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2021年6月号記事 vol.205

人生の目的と健康的生活習慣

WHR 2021年7月 生きる目標人生の目的と健康的生活習慣に有意な関連―健康管理士対象の調査

人生の目的がしっかりしている人ほど、日々の生活を健康的に過ごしていることが埼玉医科大学総合診療内科の廣岡伸隆氏らの研究(「BMC Public Health」2021年4月29日)で明らかになりました。著者らはこの結果から、「生活習慣が健康的であるということは、人生に明確な目的があるということでもある」と記しています。

廣岡氏らの研究は、国民健康・栄養調査と同様の広範な質問項目によって生活習慣を総合的に評価した上で、人生の目的意識との関連を検討したものです。 検討の対象は、日本成人病予防協会認定の健康管理士の有資格者であり、ヘルスリテラシーの高いことが見込まれる集団。生活習慣は、体重管理の意思、運動・飲酒・喫煙習慣の有無、食品の栄養成分表示ラベルを確認するか、バランスの取れた食事をしているか、運動を心がけているか、ストレスの程度、休息・睡眠の満足度などの11項目をスコア化して評価しました。また、人生の目的意識の評価には「生きがい意識尺度」を用いました。
その結果、生活習慣スコアの上位2分の1に該当する群の生きがい意識尺度スコアは35.3点だった一方、下位2分の1に該当する群の生きがい意識尺度スコアは31.4点であり、より健康的な生活を送っていると考えられる群の方が高スコアでした。また、生きがい意識尺度のスコアが高いほど、生活習慣スコアも高いという、正の相関が認められました。この結論として著者らは、「人びとの健康啓発に関与する健康管理士というヘルスリテラシーの高い集団において、健康的な生活習慣は人生の目的意識と関連していることが示された」と述べています。

目標があれば長生きできる

また、同様に少し過去の研究になりますが、人生に目標があると感じていると長生きできる可能性が、カナダ、カールトン大学のPatrick Hill氏らの研究(「Psychological Science」オンライン版/2014年5月8日)でも示唆されています。

Hill氏らは、6,000人強を対象に、人生の目標や社会とのつながりについて質問し、そのデータを分析しました。その後、14年間の追跡調査を行った結果、追跡期間中に死亡した約9%の人は生存者に比べて、人生の目的意識が低く、良好な人間関係が薄いと感じていると報告しました。また、若年、中年、高齢者すべての年齢層で、人生の目的意識が高いほど死亡リスクが低かいことが明らかになりました。Hill氏は、「今回の結果は、人生の方向性を見つけ、達成目標を設定することが寿命を伸ばすのに役立つという事実を示している。人生の方向性を早く見つけるほど予防効果が早く現れる可能性がある」とも述べています。

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