Vol.23 2005年7月号

Vol.23 2005年7月号

ごあいさつ

こんにちは。大和薬品E-メールマガジン担当の本間です。
今年の梅雨は四国・九州では渇水、北陸地方では大雨、こちら関東では少雨で朝方雨でも昼には猛暑になるなど各地で梅雨の状況が大分異なっております。
天気予報をこまめにチェックし、お出掛け時はくれぐれもご注意ください。

ホームページもぜひご覧ください。

■スタッフボイス・・・つくば工場から現場の声をお届けします。
生産部生産課 加藤 智「品質の安定にベストな環境」

■ワールドヘルスレポート「音楽療法」

■健康豆知識「アンチ・エイジング(抗加齢)」

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■大和薬品(株)関連最新情報
◎国際バイオレオロジー学会・国際臨床レオロジー学会にて獨協医科大学・一杉正仁助教授がシンポジストを務め、NKCPに多くの関心が寄せられました。
◎新谷弘実博士『健康の結論―「胃腸は語る」ゴールド篇』が出版されました。
■健康お役立ち情報
【1】ストレスについて
【2】身体活動で乳がんの予後向上
■連載シリーズ…….第5回 気づいてますか?骨のSOS (最終回)
■編集後記

■大和薬品(株)関連最新情報

◎国際バイオレオロジー学会・国際臨床レオロジー学会にて獨協医科大学の一杉正仁助教授がシンポジストを務め、NKCPに多くの関心が寄せられました。

5月30日から6月3日まで中華人民共和国の重慶にて第12回国際バイオレオロジー学会 (12thICB)および 第5回国際臨床レオロジー学会(5thICCH)が開催され、「肺動脈血栓塞栓症」をテーマにしたシンポジウムが行われ、当社の共同研究先である獨協医科大学・一杉正仁助教授(法医学教室)がシンポジストを務めました。”突然死”を引き起こす「肺動脈塞栓症」について長年の研究実績を持つ一杉助教授は本シンポジウムで当社NKCPの新機能である「血液粘度低下作用」と血栓症予防に対する可能性について述べたところ、座長をはじめ欧米、アジア各国の出席者から多くの関心が寄せられました。
本学会は重慶市長も出席し、300名を超える専門家が集まるなど盛大なものとなりました。

◎新谷弘実博士『健康の結論―「胃腸は語る」ゴールド篇』が出版されました。

世界ではじめて大腸内視鏡によるポリープ切除に成功し、これまで日米30万人の内視鏡検査を行っている内視鏡の世界的権威・新谷弘実博士の健康・長寿メッセージ決定版がこのたび出版されました。
新谷博士は長年にわたる経験から、人には人相と同様に”胃相・腸相”があり、良好な状態を保つには食生活の見直しが重要であると述べ、予防医学を考えた食事の重要性を強調しています。
そのなかで食生活を補う有用なサプリメントとして「バイオブラン」「NKCP」が紹介されています。
また、本書にさきがけて発行された新谷弘実・新谷尚子共著の「胃腸は語る 食卓篇」(弘文堂発行)も9版を重ねロングセラーとなっています。

■健康お役立ち情報

【1】ストレスについて

現代社会を生きる上で、切っても切れない宿命のひとつが、ストレスです。
普通に日常生活を続けても、知らず知らず蓄積してしまう厄介な存在です。
ストレス(stress)とは、肉体的・精神的に外部から加わった刺激によって心身が受ける機能の変化のことですが、広辞苑は次のように定義しています。
種々の外部刺激が負担として働くとき、心身に生ずる機能変化。
ストレスの原因となる要素(ストレッサー)は、寒暑・騒音・化学物質など物理化学的なもの、飢餓・感染・過労・睡眠不足など生理学的なもの、精神緊張・不安・恐怖・興奮など社会的なものなど多様である。
目に見ることができないストレスですが、たとえば、点滅している信号の前で進もうか止まろうか迷うだけでも溜まってしまうといわれます。
強度のストレスは、場合によっては胃潰瘍や心筋梗塞などの症状を引き起こしたり、精神的に極めて不安定な状態になる原因となることがありますが、残念ながらストレスを全く溜めないで生活することは不可能です。
しかも、困ったことにストレスが過度に溜まると、もちろんそのこと自体も歓迎されませんが、暴飲暴食やタバコの吸いすぎなどの不摂生な生活に陥りやすく、これによって肥満や高血圧の体になり、心臓や肝臓の疾病やガンなどに罹りやすくなってしまいます。
とは言っても、ストレス=悪玉ではありません。
適度のストレスは、健康な緊張感となって生活の張りや能力の向上に結びつきます。
だらだらした生活を送らないためにもある程度の緊張感が必要ということでしょう。
最近、ストレスに関連して「精神神経免疫学」という学問が確立されました。
これは、ストレスが精神、神経から免疫系にも影響することにより、健康維持や発病、回復・治癒に関係していることが研究されたことによります。
心の状態が体の状態をコントロールするということで、これは昔から言われている「病は気から」という言い伝えを証明しているといえます。
ストレスを解消するためには、日常生活でくよくよしないとか、何か趣味を持てばいいとか、森林浴をすればいいとか、いろいろ言われています。森林浴については、森林の写真を見るだけでストレス解消の効果のあることが、つい最近の学会で発表されています。

