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健康かわら版

Vol.62 2008年10月号

ごあいさつ

こんにちは。メールマガジン担当の川上です。
今月もホームページでは遠藤先生や一杉先生の最新健康情報がご覧いただけます。
その他最新の健康アドバイスや健康豆知識など役立つ情報がございます。
今後ともよろしくお願いします。

大和薬品ホームページの連載健康情報

■ドクターからの健康アドバイス
◎病理医からみた一人ひとりのがん戦略 頭頚部がん(2)
(浜松医科大学第一病理 医学博士 遠藤雄三先生)

◎法医学ドクター健康情報
メタボリック症候群
3)メタボリック症候群から血栓症へ
(獨協医科大学法医学講座 准教授 一杉正仁先生)

■ワールドへルスレポート
◎ベビーブーマーが高齢化、米国で迫られるアルツハイマー症対策

■健康豆知識
◎色彩療法~色のパワーが心と体に影響を及ぼす

今月のメニュー

■大和薬品(株)関連最新情報
◎NPO法人日本食品機能研究会が、「健康フォーラム2008」を開催。
■統合医療新着情報【32】ピロリ除菌で胃がんが3分の1に
■編集後記~季節の変わり目にご注意~

■大和薬品(株)関連最新情報
◎NPO法人日本食品機能研究会が、「健康フォーラム2008」を開催しました。

特定非営利活動法人日本食品機能研究会(JAFRA)は、2008年9月21日(日)、東京・丸の内・東商ホールで「健康フォーラム2008」を開催しました
(後援:NPO法人セルフメディケーション推進協議会、日本生活習慣病予防協会、CMPジャパン株式会社 Medical Nutrition)。

今回は、「メタボリックシンドローム・正しい理解とその対策」をテーマにしたもので、この世界を代表する先生方が講演しました。
当社は、当初よりJAFRAの法人正会員としてその活動に協力してきましたが、今回も運営等全面的にバックアップしました。

「生活習慣病とメタボリックシンドローム」

池田義雄氏(日本生活習慣病予防協会理事長・医学博士)は、「生活習慣病とメタボリックシンドローム」と題して講演。
メタボリックシンドロームの源流にある肥満の割合(18歳以上でBMI25以上)は男性1300万人、女性1000万人を数えるとした上で、中高年者における肥満時に内臓脂肪型肥満は男女を問わず高血圧、糖尿病、血清脂質異常を誘導し、これらの重なり合いがメタボリックシンドロームを成立させると警告しました。

また、メタボリックシンドロームを呈するものでは心筋梗塞や脳梗塞などの死に直結する生活習慣病を招くほか、慢性腎障害(CKD)、高尿酸血症(痛風)、脂肪肝、さらには一部のガンの発症ともリンクすることから、これらは肥満とメタボリックシンドローム防止を主軸とした国民レベルでの一時予防への取り組みの重要性を強く示唆しました。

ダイエットが単に体重を減らすことと捉えられている現状を危惧し、この語源がギリシャ語の「生きざま(生活様式)」であることから、「食事療法、減食療法」という意味で用いられ、「望ましい食生活様式」として理解するのが正しいと糺しました。

メタボリックシンドロームを予防するための決め手となるライフスタイルについては、従来からの持論である「一無、二少、三多」と心得るのが適切であると強調しました。一無は禁煙。二少は少食(腹七、八分目)、少酒(飲める人でもアルコール量として20g以内)。
そして、三多は多動(積極的に運動をする)、多休(充分な休養・睡眠をとる)、多接(多くの人、事、物に接し、良い趣味を育み創造的な生活をする)を意味していると解説しました。
特定保健用食品(トクホ)に関しては、現在認可されている700超の商品の大半が食物繊維、乳酸菌、オリゴ糖関連であるが、血圧、血糖、体脂肪、コレステロール、中性脂肪に関連した健康表示のできる食品が次々と開発されていることから、これらを通常の食生活にプラスして有効利用することで、メタボリックシンドロームを含む生活習慣病の一次予防に役立てられるのではないかと、期待を寄せました。

「メタボリックシンドロームの食事療法」

済陽高穂氏(トワーム小江戸病院院長・医学博士)は、「メタボリックシンドロームの食事療法」と題して講演。
世界的に激増しているメタボリックシンドロームは、内臓脂肪蓄積を特徴として糖尿病、高血圧、脂質異常症などを惹起し、ひいては高度の動脈硬化症に発展して、狭心症・心筋梗塞や脳梗塞に至る重篤な病態といえると現状を分析した上で、栄養・食事の観点から検討すると、栄養過多・肥満に深く関連しており、これを生活習慣病と捉えて食事や日常生活の改変を行なうことにより、健康回復をさせる事実が蓄積されてきていると解説しました。

