掲載2 一次性頭痛国際分類についての感想“樹を見て森を見ず”:一次性頭痛の原因解明について②
一次性頭痛の起こり方
後頚部から後頭部の解剖図を図2に示す。黄色の上下に走る細いひも状の構造物が3本ある。後頭骨の左右に付いた筋肉から背中全体に広がる僧帽筋が腰近くまであり、大きな筋肉がクレーン車のように頭部を後方に引いている。本人が前のめりになると、僧帽筋はパンパンに張って、頭を後方に引っ張っている状態になる。この部分には3つの主要な神経が上下に走っているため、前のめり姿勢は肩が凝ると同時に神経を逆なですることになる。これが、前のめりからくる一次性頭痛の原因である。
「“こめかみが痛い”?―それは偏頭痛ですね、〇〇のお薬をお出しします」ではありません。前のめり姿勢を改めて、ホットパック(濡れたタオルをジッパー付き保存袋に入れてレンジでチン)を用意して、後頭部の骨の付け根にある小後頭神経部(後頚部全体で構わない)を温めれば、こわばりによる微小循環動態が改善して次第に偏頭痛は改善する。特に「ずきずき」と痛むような時は、耳の前の部位を通っている側頭動脈が拍動するので、それに合わせて「ずきずき」である。こめかみを温めるのではなく、神経が後頚部から来ているので、後頭部の筋肉群のこわばりと神経をホットパックするか、あるいはNKCP服用の出番である。
後頚部を走る「大後頭神経」が刺激されると、目の奥がとても重たく感じられて、眼精疲労という診断名を聞くことになる。そして点眼薬による治療となる。わたしは約4000例の患者様の脳のMRIで一人一人の目の奥を注目してみてきたが、そこに何も病変は発見されなかった。三叉神経の眼神経は頭蓋表面に這うように後頭部方面に張り出しており、後ろ側の大後頭神経と絡まっている。この絡まりが関連痛となってあたかも目玉がモヤモヤするように感じられるのである。頭痛ガイドラインではこの頭痛も群発性頭痛などと称してお薬が出ることになる。投薬などせずとも、前のめり姿勢をやめて、後頭部の大後頭神経部を温めれば改善する。
後頭部全体の頭痛は緊張性頭痛と分類される。これも上記と同様に、前のめり姿勢をやめて、後頭部を温めることを繰り返していく、あるいは松井理学療法で治療すると、あら不思議と改善する。いや、不思議ではない。原因は頸部筋肉群の微小循環障害であり、筋肉がこわばり続けて物質代謝がうまくいっていないのである。
お薬は即効性があるから求められるが、肝臓や腎臓の細胞の働きに負担をかけることになる。私が国費留学生として研究をしていたスイスのバーゼル大学医学部病理学研究所からは、ある有名な鎮痛薬服用による腎障害副作用についての臨床解剖学的研究が、かつて報告されている。あるいは東京大学医学部病理学教室での病理医トレーニング中に、激しい腹痛に対して有名な鎮痛剤を服用していた患者に生じた急性胃潰瘍穿孔死の病理解剖に直面した体験がある。頭痛は生活習慣病である以上、長い付き合いとなることは間違いない。頭痛に対処するには、医学的に適切な治療が求められる。しかし、前のめり姿勢を改善することが先決である。
以上をまとめると、頭痛は炎症で起きているのではなく、むしろ真逆の非炎症状態である。これは何度も言うように、頚部筋肉群のコリによる微小循環障害である。長時間の前のめりの姿勢=お仕事姿勢が起こす頚部の筋肉群のこわばりによる微小循環障害だったのである。デスクワークだけでなく、スマホやゲームの姿勢も大問題である(図1)。このような状態を放っておくと、全身倦怠感がひどくなり、起立性調節障害、新型うつという精神症状が前面となり、自殺志向までに至る大変シビアな状態となる。向精神薬など全く歯が立たず、どこの医療機関に行ったら良いか分からないという状態となる。そのような重症状態では、ためらわずに松井理事長の東京脳神経センターあるいは香川県の松井病院をお勧めする。
