健康豆知識

ホリスティック(全体医療)

掲載22 ヨーガ

ヨーガ(Yoga)は、インドに古くから伝わる伝統医学で、サンスクリット語で「生命の科学」という意味をもつアーユルヴェーダと並び称されるものです。

わが国でヨーガといえば、これを実際に行っている女優やスポーツマンなどの著名人の影響や、フィットネス等の要素をとりいれた新しい技術が流行していることなどにより、運動(体づくり)のようにとらえられがちですが、実際は紀元前のインダス文明に起源を発するといわれる、
肉体や精神をコントロールする技術のことで、ある種の修行法ともいわれます。実際、仏教やバラモン教、ジャイナ教などの修行法として用いられてきました。

日本には、すでに9世紀に唐から伝わったといわれますから相当長い歴史がありますが、ヨーガが大流行するきっかけとなったのは数年前の健康ブームによるところが大です。

メタボリックシンドロームなどという言葉がマスコミに登場する前に、一億総健康志向ブームはダイエットの風潮をもたらし、やせる手段として、エアロビクスと同じようにフィットネスクラブや専用の施設でヨーガが採用されるようになったのです。

ブームのさきがけが女優や俳優、歌手、スポーツマンであったことは前述のとおりですが、当初ハリウッドやニューヨークなどで大流行したことを考えると納得できます。

ヨーガを実践するには、まず心と体を統一し、それを宇宙と合体させるために呼吸法や体位、瞑想、生活法などの技術を使うものです。

ヨーガには、それぞれの流派によってたくさんの種類があります。代表的なものとしてよくとりあげられるのが、「ハタ・ヨーガ」(Hatha yoga)と「ラージャ・ヨーガ」(Raja yoga)です。

ハタ・ヨーガは、「ハタ」(力の)という言葉が示すとおり、肉体的な操作に重きをおいたものです。姿勢や呼吸法や体位、浄化法、締め付けなどの操作を肉体に与えることによって、深い瞑想の条件となる強く逞しく清く美しい心身を作り出すヨーガです。後のスポーツにおけるストレッチなどは、このヨーガの姿勢に由来しているといわれています。

ラージャ・ヨーガは、「ラージャ」(王様の)という意味から解釈できるとおり、神を悟るための本格的なヨーガといわれるものです。

ヨーガはたいへん古い歴史をもつ伝統医学の体系ですが、数多い種類の中には紀元後に考えられたものなど、比較的新しいものもあります。近年、時代にあわせて考案されたヨーガもいくつかあります。

「パワー・ヨーガ」(Power yoga)は、肉体に負荷をかけて脂肪を燃焼させ、美しい肉体をつくることを目的にして、アメリカ開発されました。

「マタニティ・ヨーガ」(Maternity yoga)は、その名のとおり妊産婦向けのもので、妊婦の心の安定と分娩時の痛みのコントロールなどの効果があります。

ヨーガは、段階が高度になればなるほど師を必要とする、といわれますが、どの段階にせよ実施にあたっては専門家に相談して指導を仰ぐことがまず第一です。

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