塩と脂の二重奏とメタボリックシンドローム・動脈硬化の関係についても触れ、まず、塩分の摂取により血液浸透圧が上昇して高血圧となるほか、リンパ液も高浸透圧となって内臓のリンパ流の増加を見るとし、加えて脂肪の多い食事では、脂肪分解産物であるカイロミクロンなどが小腸粘膜などからリンパ管へ盛んに吸収されやすくなり、高脂血症を招くとしました。

そして、内臓脂肪蓄積により肥大し大型化した脂肪細胞は、アディポネクチンの分泌能が低下するとともに、TNFなどを分泌するため、骨格筋でのインスリン感受性が低下し、高血糖をきたし、また、高脂血症での過剰な酸化LDLは毒性物質であり、この排除のために血管壁マクロファージが動員され、LDLをとりこんで泡沫細胞となって死滅し、血管壁に粥状腫として沈着するといったデータから、高塩分・高脂肪食が、内臓脂肪型高脂血症、糖尿病、高血圧症、動脈硬化症の誘因になっていることを示唆しました。

メタボリックシンドローム治療の最も有効な方法として、食事の改善をあげ、ゲルソン療法を取り上げました。その骨子として、塩分、動物性(アニマル:四つ足)脂肪・蛋白制限と、自然食すなわち大量の野菜・果物ジュース(カリウムとポリフェノール)、豆と芋(ビタミン類その他)、海草(ヨード)、各種消化酵素成分(ジャスターゼやパンクレアチン、果物の蛋白・脂肪分解酵素)の摂取であり、人体での栄養物の吸収や代謝を正常化し、免疫能を高めて自然治癒に導くものであり、十数年にわたる経験からも、進行がんで60%超、リウマチや潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患、メタボリックシンドローム患者において約8割の有効性を見ているとしました。

栄養、代謝療法等の世界の潮流として、難病性疾患であるガン、自己免疫性疾患、メタボリックシンドロームなどが、食事と生活習慣の改変によって相当程度治癒に向かう知見が得られているとし、アメリカが「デザイナーフーズ計画」によって1992年以降ガン死亡が逓減したことを引き合いに出し、日常の丹念な診療ときめ細かな生活指導によって治療効果が期待できると結論付けました。

「胃相・腸相から見たメタボリックシンドローム」

掛谷和俊氏(半蔵門胃腸クリニック理事長・医学博士)は、「胃相・腸相から見たメタボリックシンドローム」と題して講演。
人にはそれぞれ人相があるように、胃や腸にも人相(顔)があり(「胃相・腸相」=新谷弘実アルバートアインスタイン医科大学教授が提唱)、10数万人の胃腸内視鏡検査の経験から、胃相・腸相が人の健康に密接に関係していることを目の当たりに見、とく胃相・腸相が悪いと循環器疾患との関係が極めて密接であることがわかったとしました。

肉食(動物性蛋白)とか暴飲暴食、アルコール、タバコといった悪い生活習慣を続けていることや、さらにストレスが加わったりすると、胃や腸に負担がかかり、胃の粘膜障害や活動能力の低下を招き、これが悪い胃相の原因になること。同様に、腸についても、悪い生活習慣が腸相を悪くすると指摘しました。

従来の患者の中で、胃や腸のガンは切除によって完治したにもかかわらず、意外と早く亡くなる人があり、その原因が心筋梗塞や脳卒中など循環器疾患である場合が多いことをあげました。

胃相・腸相が悪いと、メタボリックシンドロームをはじめ、脳卒中の原因となる頚動脈硬化症や虚血性心疾患を引き起こしやすいということもあり、いままでの臨床経験から、胃相・腸相と循環器疾患との関係を推察し、対象の患者を人間ドックで検査し、相関関係を調べた結果、大腸疾患では、ポリープ、憩室症、それから腸の粘液がねばねばと脂っぽかったり、腸壁に便汁がこびりついているような症状が見られたとし、腸相が非常に悪い人については、メタボリックシンドロームに罹りやすい(77%)ことがわかったと示しました(対象は28.5%)。

血栓の予防については、数種類のサプリメントが市販されており、中には効果や有効性が証明されているものもあり、今後はエビデンスや安全性などについて高いハードルはあるものの、メタボリックシンドロームについても、サプリメントが重要な役割を果たすのではないかと、期待を表明しました。

「血栓症を予防するために」

一杉正仁氏(獨協医科大学法医学講座准教授・医学博士)は、「血栓症を予防するために」と題して講演。
血栓症は、虚血性心疾患や脳卒中の原因であり、わが国の死因の約30%に関与していることから、この血栓症の病態解明と予防対策の推進が現代社会の大きな課題であると提議しました。

