ナットウ菌産生タンパク質食品の
in vivoにおける内因性血栓溶解作用

         

Phathophysiology of Haemostasis and Thrombosis 2003, 33:138-143
T. Yamashita, E. Oda et al.

本試験では、0.2% もしくは1%のNKCPを経口摂取したマウスに人工血栓を形成し、NKCPの血栓溶解作用を実験的動脈血栓モデルで検討しました。

マウスに0.2%もしくは1%のNKCPを添加した標準食餌を14週間継続して与えた後に、腸間膜微小血管にレーザー光を照射して人工血栓を形成しました。その後、画像解析ソフトを使用して、人工血栓作成時から経時的に血栓の大きさの変化を測定し(図)、NKCPの血栓溶解作用を評価しました。
その結果、血栓溶解を反映する血栓の大きさは、60分後に対照群では 試験開始時の82%でしたが、0.2%のNKCPを与えたラットでは67% に、1%のNKCPを与えたラットでは51% にそれぞれ縮小し、NKCP経口投与群では、対照群と比較して、明らかに内在性の血栓溶解活性が用量依存的に促進されました。その作用は組織プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)0.2mg/kgに相当しました。

図. ソフトウェアImage Pro Plus を使用した血栓の大きさの評価


上段の画像は0 時間目、下段は60 分後に作成した画像。
血栓の大きさ=IODn÷IODo。IODn=血栓溶解中の各時点におけるIOD; IODo= 血栓安定直後のIOD。



本編は論文掲載のデータを一部改変しております。