後頚部から後頭部の解剖図を図2に示す。黄色の上下に走る細いひも状の構造物が3本ある。後頭骨の左右に付いた筋肉から背中全体に広がる僧帽筋が腰近くまであり、大きな筋肉がクレーン車のように頭部を後方に引いている。本人が前のめりになると、僧帽筋はパンパンに張って、頭を後方に引っ張っている状態になる。この部分には3つの主要な神経が上下に走っているため、前のめり姿勢は肩が凝ると同時に神経を逆なですることになる。これが、前のめりからくる一次性頭痛の原因である。
「“こめかみが痛い”?―それは偏頭痛ですね、〇〇のお薬をお出しします」ではありません。前のめり姿勢を改めて、ホットパック(濡れたタオルをジッパー付き保存袋に入れてレンジでチン)を用意して、後頭部の骨の付け根にある小後頭神経部(後頚部全体で構わない)を温めれば、こわばりによる微小循環動態が改善して次第に偏頭痛は改善する。特に「ずきずき」と痛むような時は、耳の前の部位を通っている側頭動脈が拍動するので、それに合わせて「ずきずき」である。こめかみを温めるのではなく、神経が後頚部から来ているので、後頭部の筋肉群のこわばりと神経をホットパックするか、あるいはNKCP服用の出番である。
後頚部を走る「大後頭神経」が刺激されると、目の奥がとても重たく感じられて、眼精疲労という診断名を聞くことになる。そして点眼薬による治療となる。わたしは約4000例の患者様の脳のMRIで一人一人の目の奥を注目してみてきたが、そこに何も病変は発見されなかった。三叉神経の眼神経は頭蓋表面に這うように後頭部方面に張り出しており、後ろ側の大後頭神経と絡まっている。この絡まりが関連痛となってあたかも目玉がモヤモヤするように感じられるのである。頭痛ガイドラインではこの頭痛も群発性頭痛などと称してお薬が出ることになる。投薬などせずとも、前のめり姿勢をやめて、後頭部の大後頭神経部を温めれば改善する。
後頭部全体の頭痛は緊張性頭痛と分類される。これも上記と同様に、前のめり姿勢をやめて、後頭部を温めることを繰り返していく、あるいは松井理学療法で治療すると、あら不思議と改善する。いや、不思議ではない。原因は頸部筋肉群の微小循環障害であり、筋肉がこわばり続けて物質代謝がうまくいっていないのである。
お薬は即効性があるから求められるが、肝臓や腎臓の細胞の働きに負担をかけることになる。私が国費留学生として研究をしていたスイスのバーゼル大学医学部病理学研究所からは、ある有名な鎮痛薬服用による腎障害副作用についての臨床解剖学的研究が、かつて報告されている。あるいは東京大学医学部病理学教室での病理医トレーニング中に、激しい腹痛に対して有名な鎮痛剤を服用していた患者に生じた急性胃潰瘍穿孔死の病理解剖に直面した体験がある。頭痛は生活習慣病である以上、長い付き合いとなることは間違いない。頭痛に対処するには、医学的に適切な治療が求められる。しかし、前のめり姿勢を改善することが先決である。
以上をまとめると、頭痛は炎症で起きているのではなく、むしろ真逆の非炎症状態である。これは何度も言うように、頚部筋肉群のコリによる微小循環障害である。長時間の前のめりの姿勢=お仕事姿勢が起こす頚部の筋肉群のこわばりによる微小循環障害だったのである。デスクワークだけでなく、スマホやゲームの姿勢も大問題である(図1)。このような状態を放っておくと、全身倦怠感がひどくなり、起立性調節障害、新型うつという精神症状が前面となり、自殺志向までに至る大変シビアな状態となる。向精神薬など全く歯が立たず、どこの医療機関に行ったら良いか分からないという状態となる。そのような重症状態では、ためらわずに松井理事長の東京脳神経センターあるいは香川県の松井病院をお勧めする。

図1. 頸部の前のめり図

図2. 後頚部から後頭部の解剖図