長時間飛行機に乗った直後に発症する、いわゆるエコノミークラス症候群(旅行者血栓症)と呼ばれる肺動脈血栓塞栓症は、長時間の座位が大きな原因であり、この症状については、危険因子を有する人、すなわち、肥満や糖尿病などの生活習慣病患者、心疾患、外傷、血栓症あるいは手術の既往がある人などは、とくに予防に留意すべきと指摘。旅行者血栓症に関する報告を引き合いに出し、9割以上の患者に何らかの危険因子が認められたとし、長時間の座位を余儀なくされる場合には、こまめに足を動かし、静脈還流を良好に保つことで静脈血液の粘度上昇を防ぐ必要があるとアドバイスしました。

血栓症の予防については、日常の生活習慣、とくに食生活に注意して血液の流れを良好に保つことが第一とし、日本の伝統食品である納豆が有効であると強調しました。

■統合医療新着情報
【32】ピロリ除菌で胃がんが3分の1に

ちょうど2年前のこのコーナーで(e-健康かわら版vol.38)、「ヘリコバクター・ピロリ(胃に生息する細菌)に感染していると胃がんになるリスクが10倍に上昇する」との話題に触れました。
その時は、「薬によるピロリ菌の駆除(除菌)が胃がんの発生を抑えるという確固とした証拠はまだありません」と書きましたが、ついにこの8月、除菌の有効性を示すデータが出て、事態は大きく進展しました。
研究は、早期胃がんを内視鏡で取り除いた505人が対象です。2つの群に分け、一方のグループには抗生物質など3種類の薬を7日間飲んでもらって除菌をし、もう一方のグループは除菌しませんでした。
両群を3年間追跡したところ、除菌群は2次胃がん(元の場所以外での胃がん発生)のリスクが3分の1に減少していました。
もうお気づきでしょうが、今回の試験はすでに胃がんになっている人が対象なので、次は「ピロリ菌に感染しているけど胃がんはまだ大丈夫」という人の胃がん発生を抑えられるかどうか――に焦点が移っていくでしょう。
それから、現時点では、ピロリ除菌療法に健康保険が効くのは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のみで、胃がん予防目的には認められていません(全額自己負担になります)。こうした制度上の扱いがどうなるかも注目です。

出典 Lancet Vol.372 p.392-397、2008

■編集後記
最近急激に寒くなってきました。
これは秋雨前線によるものですが、夏から秋に季節が移り変わる際、真夏の間本州一帯に猛暑をもたらした太平洋高気圧が南へ退き、大陸の冷たい高気圧が日本海や北日本方面に張り出すものです。
この性質の違う2つの空気がぶつかる所は大気の状態が不安定になり、秋雨前線が発生します。梅雨前線と同じく、前線を挟んで夏の空気と秋の空気とが押し合いをしているため、前線は日本上空を南下したり北上したりして、長雨が続きます。そして気温が下がっていきます。

こうして夏から秋に変わるわけですが、季節の変わり目は風邪を引きやすいとよく言われます。
なぜ風邪を引きやすくなるのでしょうか?
そこには人間の機能に秘密が隠されています。

平熱という言葉があるように人間は体内環境を一定に保つ働きを持っています。
この働きを「恒常性:ホメオスターシス」と言いますが、これは脳の中にある、「視床下部」と言うところで調節されています。
季節の変わり目で風邪を引きやすいのは、外部の変化の激しさにこの視床下部が対応しきれなくなって、自律神経やホルモンなどにすべて影響を及ぼして、身体の抵抗力が弱まって風邪を引いてしまうからです。

抵抗力が弱くなると言うことは外から異物が容易に体内に侵入してしまうということにつながります。

意外かも知れませんが、風邪の原因となるものは「細菌」ではなく全て「ウイルス」です。ウイルス自体はなかなか薬でやっつけることができません。
エンベロープと言う膜に包まれたDNAもしくはRNAがウイルスですから中には生命体ではなく、物体であると言う科学者もいます。ですから特効薬がないのです。

以前は「風邪の特効薬を発見すればノーベル賞が取れる」と言われたのも納得できます。

やはり、季節の変わり目だけではなく、常に健康でいるためには常日頃から免疫の調節をしておくことが重要であると言うことです。

来月も引き続き国内外の展示会情報やコラムをお届けしてまいります。
今後とも宜しくお願い申し上げます。

皆様からのご意見・ご感想をお待ちしています。

次回の「e-健康かわら版」は11月10日配信予定です。

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