乳房は哺乳類の特徴ともいうべき大切なしるしです。つまりこれなくして哺乳類とはいえないわけですから。赤ちゃんを胎内に宿して、トツキトウカ(約10ヶ月)ののちに赤ちゃん誕生。乳房は絶妙なホルモンコントロールのもとにお乳をつくりだして赤ちゃんを育てていきます。
多数のホルモンによるコントロールが乳房の運命を決めているのです。そのなかで女性ホルモンのエストロゲンは細胞を増やす力が強く、これ無しにはお乳をつくる細胞を増やすことができませんし、ふくよかで魅力的な乳房にもならないわけです。しかしこれが乳がんを発生させる悪者ともいえるわけで、乳がん戦略にとってやっかいなことになります。
もうひとつの女性ホルモンであるプロゲステロンはお乳をつくりだすのに重要であり、これも乳がん発生にかかわります。つまり乳房がはたらくために女性ホルモンときっても切れない関係にあり、他方で女性ホルモンはがん発生にも欠かせないわけです。
女性ホルモンは普通卵巣からつくられますので、乳がん発生には卵巣のはたらきと密接にかかわっています。卵巣のはたらきがなくなる閉経とともに乳がんの性質や治療法が異なってくることになります。その際、ふくよかさを保っているはずの乳房をはじめとする女性のからだ全体の脂肪細胞が重大なリスクとなります。
したがって脂肪分を食べ物からとったり、カロリーの豊富な食べ物に気をつける必要がでてくるわけで、次のようなことが勧められることになります。
牛豚肉、乳製品が好きで、野菜や果物のきらいな家庭では、乳がんにかかるリスクが高くなります。牛豚肉の焦げ目、焼き魚の焦げ目や燻製には発がんにかかわる物質が潜んでいることがわかってきています。ご自身に問いかけて、これらの好きな方々は40歳を目安に乳がん検診を積極的に受けるべきでしょう。
さらに初潮の早かった方、初潮から閉経までの長かった方、妊娠や出産をしなかった方はリスクが高いと考えます。また、さきに述べたように肥満体質の方もリスクが高く、その目安として体格指数(*)があります。体格指数から理想体重の20%より多い方も、検診の必要性を頭の隅におかれるとよいでしょう。
乳がんリスクが低いとおもわれる方々は、牛豚肉や乳製品のとり方が少なく、大豆製品や野菜や果物を多くとり、理想体重に近い方でしょう。これらにあてはまるとしても50歳をめどに一度検診をうける心がけが必要でしょう。
*体格指数は身長(メートル)の二乗で体重(キログラム)を割ります。目安として20-24が中肉中背です。160センチメートル70キログラムの人は、70/1.6x1.6=27.3で肥満となります。
北米では乳がんにかかる割合の増加に歯止めがかからず、国をあげていわゆる「流行病」と名づけてがん予防運動が進められています。日本人女性の乳がん罹患率も右肩アガリでたいへん憂慮すべき傾向です。西洋食が乳がんと密接にかかわっていることはどうも確かなようです。西洋食にふくまれる豊富な脂肪分が乳がん発生とかかわります。脂肪といいましても内容がさまざまです。
以下にひとつの目安をおしらせしましょう。
バターやラードといった動物性脂肪を減らし、植物性脂肪の割合をふやす必要があります。心臓病と脳血管障害を予防するために、中性脂肪とコレステロール減量キャンペーンは有効でしょう。しかし、植物性脂肪にもたいへん問題のあることがわかってきました。
サラダドレッシング、調理用油、マーガリン、ショートニング用の植物油には、中性脂肪やコレステロールは少ないことは知られています。植物油に含まれる脂肪酸の内容として、人工的なトランス脂肪酸の消費量が心臓病あるいは乳がん罹患率と相関するという報告がみられます。
こうした事情から、FDA(米国食品薬品局)はトランス脂肪酸の含有量表示や健康被害表示を義務づけられています。北米ではトランス脂肪酸なしのマーガリンが売りだされています。また、昨今の北米の脂肪事情で目立つ点はオリーブオイルのブームでしょう。これに含まれる良質な脂肪酸とスクワレンが注目されています。
