カイロプラクティック(Chiropractic)は、19世紀の終盤にカナダ出身のD.D.パーマーがアメリカで始めた療法で、語源はギリシャ語からきています。
Chiro(手)とPraktikos(技術)を組み合わせた造語(手の技術)で、「脊椎矯正療法」などとも言われています。
日本に入ってきたのは比較的新しく、20世紀になってからで、アメリカなどでは正式な資格を持った者だけに施術が許されていますが、日本ではまだ正規の医療として法制化されていません。従って、日本で言うカイロプラクティック療法とは、医療ではなくて民間療法の範疇に入り、治療ではなくて施術と言うことになります。
この療法、一口で言えば、脊椎の歪みを矯正することによって神経系の働きを正常なコンディションに戻し、人間が本来有している自然治癒力をより活性化させるというヘルスケアの一つです。
薬品や外科処置に頼らず、あくまで「手」によって身体の改善を行うということが、カイロプラクティックの特徴です。
カイロプラクティックを語る上で欠かせないのが、サブラクセーションという言葉です。これは、椎骨のずれにより神経が圧迫され、脳からの神経エネルギーの伝達が阻害される状態のことです。
脊椎などの椎骨がずれることにより神経が圧迫され、体の機能に支障をきたすということは、人間が有史以来持ち続けている肉体的な宿命です。
重い頭を支えた体で終始立ったままで生活し、また悪い姿勢で座ったり寝たり、といった毎日の行動パターンから考えると、これはもう仕方のないことかもしれません。
アメリカを始めカナダ、イギリスなど世界数十カ国が加盟している「世界カイロプラクティック連合」(WFC)は、世界保健機構(WHO)に加盟している団体ですが、多くの国では資格を認可されたD.C.(Doctor of Chiropractic)がホリスティック医療の考えに基づいて、予防を含めた治療を行っています。