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がまんしてはいけない関節の痛み~膠原病・リウマチの早期発見と治療

歳を重ねると、「何となく、関節が痛い…、でもたいしたことないから…」と、そのままにしてしまっている経験はありませんか?ただの加齢による痛みであれば問題ないのですが、膠原病やリウマチのような深刻な疾患が潜んでいる場合もあります。今回は、2020年7月30日に実施された千葉西総合病院 オンライン医療講演会「がまんしてはいけない関節の痛み~膠原病・リウマチの早期発見と治療~」(上坂等/千葉西総合病院 膠原病リウマチセンター長)をもとに、関節の痛みについてお話します。

膠原病/リウマチをなぜ分けるようになったの?

かつては、リウマチ、膠原病のいずれも良い治療方法がありませんでした。しかし近年になり、関節リウマチには新治療薬が続々と出てきて、早期発見をして、適切に治療をすれば元通りに生活ができるようになりました。そのため、現在では関節リウマチは「痛みを我慢してはいけない病気」となり、専門医による進んだ治療を受ける方が良いと、上坂氏は指摘します。

一方で、膠原病の「膠原」は、「コラーゲン」の日本語訳です。膠原病は、体内に広く存在するコラーゲンに炎症が起きる病気で、米国のクレンペラーが、身体のコラーゲン繊維の不調が原因と考えた病気をまとめて「膠原病」と名付けたものです。

膠原病の成り立ちと症状

膠原病の原因は、強すぎる免疫力と言えるでしょう。免疫力は、本来体内に侵入した細菌、ウィルス、カビなどの病原体やがん細胞を攻撃するものです。この免疫力が自分を誤認攻撃することから攻撃部位に炎症が起こり、身体の不具合となるものが膠原病です。そのうち、関節が主な攻撃部位となるものが、関節リウマチです。初めの症状は、必ず腫れて痛み、関節をくるむ滑膜が絨毬の毛のようになります。変形する前に治療することが大切であるため、早期の検査と診断が大切です。ただし、膠原病は症状が似ている疾患が多くありますが、いずれも治療法が異なるため、「膠原病か/他の病気か」という正しい診断が必要です。特に内科系の疾患に似た症状のものが多いため、なるべく早期に内科医による適切な検査と診察を受けることが大切です。

リウマチの痛みと治療

リウマチの場合、炎症によって滑膜だけでなく関節の骨・軟骨がダメージを受けます。現在は、鎮痛薬、副腎皮質ステロイド、抗リウマチ薬などで治療を進めますが、治療をしても、一度破壊された骨・軟骨は元には戻りません。鎮痛剤と副腎皮質ステロイドを投与すると、すぐに痛みは治まりますが、痛みを和らげるだけで関節破壊に効果はありません。抗リウマチ薬は、関節破壊を抑える効果がありますが、効き始めるまでに2~3ヵ月かかります。そのため、骨・軟骨のダメージが進んでしまう前に、早期に治療を開始することが何よりも大切なのです。「痛み」を感じたら、我慢してしまわずに早めに診察を受けるようにしましょう。