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ワールドヘルスレポート

2021年5月号記事 vol.204

オンラインコミュニケーションの注意点

WHR 2021年6月コロナ禍で、職場やプライベートで、オンラインでのコミュニケーションやSNSの活用の機会が増えたのではないでしょうか。今回はZoom疲れやSNSの注意点について、海外からのレポートをご紹介します。

「Zoom疲れ」しないために大切なものとは?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック中にZoomなどを使ったWeb会議が急増し、多くの人に「Zoom疲れ」と呼ばれる症状が生じています。そんな中、Web会議への参加者がチームへの帰属感を感じることにより、そのような疲労感を軽減できる可能性があるとする研究結果が報告されました。米オールドドミニオン大学のAndrew Bennett氏らによるこの研究は、「Journal of Applied Psychology」2021年3月号に発表されました。

Bennett氏らは、法律事務や金融、エンジニア、医療、教育、情報テクノロジーなどさまざまな職種の労働者55人(平均年齢33.60歳、男性58.2%、白人72.7%)に対して、月曜から金曜までの5日間にわたり、1日に9回、1時間ごとに、Web会議に関する調査を行いました。調査対象者のWeb会議に関する見解としては、「精神的に負担になることがある」や「会議への参加にはうんざりしている」「会議後にものすごく疲れる」など、対象者間からさまざまな意見が聞かれました。また、Web会議が何ら苦にならないと回答した対象者はわずか7%に過ぎませんでした。

今回の知見に基づき、研究グループはWeb会議後の疲労感の軽減に効果がある対策として、次の4つを提案しています;1)午後の早い時間に会議を開く、2)参加者の帰属意識を高めるために、雑談をする時間を設けたり、個人的な関心ごとについて話せるブレイクアウトルームを作る、3)カメラ機能をオンにしておくのかどうかや、会議中に他の作業は控えるなど、Web会議へ参加するにあたっての決まりを作る、4)スクリーンから視線を外し、立ち上がって歩き回るための休憩を挟む。

Bennett氏は、「Web会議が便利なことは分かっている。Web会議では、対面よりも感情に関わることなど、言葉だけでは推し量れない情報が手に入る。だからといって、会議は全てWebでやるべきだということにはならない。電話や電子メールの方が効果的で効率的なことだってある」と述べている。

ソーシャルメディアは気分の落ち込みの助けにはならない?

また、友人や親族と直接会う機会がなかなか持てないなか、コミュニケーションツールとして、SNSを活用する機会も増えているのではないでしょうか。

しかし、気持ちを奮い立たせてくれる言葉や励ましの言葉を求めているのであれば、ソーシャルメディアを介したオンラインでのサポートよりも対面でのサポートを受けた方が効果的であることが、約400人の大学生を対象とした調査データに基づく研究から明らかになりました。米ミシガン州立大学のDar Meshi氏と米デラウエア大学のMorgan E. Ellithorpe氏によるこの研究の詳細は、「Addictive Behaviors」2021年8月号に発表されました。

Meshi氏らは、18~38歳の男女403人(平均年齢20.25歳、女性63.3%)を対象にオンライン調査を実施し、ソーシャルメディアを介した社会的サポートがメンタルヘルスの向上につながるか否かについて検討しました。その結果、ソーシャルメディアを介した社会的サポートは、抑うつや不安、孤立感を抱える人たちに対して悪影響を及ぼすことはないが、助けにもならないことが判明しました。これに対して、対面で社会的サポートを受けた学生では、抑うつや孤立感、不安の軽減が認められました。

この研究には関与していない、米ジョージ・メイソン大学のJames Maddux氏は、「サポートされていると実感できるかどうかは、相手が真に自分のことを理解してくれているかどうかによるところが大きい」と話し、「オンライン上、あるいはバーチャルなやりとりでは、相手の行動の細かな部分まで観察できないのではないか」と指摘します。その上で同氏は、「相手が何を伝えようとしているのかは、言葉だけではなく、話し方や表情などの微妙な手掛かりによって、真に理解することができる。そのような微妙な手掛かりを与えたり受け取ったりすることで有効なコミュニケーションが成立し、サポートを必要とする人たちが、実際にサポートされていると感じることができるのだ」と説明しています。

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