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健康人生101年のための栄養と食事

日本人の平均寿命は伸び続け、「人生100年時代の到来」と言われます。今回は2020年9月2日に実施された「ヘルスSHIFT100日本発!世界へ広げるレジリエンスな健康社会」から、特別講演「健康人生101年のための栄養と食事」(公益社団法人日本栄養士会会長/神奈川県立保健福祉大学学長 中村丁次氏)の講演をご紹介します。

健康人生はなぜ「101年」か?

「人生100年時代」と言われますが、なぜ「健康人生は101年」なのでしょうか。それは、近年の研究で、健康な人生を送るには胎児の栄養から考える必要があり、「生まれて100年+胎児期10ヵ月=健康人生101年」であると中村氏は指摘します。
英国での大規模調査によって、胎内環境が将来の健康を決定し、低体重児でも過体重でも生活習慣病のリスクは高くなることが明らかになりました。したがって、母親の妊娠中の栄養は、新生児とその後の一生に影響を与え、母体の低栄養は低栄養児の脳・神経系の未発達、生活習慣病へ進展してしまうと考えられています。皮膚や筋肉、骨、内臓、生殖器など、ほとんどの器官や組織が、受精後4~8週間(妊娠6~10週)で形成され、ずば抜けた速さで成長し、身体の基本構造が決定されます。近年、過激なダイエットによる若年女子のやせが問題になっていますが、健康な人生を送るためには、胎児の栄養から考える必要があるのです。

COVID-19と栄養

新型コロナウィルスに対する感染症対策の基本として、感染源に近づかないために身体の距離を保つことと併せて、生体の抵抗力をつけるために免疫力を高めることの必要性が指摘されており、このことから栄養に対する注目が高まっています。免疫機能には様々な栄養素が関係しており、全てをバランスよく摂取することが大切です。COVID-19は、高齢者や低栄養者に発症率が高い一方で、肥満者は悪化リスクが高くなり、重症化する患者数は約2倍に上ると言われています。BMIが高値になるほど緊急入院の頻度やICU入室頻度が増大し、英国ではICUの入院患者のうち、72%が肥満傾向にあることが明らかになりました。これらのことから、COVID-19感染症対策には、ワクチンや治療薬の開発だけではなく「健康な社会をつくっていく」ことも大切であることが、明らかになりました。

肉食、菜食、魚食の比較

オックスフォード大学の研究で20歳以上の成人男女4万8,188人を比較し、肉食、菜食、魚食を中心とする人をそれぞれ18年以上追跡したところ、肉食は、魚食や菜食に比べて虚血性心疾患のリスクが増大し、肉や魚を食べない菜食は、脳出血のリスクを高めることが明らかになりました。つまり、極端な菜食や肉食は、いずれも健康に悪影響と考えられます。結論として、ご飯と魚介類を中心として、野菜、果物、豆類、牛乳・乳製品、発酵食品を意識的に摂取すること、つまりバランスの取れた日本食が望ましいと言えるでしょう。