つまり脂肪酸にもコレステロールと同様に善玉と悪玉があり、調理に気を使う必要があるわけです。つまりサラダドレッシング、マーガリン、白い食パン、ケーキ、ビスケット、スナック、アイスクリームなどに含まれる脂肪の内容を考慮すると、牛豚肉と同様にひかえていくべき食べ物といえましょう。
日本女性の乳がん罹患率が北米に比していまだに低い理由として、大豆食品の嗜好性があげられます。大豆にはさまざまながん予防にかかわる物質が含まれています。その代表格としてイソフラボンという物質があり、とくにゲニステインは強力な植物エストロゲンであり、もともとのエストロゲンのもつ細胞をふやすはたらきを抑えることが知られています。
植物エストロゲンのほかにさまざまながんを抑える成分が、豆腐、納豆、味噌汁、厚揚げ、きな粉など日本固有の大豆製品にふくまれており、がん予防に役立てていただきたいです。
乳がん検診には、乳腺触診法、乳腺撮影法(マンモグラフィーや高感度のデジタル マンモグラフィー)、放射線を使わない超音波検査や核磁気共鳴法(MRI)があります。それぞれの方法には一長一短があります。乳腺自己触診法とは、たとえばソファーか布団の上に仰向けに寝て、指ではなく手のひら全体でやわらかく乳房を圧するようにしてみましょう。ゆっくりと円を描くようにさすってみる。もし小さくてもしこりがあるのなら、恐れず恥かしがらずに乳がん検診をうけることをお勧めします。
つい最近、米国国立がん研究所の調査結果が報告されました。これによると、上海における中国人女性の乳房自己触診が早期乳がん発見には役に立たなかったとあります。アジア人女性と北米白人では乳房の大きさの差は歴然としていて、乳房が小さい方が早期発見しやすいことが予想されます。乳房自己触診法が早期乳がんの発見に役立たないという結果ですが、とりあえず試みるべきでしょう。
また、今回の結果は、定期的なマンモグラフィーや乳房超音波検査の必要性が注目される結果となりました。マンモグラフィーという検査法は婦人に苦痛を与えてしまう結果が多く、MRIが推奨されます。
乳房にしこりを触れたり、分泌物でブラジャーが汚れるようなことがあったら、ためらわずに乳腺専門の医師あるいは外科病院に受診することをお勧めします。女医さんによる専門クリニックが増えてきていることはよい傾向といえましょう。そこでは、画像誘導による乳腺内腫瘤生検が行われます。
また定位固定法による生検は、部位の特定がより正確となります。しこりに針を刺して一部をとったり(針生検)、試験切除して病理組織検査をします。また乳腺分泌物について細胞診検査があります。病理検査の方法は前述のとおりです。多くの乳がんはホルモン依存性で、エストロゲン依存性あるいはプロゲステロン依存性です。
いずれのホルモンにも依存しない乳がんもあります。乳がんがこれらの女性ホルモンの受容体をもっていて、ホルモンに依存することになります。病理組織検査で、これらのホルモン受容体の有無が検出できます。それによって、ホルモンに対抗する薬の選択が可能となります。
乳がんの予後にかかわる遺伝子診断があり、臨床的に応用されつつあります。以上の検査結果は自分のからだの状態を示す客観的な証拠ですので、報告書のコピーを頂き、自分で保存することをお勧めします。
乳がんは女性ホルモンに依存して増えることは前に述べました。女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンがあります。乳がんを手術した場合には、がん細胞がこれらのホルモンに対する受容体を持っているかどうか調べる必要があります。これは病理組織検査で調べることができて、免疫組織検査項目の中にあります。この結果は治療に必要なので、乳がんを切除した病院に保存されているはずであります。
