A脂質代謝改善作用の作用機序に関する検討

腸管粘膜における膜結合酵素ACAT(acyl-CoA: cholesterol acyltransferase)は、コレステロ ール吸収に重要な役割を果たしている。ウサギ腸管ACATに対してケフィランは、濃度依存 的な阻害作用を示した。ケフィランがコレステロールのエステル化を阻害し、腸管粘膜におけるコレ ステロールの吸収を抑制することにより、血清脂質代謝の改善が得られることが推測された。
またラットを用いてケフィランと米ケフィランのコレステロール排泄促進作用をコレステロール 負荷とオロチン酸投与の2 つの実験系で検討した。コレステロール負荷試験では、糞採取期間中 の乾燥糞重量が、1.5% 米ケフィラン群で増加した。総コレステロール、胆汁酸、総ステロールの排泄 量と排泄率は2実験群でいずれもControl群より高値を示し、3% 米ケフィラン群で有意に高値を示 した。これらの結果から、ケフィランの示す生理作用のメカニズムの一端は、腸肝循環性コレステロ ールの腸管内腔での吸着除去作用によるものであることが示唆された。胆汁酸に関しては食餌性 コレステロール酸の吸収阻害が主因とみなされた。また、オロチン酸による内因性ステロール増加 への改善作用からも、腸肝循環性ステロールへの影響が強く示唆された。

■ウサギ腸管ACATに対するケフィランのコレステロール吸収阻害作用

濃度(mg/mL)
阻害率(%)
IC50
Ki
pKi
ケフィラン
6.00
65
4.1mg/mL
2.3×10-6M
5.63
3.00
40
2.00
43
0.60
11
0.20
0
0.06
0
0.02
0
Lovastatin
----
14.1μM
1.4×10-5M
4.90
Ki値のモル濃度は平均分子量1,750,000を用いて計算した。 pKi = Kiの逆対数 陽性対照としてLovastatinを用いた。

■コレステロール負荷ラットに対する米ケフィランのコレステロール排泄促進作用

                   Control群     1.5%米ケフィラン群    3.0%米ケフィラン群
乾燥糞便量(g/頭/日)        1.65±0.049a     1.84±0.066b      1.77±0.056ab
糞便総コレステロール(mmol/頭/日) 0.482±0.045a     0.576±0.072ab     0.599±0.016b
糞便総コレステロール排泄率(%)    16.3± 1.42      19.2± 2.55       19.7± 1.12
糞便胆汁酸(mmol/頭/日)      0.154±0.033a     0.181±0.026ab     0.216±0.019b
糞便胆汁酸排泄率(%)         96.6± 8.2a        112± 16.8ab      131± 10.3b
糞便総ステロール(mmol/頭/日)   0.637±0.049a      0.757±0.076ab    0.815±0.022b
平均値± 標準誤差( n=6 )。a,b異なる文字間に有意差あり ( p<0.05 )。


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