放射線化学療法は、白血球数の減少を伴い、感染症リスクの上昇やQOLの低下が問題となります。本研究では、二重盲検無作為化比較試験を実施し、バイオブランが放射線化学治療による副作用を低減するのか実験的な検討を行いました。
放射線化学療法を受ける頭頚部癌患者65名に、バイオブランもしくはプラセボを摂取してもらい、貧血、白血球減少症などの副作用や、QOLの向上について評価しました。バイオブランとプラセボは、放射線化学治療の2週間前、治療中、治療後2カ月間にわたって、3g/日を毎日摂取しました。
バイオブランを摂取した群では、放射線化学治療の2カ月後のヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球数、血小板が有意に高く(表1、表2)、体重減少が少ないことが明らかになりました。また、QOLについても、バイオブラン群で有意に高い値が確認されました(表3、表4))。これらの結果から、バイオブランは放射線化学療法による副作用を改善することが明らかになりました。
表1 放射線療法前、放射線療法中、および放射線療法後の全血球数
表2 放射線療法前、放射線療法中、放射線療法後における患者の白血球分画数
表3 患者の平均QOLスコア
表4 臨床結果
本編は論文掲載のデータを一部改変しております。