リンパ節転移のない乳がんについて、術後にがん細胞のエストロゲン受容体の有無によって抗がん剤を使うかエストロゲンをおさえるタモキシフェン単独を使うか比較した報告があります。エストロゲン受容体陽性の乳がんでは、抗がん剤をえらぶ意義はなく、タモキシフェン単独との差はありませんでした。エストロゲン受容体陽性の乳がんではいずれの治療でも7年生存率は90%弱であり、病気のない状態でいうと80%の人々が健康でいられました。
一方、リンパ節転移のないエストロゲン受容体陰性の乳がんでは、抗がん剤とタモキシフェンを使ったことが有効でした。エストロゲン陰性乳がんでは、抗がん剤とタモキシフェンの両者で、7年生存率も病気のない状態の率も85%-90%でしたが、タモキフェン単独ではいずれも70%と有意に低い結果でした。この差をどう受け止めるかが重要であります。これが治療を受ける側に正確に説明されてこそ真のインフォームド チョイスといえます。
上記のようなことについて十分に医師が説明する必要があります。なぜなら、抗がん剤は抗生物質が細菌感染に有効なようには効かないからです。細菌感染の場合には、抗生物質以外に選択の余地はありません。短い説明で医療を受ける側は理解可能であります。しかし抗がん剤の効果が不十分であるわけで、選択肢はいくつもあり、必然的に多くの説明が必要となります。
エストロゲン受容体をめぐって、もう一つの乳がん細胞攻撃法があります。それはエストロゲンの補給を絶ってしまう兵糧攻めです。この方法が当てはまるのは閉経後の女性です。閉経後の女性では、卵巣からのエストロゲン補給が著しく減ります。しかし、からだ全体にある皮下脂肪がエストロゲンの供給源となります。
したがって、運動して皮下脂肪を減少させることは、乳がん予防にとって意味のあることです。このエストロゲンは女性のからだの皮下脂肪にあるアロマターゼという酵素によって微量の男性ホルモンからつくられます。そこでこの酵素を阻害することによってエストロゲンの補給を絶ってエストロゲン受容体陽性の乳がんの増殖を抑えようとする試みです。
アロマターゼの阻害剤はレトロゾールといい、それを使った第III相の臨床治験の結果が報告されました。乳がん切除5年生存率について、レトロゾールはタモキシフェンより良好な効果を示したと報告されています。
この項はすべてのがん治療の方針を決断することにかかわっていると考えます。決断をするためには、患者本人だけでは不可能なことは当然でありましょう。なぜなら、がんであることを聞かされただけで大変なストレスです。それを受け入れるだけでも大変なことです。そこからどう治療するかについて判断しなければなりません。
医療についてほとんど知らないことばかりです。受け持ち医が懇切に説明してくれても、なかなか難しくて一回聞いただけではわからないことが多いでしょう。知らないことをいちいち調べているような心の余裕はないといえましょう。
しかし、次から次へ決断していかなければならないことが山積します。家庭のこと、自分の身辺整理、入院の日程、手術前のさまざまな検査の予定などなど。多くの場合には、受け持ち医のいうすすめをうのみにせざるをえない状況でしょう。
最も大切なことは、切羽詰った状況ではあるからこそ、自分の命にかかわる決断を十分納得して選んで欲しいのです。がんの治療はよほどでない限り、急を要することはありません。むしろじっくり構えて、自分にあった対策を練ることが必要です。選択肢が多いことは、治療手段として100%信頼できるものがないからです。8割以上信頼できる固形がん治療の手段は手術です。その他の治療手段は今のところ五十歩百歩であると認識してほぼ間違いありません。
