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2022.12.19

フレイル予防習慣を身につけて、快適な老後を手に入れよう③

健康豆知識12-3フレイルとは、加齢とともに心身の活力が低下することで、生活機能障害、要介護状態、死亡などの危険性が高まった状態のこと。さまざまな疾患や合併症の入り口と言われています。フレイルの予防には、たんぱく質を意識して摂取すること、偏りなく様々な食品を取ること(食品摂取多様性の向上)が重要になります。
今回は、東京都健康長寿医療センターの第161回老年学・老年医学公開講座「健康長寿の秘訣!フレイル予防を学びましょう!」の本川佳子研究員の講演より、食生活を改善する具体的な方法を紹介します。

1日3食しっかりと 難しければお惣菜を活用しよう

どのような食生活をすれば、食品摂取の多様性を向上できるのでしょうか?
まずは、1日3回しっかりと食事をとることを意識しましょう。私達の研究では、1日の食事回数が2回未満の方は、3回以上の方に比べて、エネルギー摂取量が100 kcal以上低下し、食品摂取多様性スコアは1点以上落ちていました。しかしながら、ご高齢で食欲がなく、毎日3食は厳しいという方もいるかと思います。そういった方は、間食を工夫することが有効です。私は、おやつとしてヨーグルトとフルーツをお勧めしています。フルーツでしたら、さっぱりと口触り良く、食べることへのストレスも比較的少ないかと思います。お手軽に食品摂取の多様性が高められ、たんぱく質の摂取量を増やすことができます。
健康豆知識2022年12-1健康豆知識2022年12-2そのほかにも、料理の際に少し多めに作って冷凍保存しておくことや、スーパーやコンビニの市販品やお総菜を積極的に活用することもお勧めです。特に最近のお惣菜は、種類がかなり豊富で、1人で食べるのにちょうどよい量の物も沢山売られています。また、レトルトパウチに入っていて、保存性が高いものも多く、忙しくて料理を作る時間がない方でも、手軽に食品摂取多様性を高めることができます。イギリス栄養士会が作成した栄養摂取に関するガイドラインでは、新型コロナウイルスの感染拡大時において、レトルトパウチや冷凍食品の活用を推奨しています。レトルトパウチや冷凍食品は、外出が制限される場面にあっても、問題なく利用することができる点がメリットです。アフターコロナにあっても、これらの食品を上手く利用することが、バランスの良い食生活を守ることに繋がるのです。

パッケージの栄養成分表示にも注目

健康豆知識2022年12-3市販品やお惣菜を利用する際は、商品パッケージの栄養成分表示にも注目してください。
現在は、容器包装に入った加工食品には、栄養成分を表示することが義務付けられており、エネルギー(カロリー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量が必ず記載されています。この数値の多くは、推定値・目安値で記載されたものですが、化学的に分析した実際の数値とほとんど差はありません。私達は、市販のお弁当に記載されている栄養成分量が、化学的に分析した数値と一致するかを検証しましたが、全ての栄養成分においてほぼ一致していました。お惣菜を購入する際は、栄養成分表示を見て、たんぱく質の量を確認すること、また、塩分を摂り過ぎな方は、食塩相当量も意識しましょう。
私達は普段から、栄養素がぎゅっと詰まった食品を調理して、食事として摂取しています。今回のセミナーでは、様々な食品をバランスよく摂取することが重要だとお伝えしました。食品摂取の多様性を高めることで、フレイルの予防につなげて頂ければ幸いです。

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