強い眠気を感じることが増えた
- 夜中に何度も起きる。起きたら再度眠れない
- ちょっとのことでイライラすることが増えた
- 休日は普段より2時間以上長く寝る
当てはまる数が多い場合は、「睡眠負債」を抱えている可能性があります。ただし、睡眠時間は長ければよいというものではなく、睡眠時間が6時間未満の場合も、10時間以上の場合のいずれも寿命が短くなるというデータもあります。睡眠負債を返す場合も、一度にまとめて寝るのではなく、以下のことに注意しましょう。
- いっぺんにたくさんは返せない
- できるだけ早めに返す
- 2週間以上はためない
- 休前日は早く寝る
- 起きる時間は2時間以上は延ばさない
- 足りない時は、昼寝を20分程度、または90分を15時までに!
ポジティブ睡眠法
より良い睡眠をとるためには以下の3つのコツがあると小林氏は指摘します。
1. カーテンオープン
カーテンを開けて寝ると、だんだん明るくなる光によって、目覚め準備効果があり、セロトニンの分泌効果があります。これによって体内時計のリセット、メンタルバランスの調整ができると言われます。
2. 朝は好きから=ポジティブコントロール
朝は、食べたいもの・好きなことを思い浮かべる、好きな音楽を聴くなど、好きなことを行動&思考することによってドーパミンが分泌されて、体と脳が覚醒します。
3. 夜はゆるめる=リラックスコントロール
副交感神経系が有意になりリラックスします。強い光を浴びない、寝る1間前はスマホは見ない、布団の中で反省会をしない、などのよりリラックスしてよく眠れる工夫が大切です。
より良い睡眠をとって、心身ともにより快適に日中を過ごせるといいですね。