HOME > 新着情報 > ワールドヘルスレポート > テレビの見すぎは要注意

  • 新着情報
  • ニュースリリース
  • ワールドヘルスレポート
  • 発表会・講演会・研究会

新着情報

ワールドヘルスレポート

2022年1月号記事 vol.212

テレビの見すぎは要注意

2022年2月 WHR新しい連続ドラマを見始めたら次から次へと見続けてしまい、気が付けば何時間も経っていた。そんな経験のある人は少なくないのではないでしょうか。コロナ禍で外出を控え、テレビを見る時間が長くなってしまった方もいらっしゃるかもしれません。今回は、テレビの見すぎによる健康リスクを海外の研究からレポートします。

長時間のテレビ視聴で血栓リスクが上昇

長時間にわたってテレビを視聴するなど体を動かさない時間が長引くと、静脈血栓塞栓症(VTE)発症のリスクが35%上昇する可能性のあることが、英ブリストル大学のSetor Kunutsor氏らの研究から明らかになりました。この研究結果は、「European Journal of Preventive Cardiology」において2022年1月20日に発表されました。

VTEは、ふくらはぎや太ももなどの下肢に血栓ができる深部静脈血栓症(deep venous thrombosis: DVT)と、できた血栓が血流に乗って流れ、肺の動脈を塞いでしまう肺動脈塞栓症(pulmonary embolism: PE)を合わせた疾患概念です。Kunutsor氏らは今回、テレビ視聴とVTEの関連について調べるため、13万1,421人(平均年齢54〜65歳)のデータを含む3件の研究を対象にメタアナリシスを実施しました。その結果、1日に4時間以上テレビを視聴していた人では、テレビをほとんど、または全く視聴していなかった人と比べて、VTEリスクが35%高いことが示されました。これらの関連は、年齢や性別、BMI、身体活動とは無関係に認められたということです。

Kunutsor氏は、「われわれはテレビの前で過ごす時間を制限すべきだ。長時間にわたってテレビを見るときは、視聴を中断して定期的に体を動かし、血液の循環を促すべきだ」と指摘しています。また、テレビ視聴に限らず、座ったままで長時間過ごすことはVTEリスクにつながる可能性があることから、同氏は、「パソコンの前で長時間にわたって作業する必要がある職業に就いている人は、時折立ち上がって動き回ると良いだろう」と助言しています。

米バーモント大学のMary Cushman氏は、「テレビの視聴時間が長い人は、VTEのリスク因子となる肥満や過体重の人が多い可能性がある。ただ、研究では体重を調整して解析が行われており、調整後も長時間のテレビ視聴とVTEに関連が認められた。そのため、体重はこの研究結果に影響を及ぼしていないと考えられる」と述べています。また、「座位時間が長時間に及ぶと下肢からの血流が低下し、VTEの要因となる可能性がある。血流が低下すると血栓が形成されやすくなるからだ」とも述べています。

Cushman氏は、さらなる研究を重ねる必要性に言及しながらも、今回の研究結果から学ぶべき重要な点として、「長時間にわたってテレビを見たいのなら、頻繁に中断して歩いたり、ストレッチをしたりするべきで、お菓子を食べながらテレビを見るべきではない」と話しています。
Photo Credit: Adobe Stock

 | インデックス |