vol.126 2014年2月号

vol.126 2014年2月号

今月のトピックス

■病理専門医からみた健康戦略シリーズ 第二弾 炎症と免疫
18)自己とは?非自己とは? 粘膜免疫系リンパ装置と病気②
浜松医科大学(第一病理) 遠藤雄三 先生
◎消化管には蠕動運動という動きがあり、内容物を着実に一方向性に運ぶ「しかけ」が備わっています。今回は、蠕動運動と回盲部の働き、回盲部の病気のクローン病についてお話しします。

■ワールドヘルスレポート
話題の食事法「DASH」とは~米国ヘルシー・ダイエット最新情報①
◎米国の時事解説誌「U.S. News & World Report」が、健康分野で毎年行っているダイエット(食事法)のランク付け「2014年度版ベスト・ダイエット」を発表しました。ここでは、米国で評価の高い32種類のダイエットがランク付けされています。米国で注目されている様々なダイエットを3回にわたってご紹介します。

■健康豆知識 健康の温故知新
49)長寿のための運動習慣
◎世の中にはさまざまな健康情報が溢れています。健康法も人それぞれですが、共通して言えることは健康に適度な運動は欠かせないということです。今回は長寿と運動との関わりについてご紹介いたします。 

今月のメニュー

■大和薬品最新情報
◎【論文掲載】修飾米糠アラビノキシラン(MGN-3/BioBran)はin vitroにおいて転移性乳がん細胞のパクリタキセルに対する感受性を高める

■気になるからだ
◎第47回 花粉症の新しい治療が登場

■大和薬品最新情報
◎【論文掲載】修飾米糠アラビノキシラン(MGN-3/BioBran)はin vitroにおいて転移性乳がん細胞のパクリタキセルに対する感受性を高める

Drew University(アメリカ)を中心とする研究グループは、バイオブランがin vitroにおいて転移性乳がん細胞のパクリタキセル(抗がん剤)に対する感受性を高めることを発表しました。今回の研究は、”Anticancer Research, January 2014”に掲載されました。
これまでの研究において、バイオブランは乳がん細胞のダウノルビシンに対する感受性を高めることが明らかになっています。今回の試験では、バイオブランはパクリタキセルについても同様に乳がん細胞の感受性を高めることが示され、パクリタキセルの新たなアジュバント(補助剤)として働くことが明らかになりました。
近年、代替療法の活用によって、抗がん剤の効果を維持しながら投与量を減らし、化学療法の副作用を軽減する治療方法が注目されています。今後も、バイオブランの様々な活用への可能性が期待されます。

■気になるからだ 花粉症の新しい治療が登場へ
スギ花粉症の根治が期待できる新たな治療法として、舌下(ぜっか)免疫療法薬が1月17日付で厚生労働省に承認されました。薄く希釈したスギ花粉エキスを毎日1回、口の中にたらし、年単位で徐々に体を慣らしていくもの(免疫療法)です。
従来の免疫療法は、エキスを注射する方法でした。スギ花粉症には70%前後の有効性が認められ、3年以上治療を継続すると、数年以上効果が持続する例が多いとされています。ただし、治療を始めた当初は週に1~2回通院しなければならないこと、注射であること、ごくまれにアナフィラキシーなどの副作用があることなどの課題がありました。
そこで、新たな方法として開発されたのが舌下投与です。花粉エキスを含む液を舌の裏側にたらし、2分間そのままにしておいて飲み込みます。この2分間に粘膜の免疫細胞がエキスを感知し、それが毎日繰り返されると徐々に体が慣れてくるというわけです。エキスは少ない量から始めるので、花粉症のような反応が起きる可能性は非常に低いと考えられています。
この舌下免疫療法が、実際に医療機関で行えるようになるのは今年の春以降になる見込みで、このシーズンには間に合わなさそうです。今回は、来シーズン以降への期待を込めてのご紹介といったところです。

今月も最後まで「e-健康かわら版」をお読みいただきましてありがとうございました。
今後も充実した健康お役立ち情報をお伝えするよう企画してまいりますので、宜しくお願い申し上げます。皆様からのご意見・ご感想をお待ちしています。

次回の「e-健康かわら版」は3月10日頃配信予定です。

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