じっくり構えた場合、自分の受け持ち医を含めて、自分の周りにどれほどの親身になって頼れる人々がいるかが重要です。それは医師、看護師ばかりでなく、医学的に専門的な支援者や情報提供者が必要なことは当然です。偏らない情報を受けて、統計的な「賭け」をしなければならないからです。
医学的なデータ、とくに5年生存率あるいは10年生存率は本人にとっては賭けです。それが50%といわれても、それは5年後に自分の半分が死ぬというわけにはいかないからです。5年経って生きるか死ぬかのどちらかです。抗がん剤の選択を考えるならば、抗がん剤の効果とそれに不即不離の副作用を両天秤にかけなければなりません。
抗がん剤は進行固形がんにたしかに効き目はありましょう。その内容は多くの場合しこりの部分縮小です。しかし、延命効果は目立つものではなく、数ヶ月から半年にとどまることが多いのです。進行乳がんの治療後二年の平均生存率はここ50年間改善がみられません。
もし進行乳がんであった場合、どうでしょうか。抗がん剤の治療選択には同様な数字の比較がどうしても必要でしょう。自分に起きた乳がんが増え方の遅いものか、速いがんか、平均的か、休眠状態なのかは病理学的にある程度識別できます。しかしその後のからだの中で起きている現象を推測はできません。
以上の数字は確率の問題です。研究の手続きが厳密であればあるほど、一人一人の患者の個性が消えて、科学性を示すことになります。つまりこの場合の科学性とは、再現性です。近い将来に世界のどこか、たとえば日本で同様な患者がいた場合、上記の治療によってその人が80%あるいは90%の確率で5年生存できるということを示しています。
それではこれらの治療を行わなかった場合はどうかというと、現代医療では非治療者と対比した科学的な手法による比較研究が行われないから5年後の生存を何も保証できないということになります。しかし、これはゼロを意味しているのではないことは、前述の通りおわかりいただけるとおもいます。つまり同じ土俵で比較する科学的根拠がなければ説明できないという点は、現代医療の限界であり、弱点であるといえましょう。
もし、あなたががんといわれた時に、この数字の差と副作用がどのような意味を持つか、またどう受け止めるか、そして自分の今後をどう選択するかでしょう。重要なことは、抗がん剤の副作用ばかりが気なって、はじめからその選択を捨ててしまってよいかどうかでしょう。新しい治療法は徐々に開発されてきていることは確かです。要はこうした医療情報を第三者的に適切に用意してくれるひとびとの助けは無視できないとかんがえます。
退院後では多くの場合、医師や看護師などの医療スタッフのみならず医療をとりまくチームと家族の支えが必要となりましょう。そして、がんについて先輩である患者同士による支援体制はすぐに必要となるでしょう。こうした三次予防的な医療体制は、現在大変欠けているといわざるをえません。昨今の医療保険体制では、新たなマンパワーに支出される予算はないかもしれません。
医療の現場では患者の尊厳と権利という倫理的な主張とともにインフォームド コンセントの考え方が芽生えました。現在では、この考え方が拡大して医療情報の開示と患者が医療に積極的に参加する主張に発展しています。
インフォームド チョイスということばはありますが、医療の現場では十分に現実のものとして機能しているかというと、必ずしも理想的とはいえません。昨今では、患者が受け持ち医を一方的に頼るという信頼関係だけでは済まないからであります。
偏らない情報に基づいておのおの自分のがんの治療に何が最も適しているか評価することが求められています。
東京脳神経センター(病理/内科)
遠藤 雄三(えんどう ゆうぞう)氏
