医療とは、患者さんを中心に家族や友人、医師、看護師、心理療法士などが作る「場」のことです。その中でお互いが自分の命の場のエネルギーを高めながら、人の場にも思いをやって相互関係の中で場のエネルギーを高め、その結果患者さんは病を克服し、家族も医療関係者もみんなが癒される。これが本来の医療の姿です。

 ところが、20世紀に西洋医学が急速に発展したために、錯覚が起こって医療が混乱してしまいました。医学と医療は、本質的に違います。医療が最前線なら、医学は兵站部みたいなもので、前線で足りなくなった弾薬や食糧を届けるのが医学です。

 ここを勘違いしてはいけません。その錯覚から解かれてくると、本来の医療が見えてきて、これからの医療は本来の医療に戻っていくと思います。医療は、また場の営みでもあります。

 そして医療という場は、環境の場の中の存在ですから、家庭の場とか職場の場とか、社会の場、自然界の場など、みんな関係があるわけです。エネルギーの高い場に身を置くことによって、患者さんは癒されていくということを、医療の一番の眼目としていかなくてはいけません。

 病院の人は病院という場のエネルギーを高めるように日ごろから努力していかなくてはいけません。それによって、患者さんにとってのいい医療ができあがるわけです。

◆プロフィール 帯津 良一(おびつ りょういち)

1936年埼玉県に生まれる。61年東京大学医学部卒業。東京大学病院第三外科、共立蒲原総合病院外科、都立駒込病院外科を経て82年帯津三敬病院を設立。院長。
ホリスティックなアプローチによるがん治療を実践。2000年、「楊名時太極拳21世紀養生塾」を設立し、塾頭に。2001年、帯津三敬病院名誉院長。現在、NPO法人日本ホリスティック医学協会会長、調和道協会会長、楊名時太極拳21世紀養生塾主宰、日本ホメオパシー医学会理事長などを兼務。

<主な著書等>
『いのちの場と医療』(春秋社)、『気と呼吸法』(春秋社)、『気功的人間になりませんか』(風雲舎)、『がんになったとき真っ先に読む本』(草思社)、『身近な人がガンになったとき何をなすべきか』(講談社)、『ガンを治す大辞典』(二見書房)他多数。





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