Vol.186–2019年2月号

Vol.186–2019年2月号

今月のトピックス

■免疫が機能するために欠かせない要素
1) 血流が悪くなる本当の理由
野口 勇人氏 (内科医・産業医)
今月から、新しいシリーズが始まります。昨今、免疫という言葉をよく耳にしますが、免疫の分野でノーベル賞を受賞する研究者が続々と登場するほど、現在はいわば「免疫ブーム」の状態です。このシリーズでは、免疫の機能とそのために欠かせない要素についてわかりやすく解説します。

■ワールドヘルスレポート
トイレの「足置き台」が便秘解消に有効か
便秘は、不快なだけでなく様々な健康不良を引き起こします。今回は、米国の最新の研究から、便秘症と腎疾患の関係、そして便秘症の改善についてお話します。

■健康豆知識 健康の温故知新
109) 「フレイル」ってなに?~自立した老後を過ごすための予防、診断、対策~
③ 社会的側面からみたフレイル~外出と交流のススメ~
最近よく聞かれるようになった「フレイル」とは、加齢とともに心身の活力が低下し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの危険性が高まった状態です。2018年11月28日に実施された「第152回老年学・老年医学公開講座 『フレイル』ってなに?~自立した老後を過ごすための予防、診断、対策~」に基づいて、3回にわたってお話します。

気になる旬の食材

きんかん

梅のつぼみがほころぶ季節となり、春の訪れが待ち遠しく感じつつも、なお厳しい寒さが続きます。ニュースでもインフルエンザの流行や空気の乾燥が報道されています。
のどの痛みが気になるときに、思い出す食品の一つがきんかんではないでしょうか。きんかんは、日本へは薬として鎌倉時代末期に渡来し、「風邪が流行るとキンカンが売れる」と昔から言われ、のどの渇きを止め、炎症を静めて、咳、痰、扁桃炎などを改善する風邪の妙薬として利用されてきました。これは、ビタミンC、 B1、B2、E、ヘスペリジン(ビタミンP)、カルシウムを豊富に含み、非常に栄養価が高く、免疫力を高め、血管や粘膜を強化して風邪ひき予防に役立つことが確かめられているからです。
今でも風邪をひいたときに、蜜煮にしたきんかんに熱湯を注いで飲む民間療法があります。おせち料理にも蜜煮のきんかんが添えられますが、冬に多いインフルエンザや風邪を予防するための先人の知恵だと言えるでしょう。きんかんは皮ごと食べられるのが特徴で、皮に実を上回る有効成分が含まれています。甘露煮やはちみつ漬けなどは、皮ごと食べられる理想的な調理法です。また、きんかんは色が鮮やかなので、そのままスライスしてオリーブオイル、塩、コショウで味付けし、お刺身やお野菜とマリネにしても、彩がきれいで美味しい一品となるでしょう。ほのかな苦みと甘みが美味しいきんかん、ぜひ体調管理に活用してみてください。

次回の「e-健康かわら版」は3月15日頃配信予定です。

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