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高血圧の治療は認知症を予防する

高血圧が認知症のリスクを高めることが、近年指摘されています。今回は、2020年11月10日に実施された「認知症-超高齢社会を見据えて、今から始める予防策 第3回 認知症と高血圧」(一般財団法人 東京顕微鏡院)の講演を、2回にわたってご紹介します。

「高血圧の治療は認知症を予防する」と題して、遠藤英俊氏(聖路加国際大学 臨床教授、名城大学 特任教授、NPO法人 シルバー総合研究所理事長、元国立長寿医療研究センター 長寿医療研修センター長)が講演しました。遠藤氏は、国内では認知症は高齢化と共に増加傾向にありますが、欧米の先進国では、認知症患者の有病率が減少しているという報告もあると指摘しています。その要因として、高血圧のコントロール、また、学歴が伸びると認知症の罹患リスクが下がることも近年報告されていることから、学歴が高くなっていることが挙げられるようです。

認知症の予防は40代から

認知症には数種類の病型があり、アルツハイマー病が全体の67.6%、血管性認知症が全体の19.5%を占めます。高血圧症のある人は、ない人に比べて、アルツハイマー病になるリスクが約3倍高いと言われています。その原因は脳の動脈硬化や血管障害の影響が大きいと推測されています。また、アルツハイマー病の原因の一つとして、脳内アミロイドβの蓄積が挙げられますが、アミロイドβの蓄積が始まってから20~25年を経てアルツハイマーを発症することから、40代から糖尿、高血圧をコントロールすることが大切であり、発症してからも糖尿・高血圧のコントロールが進行を抑制する効果があることが明らかになっています。
一方、糖尿病や肥満の治療によっても、認知症のリスクが低減することが指摘されています。つまり、40歳ぐらいからの生活習慣病の治療やコントロールは、認知症をある程度予防すると言えます。

睡眠障害と高血圧症

また、高血圧症の予防、と言うと、まず思い浮かぶのが塩分を控えることですが、それだけではなく、実はストレスや睡眠不足も血圧に関与しているのです。強いストレスや睡眠障害があると、十分な睡眠をとることができずに交感神経が高ぶったままになり、血圧が高くなります。また、アルツハイマー病の一因である脳内アミロイドβは睡眠中に除去されるとの報告もあり、脳内アミロイドβの蓄積を抑制するためにも、睡眠は大切であると言えるでしょう。

睡眠中や早朝の血圧も注意が必要で、日中は正常な血圧であっても、早朝に血圧が上昇する「モーニングサージ」の場合があり、モーニングサージは認知症の発症リスクを2.27倍高めるという報告もあります。つまり、血圧は、自宅で毎日測定することが望ましく、時には一日のうちに時間を決めて何度か測定して、日中変動を見ることも必要です。

高血圧症と認知症予防

遠藤氏は、高血圧症と認証予防のために、以下の事を心掛けることが大切であると指摘しています。

・ 40歳代より生活習慣病対策
・ 適正なカロリー摂取を、標準体重を維持
・ 減塩食
・ 適正な食品摂取
・ 良好な睡眠
・ ストレスフリーな生活
・ 血圧は140以下をキープ
・ 原則血圧測定は毎日
・ 体重測定は毎日

健康豆知識 2020年11月

講習会資料より