昭和44年(1969年)東京大学医学部卒。虎の門病院にて免疫検査部創設・部長、病理/細菌検査部長を務める。その後カナダ マクマスター大学健康科学部病理・分子医学部門客員教授、浜松医科大学第一病理非常勤講師、宮崎県都城市医療法人八日会病理顧問・看護学校顧問を経て、現在、東京脳神経センター(病理/内科)。免疫学・病理学・分子医学の立場からがん・炎症の研究を進め、発表した論文は110報以上。
<主な研究課題> 生活習慣病予防にかかわる食物、サプリメント、生活習慣病と公衆衛生、IgA腎症と粘膜免疫とのかかわり、頭痛と首コリの解消、人体病理学、臨床免疫学、実験病理学
・掲載4 「ホモ バネ仕掛け」の頚と「新型うつ」
・掲載3 首の構造と頭痛=頭皮痛のおこりかた
・掲載2 体験/炎症とは
・掲載1 はじめに
・掲載6 感染症予防には手洗い、うがい、そして免疫をケアしよう
・掲載5 細菌感染と抗生物質:抗ウィルス薬は細菌には効かない
・掲載4 ウィルス感染症の治療と予防:抗ウィルス薬、血清療法、免疫
・掲載3 風邪、天然痘とSARS、MERSそして変異型コロナウィルス
・掲載1 ウィルス感染と免疫システム
・掲載22 自己とは?非自己とは?(22)過敏性腸症候群/食物アレルギー
・掲載21 自己とは?非自己とは?(21) 大腸と腸内細菌
・掲載20 自己とは?非自己とは?(20) Bリンパ球/IgA
・掲載19 自己とは?非自己とは?(19) パイエル板
・掲載18 自己とは?非自己とは?(18) 消化管の蠕動(ぜんどう)運動
・掲載17 自己とは?非自己とは?(17)粘膜免疫
・掲載16 自己とは?非自己とは?(16)腸管免疫
・掲載15 自己とは?非自己とは?(15)免疫と消化管
・掲載14 自己とは?非自己とは?(14)ウィルスと自己
・掲載13 自己とは?非自己とは?(13)妊娠とABO式血液型不適合
・掲載12 自己とは?非自己とは?(12)移植
・掲載11 自己とは?非自己とは?(11)輸血と免疫
・掲載10 自己とは?非自己とは?(10)Ⅲ型アレルギー/自己免疫疾患
・掲載9 自己とは?非自己とは?(9)Ⅱ型アレルギー/血液型
・掲載8 自己とは?非自己とは?(8)抗生物質の発見/一型アレルギー/免疫グロブリン
・掲載5 自己とは?非自己とは?(5)急性炎症:日焼けと免疫反応
・掲載4 自己とは?非自己とは?(4)炎症
・掲載3 自己とは?非自己とは?(3)アレルギー
・掲載2 自己とは?非自己とは?(2)自己の確立②
・掲載1 自己とは?非自己とは?(1)自己の確立①
・掲載6 からだの防御システム(6)特異的免疫細胞たち:リンパ球
・掲載4 からだの防御システム(4)免疫ホメオスタシス/感染症と炎症
・掲載3 からだの防御システム(3)「食-医同源」
・掲載2 からだの防御システム(2)新型インフルエンザウィルス
・掲載1 からだの防御システム(1)はじめに:「病気」、「病態」そして「病 名」
・掲載21 頭頚部がん(2)
・掲載20 頭頚部がん(1)
・掲載19 多発性骨髄腫(3)
・掲載18 多発性骨髄腫(2)
・掲載17 多発性骨髄腫(1)
・掲載16 おとなの進行がんの治療戦略(2)
・掲載15 おとなの進行がんの治療戦略(1)
・掲載14 子宮がん(2)子宮内膜がん
・掲載13 子宮がん(1)
・掲載12 肝細胞がんに対する予防戦略 3)ウイルス排除と抗炎症対策
・掲載11 肝細胞がんに対する予防戦略 2)肝硬変と慢性炎症
・掲載10 肝細胞がんに対する予防戦略 1)肝細胞がんのおこり方
・掲載9 前立腺がんに対する戦略
・掲載8 乳がんに対する戦略
・掲載7 肺がんの予防戦略
・掲載6 環境要因による胃がん予防
・掲載5 大腸がんに対する防衛戦略
・掲載4 生活習慣病としてのおとなのがん
・掲載3 抗生物質から抗がん剤開発へ
・掲載2 現代医学と病理学
・掲載1 はじめに