【2】・・・海外統合医療ニュース

第17回 身体活動で乳がんの予後向上

身体活動(運動)を心がけると乳がんの予後が向上するというデータが、5月に米国で発表されました。「週3~5時間のウォーキング」に相当する身体活動で最大の効果が得られたというものです。研究の対象は、ステージⅠ、Ⅱ、Ⅲの乳がんと診断された約3,000人の米国女性。
2年ごとに質問紙を送り、活動の様子を尋ねました。
ひと口に身体活動といってもいろいろな種類があるので、その程度(エネルギー消費量)をウォーキング量(平均的ペースでの徒歩時間)に換算した上で、活動程度の低い順から
①1週間の徒歩時間が合計1時間未満
②1~3時間未満
③3~5時間未満
④5~8時間未満
⑤8時間以上――の5段階に分けました。
その結果、活動程度①のグループに比べて、②では乳がんによる死亡のリスクが20%減少していました。
同様に、③では50%、④では44%、⑤では40%、それぞれ減少していました。
特に、ホルモン感受性のある乳がんで明らかな差が出たことから、「女性ホルモンレベルの低下によるのかもしれない」と研究グループはとらえています。
さて、この種のデータの解釈で気をつけたいのは、「やればやるほどよいのか」という点です。今回も、歩く時間が長ければ長いほどメリットがあるという結果にはなっていません。
専門家と相談しながら、自分に合ったペースの身体活動を続けるのがよいでしょう。

出典・JAMA Vol.293、p2479-2486、2005

■連載シリーズ・・・第5回(全5回) 気づいてますか?骨のSOS
~骨粗鬆症の予防は寝たきりゼロへの第一歩~

【もくじ】
【1】 日本人の寝たきりの二大疾患は「脳卒中」・「骨折」
【2】 骨折を招く「骨粗鬆症」は自覚症状がないまま進行
【3】 骨粗鬆症予防のための栄養補給
【4】 カルシウムの吸収を助ける脂肪酸~γ-リノレン酸、EPAの組み合わせ
【5】 もっと詳しく・・・ガンマーリノレン酸とEPA

今回は最終回【5】をお届けします。
【5】もっと詳しく・・・ガンマーリノレン酸とEPA

脂肪酸の中でもビタミン類と同様、私たちの体内で作ることのできない脂肪酸を必須脂肪酸といいます。ガンマーリノレン酸は体内では必須脂肪酸であるリノール酸から合成され、いくつかの経路を経てプロスタグランジンへと変わります。リノール酸自体は植物油に多く含まれる成分のため、通常の食事で不足することはありませんが、リノール酸から体内でガンマーリノレン酸に変わるためにはある酵素が必要です。
しかしこの酵素の働きはさまざまな因子・・・肥満・糖尿病・高コレステロール血症・食品添加物・加齢・ストレス・体質などによって阻害されやすく、このような場合いくらリノール酸を摂取してもガンマーリノレン酸を必要なだけつくることができません。したがってこういった阻害要因を持っている方に必要なのはリノール酸ではなく、ガンマーリノレン酸ということになります。
ここで問題になるのはガンマーリノレン酸が自然界では限られた植物あるいは母乳にしか含まれていないことです。植物としては月見草の種子油に多く含まれており、継続的に摂取すると代謝経路のバランス調整に役立つことが明らかにされています。
一方、エイコサペンタエン酸(EPA)は、イワシなどの魚油に含まれる脂肪酸です。EPAも体内でホルモン様物質へと変換されます。
これらは血液の中の血小板が無用に集まるのを抑えて、血栓や動脈の収縮を抑制する働きがあることから血液の粘度低下・循環改善など心臓や血管のサポートに優れているといわれています。
これら脂肪酸は食物由来で他の多くの薬剤と比較しても安全性が高く、ガンマーリノレン酸を含む月見草の種子油とエイコサペンタエン酸(EPA)をある割合で摂取するとカルシウムの蓄積に役立つことが明らかにされています。今日ではこれらを配合したサプリメントも開発されているため、気軽に利用することができます。
食事で充分カルシウム補給を行うと共に、これらのサプリメントを利用して吸収を高め、健康維持に役立ててはいかがでしょうか。 【完】

■編集後記
先日、国立がんセンターがん予防・検診研究センターが「がんを防ぐ8つの指針」をまとめました。
同様のものとしては「がんを防ぐための十二か条」(同センター監修)が有名ですが、今回は数値が盛り込まれており、より具体的になっています。
その中で十二か条から消えた項目もあります。
例として「日光に当たりすぎない」があります。
日焼けは皮膚がんのリスクになりますが、逆に日射量が少ないと消化器がんになりやすいという報告もあり、今回の8つの指針には盛り込まれていません。
上手に日焼け対策をしながら適度な日光浴を取り入れたいですね。

皆様からのご意見・ご感想をお待ちしています。

次回の「e-健康かわら版」は8月10日配信予定です。
今後とも大和薬品株式会社をよろしくお願い申し上げます。

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